コミックナタリー Power Push - 笠井スイ「ジゼル・アラン」
ようこそ、ウェブ原画展へ。うっとりするほどの筆致、髪の毛の1本1本までご堪能あれ
笠井スイがFellows!(エンターブレイン)で連載中の「ジゼル・アラン」は、好奇心旺盛なお嬢様ジゼルが何でも屋として奮闘する物語。胸躍らせる話運びとともに、新人離れした精緻かつ色気のある筆致でも人気を獲得している。
コミックナタリーはその原画に触れる機会を得、どうにかしてこの魅力をウェブ上でもお伝えできないかと熟考。スキャンではなくカメラで撮影し、できる限りまでズームアップできるようにした。名付けて「ウェブ原画展」。高解像度のため、細い回線では動作が遅くなることはお許しいただきたい。
お届けするのは、笠井本人がセレクトした10点のモノクロ原画。担当編集いわく「放っておくと何時間でも描き込み続ける」という笠井からの、こだわりコメンタリーも併載した。原画展の開催が東京に集中してばかりで臍を噛んでいた遠方のファン諸兄も、ベタムラからホワイト、切り貼りの跡まで、存分にご堪能あれ。
作品解説
20世紀初頭、ヨーロッパ。主人公の少女の名は、ジゼル・アラン。アパートの大家をしているジゼルが、ある日"何でも屋"を開業する。でもお嬢様育ちで好奇心旺盛なジゼルは、何かと暴走しがちで――。家賃滞納を理由に無理矢理仕事を手伝わされるエリックをはじめ、個性豊かなアパートの住人たちを巻き込んで、ジゼルお嬢様の危なっかしい活躍が始まる。
作品解説
笠井スイ初の短篇集。デビュー作「花の森の魔女さん」を含む全8篇を収録。鳥擬人化シリーズ「月夜のとらつぐみ」「水面の翡翠」の2作品や、個人誌で発表された「Story Teller Story」シリーズ2作品などを収録。
笠井スイ(かさいすい)
1984年生まれ。長野県在住。2008年10月、Fellows!(エンターブレイン)創刊号の読切「花の森の魔女さん」にてデビュー。2009年6月より、初の連載となる「ジゼル・アラン」をスタート。趣味は愛猫と遊ぶことと、石を集めること。
第12話の見開き扉。果物や小物などの質感をペンで描き分けるのが好きです。ちょっとしたミスで原稿を切り貼りすることになったのが、コラージュっぽい感じで楽しかったです。