コミックナタリー Power Push - ニコ×ナタ(コミック)

DECO*27×水瀬マユのタッグ作は大人も悶えるティーンズ純愛物語

コミックナタリー読者に向けて、ニコニコ静画からピックアップした作品を紹介する「ニコ×ナタ(コミック版)」。今回はミュージシャン・DECO*27の同名アルバムを「むすんでひらいて」の水瀬マユがマンガ化した、「ラブカレンダー」にスポットを当てる。ニコニコ静画では、各エピソードのモチーフとなっているアルバム収録曲がBGMとして流れる限定バージョンを配信中だ。

このマンガは恋に落ちた高校生男女の1年間を描く、淡いラブストーリー。月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)で先行して連載されており、ニコニコ静画では第3話までを配信する。「ニコ×ナタ」ではこの多彩な広がりを見せる「ラブカレンダー」の魅力に迫るべく、DECO*27に話を聞き、水瀬にメールインタビューを敢行した。

そのほか、言葉も出ないほど美しい「コメント欄は不要」タグの付いたユーザーイラストもお見逃しなく。

「ラブカレンダー」配信スケジュール

インタビュー写真
第1話「1+1=1」
2012年9月25日(火)配信
第2話「RT」
2012年10月25日(木)配信
第3話「甘宿り」
2012年11月26日(月)配信

DECO*27インタビュー

DECO*27(でこにーな)

福岡生まれ、男性。2010年4月、1stアルバム「相愛性理論」でデビュー。同年12月、2ndアルバム「愛迷エレジー」をリリースした。ほかのアーティストへの楽曲提供も行っており、中でも柴咲コウに提供した「無形スピリット」でのコラボレーションが縁で、柴咲およびTeddyLoidとユニット「galaxias!」を結成したことは大きな話題となった。2012年7月には3枚目のアルバム「ラブカレンダー」を発表。

自分の曲が原作だって忘れるぐらい感動した

──まずマンガの原作になったアルバム「ラブカレンダー」についてお聞きます。リリース時にはナタリーでもアルバムについて特集を組み、DECO*27さんにご登場いただきましたが、コミックナタリーの読者向けに改めて、簡単に内容を解説していただけますか。

インタビュー写真

新しいアルバムの制作に取り組む際、直感的に思いついて12曲でまとまるような構成にしたかったんです。この12という数字にヒントを得て「12カ月」「カレンダー」というアイデアが生まれ、ある男女を主人公にした1年間の恋模様を描いたストーリー仕立てのアルバム「ラブカレンダー」が出来上がっていきました。高校生カップルの初恋を、お互いの目線から音楽で表現しています。

──拝聴しましたが、1本の映画を観たようなドラマを感じました。

アルバム全体でひとつのストーリーを描くコンセプトなので、男女2人のキャラクター設定も事前にしっかり決めました。紅季(こうき)君と糸織(しおり)ちゃんという「赤い糸」をモチーフに名付けた2人なんですけど、楽曲制作に入る前に設定を作り込んだおかげでキャラも自由に動き出しましたね。

──キャラ設定はどのぐらいまで決めていたんですか。

実はかなり細かく決めています。容姿や性格、誕生日だったり彼らの好きな音楽だったり、口癖も。そういった設定やイメージを、アルバムのイラストを手がけてくれた坂本ヒメミさんにビジュアル化していただいて、ついには水瀬マユさんにマンガにしていただくまでになりました。

──どのような経緯で水瀬さんが描かれることに至ったのでしょう。

実は「ラブカレンダー」でご一緒する前に、水瀬さんには自分の曲のためにイラストを描いていただいたことがあったんです。そのときに曲の世界観がイラスト1枚ですごく広がった感じがして、マンガ化するならぜひとも水瀬さんに!とお願いしました。もともと水瀬さんの「むすんでひらいて」が大好きだったので実現して嬉しいです。

──第1話の原稿を初めて読んだ時はいかがでしたか。

自分の曲から生まれたマンガだっていうのを忘れるぐらい感動しました。第1話はアルバムの1曲目「1+1=1(フタリ)」をもとにマンガにしているんですが、楽曲の歌詞だと「糸織ちゃんが思いきって告白、紅季くんも同じ気持だった」という部分しか描かれていないんです。でもマンガの第1話はそれ以前の何故好きになったのかとか、どういうシチュエーションで告白したのかとか、告白までの経緯が綴られていて。そこはマンガだけの見どころですよ。

夜中に独りニヤニヤしながら読んだ

──端々に仕込まれた小ネタも作品の世界を盛り上げています。

ボーリングの話題で「最高いくつ?」ってスコアを聞かれた紅季君が「16ポンド」って天然ボケをかます場面とか、第1話のお気に入りシーンのひとつですね。小ネタを入れてくるのは水瀬さんの得意技で個人的にも楽しみにしています。

──ボーリングをする場面では、背景のスコア画面をよく見ると「DECO*27」を文字った名前が表示されていたり、遊び心の溢れた仕掛けもあって。

インタビュー写真

糸織ちゃんがバイトしてるファミレスが「デニーズ」じゃなくて「デコーズ」だったりとか(笑)。ちなみに紅季君がちょっと変わっていることがわかるエピソードとして、彼はデコーズで超不人気な「いちごハンバーグ」をよく頼むんですけど、これはネームの時点では「アボカドハンバーグ」だったんですよ。でもアボカドは普通にありそうだなと思って、インパクトを強調するために、アボカドを僕の大嫌いないちごに変えてみました。

──あのメニューにはそんな由来もあったんですね。そのほかにマンガならではの新設定には、どんなものがありますか?

糸織ちゃんが家庭の事情で留年しているという設定は、アルバムの中ではいっさい語られていないのですが、マンガ化するにあたり設定をより具体的に固めました。その年齢差だったり、彼らが高校3年生という要素は今後のストーリーに大きく関係してくるようになってきますよ。

──ちなみに現時点では何話くらいまで作業を進めてらっしゃるんですか?

つい先日、第3話「甘宿り」のネームチェックを終えたんですが、キュンキュン度合いがやばいですね(笑)。初めてのキスがモチーフになっているんですけど、それがマンガになったときの破壊力がやばくて。夜中にメールで届いたんですが、部屋の電気消して、独りMacのライトに照らされながらニヤニヤして読んでました。

──あまり人に見られたくない姿ですね(笑)

でも、読者の方にもニヤッとして楽しんでもらえると嬉しいです。

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