「さくら荘のペットな彼女」の鴨志田一が脚本とシリーズ構成を、「月曜日のたわわ」の比村奇石がキャラクターデザイン原案を手がけるオリジナルアニメ「Just Because!」。本作では高校生活も残りわずかとなり、このまま“なんとなく(Just Because)”卒業していくのだろうと考えていた学生たちの日常の変化が描かれる。
コミックナタリーではアニメの放送開始に先がけ、鴨志田が「Just Because!」の小説を連載しているダ・ヴィンチ(KADOKAWA)の関口靖彦編集長にインタビューを実施。これまでに「秒速5センチメートル」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「君の名は。」などそうそうたるタイトルの小説が発表されてきたダ・ヴィンチで「Just Because!」の小説が連載されるに至った経緯や、その魅力について聞いた。
取材・文 / はるのおと
- 泉瑛太(イズミエイタ)CV:市川蒼
- 4年ぶりに過去に暮らしていた街へと帰ってきた、季節外れの転校生。中学時代からの親友だった陽斗をはじめとした懐かしい面々と転入先の高校で再会を果たす。
鴨志田一コメント
瑛太に限らず、本作の登場人物は、それぞれの年齢や立場に対して等身大であることを意識して描きはじめました。主要五人に関しては、クラスにひとり、ないしは学校にひとりはいそうな男の子、女の子としてキャラクター性を積み上げたつもりです。
その中において、瑛太は何か特別な才能があるわけではなく、クラスの中では目立つ存在というわけでもない普通の男の子です。ただ、その普通さの中には、自分の本心を人に知られるのがあまり得意ではないという自意識や羞恥心が含まれています。その性格ゆえに、から回って、こじらせて、不器用ながらなんとか立ち回ろうとする姿に、何かしら感じていただけるとうれしいキャラクターです。
- 相馬陽斗(ソウマハルト)CV:村田太志
- 高校卒業後は、就職することが決まっている元野球部の3年生。引退後もたびたびグラウンドに顔を出しては、バットを振るっている。夏の大会では打つことができなかったホームランを打って、告白したい相手がいるという。
鴨志田一コメント
瑛太が不言実行であるとするなら、陽斗は有言実行を無自覚にやっている裏表が非常にわかりやすい男の子です。自分の気持ちに正直で、相手に対しても真っ直ぐ。でも、男子としての見栄はちゃんとあって、恋愛事になると途端に憶病になったりもします。そういうときに、ひとまず自分を勇気づけるため、全然関係ないのに、「ホームランを打ってから告白しよう」とか考えてしまうあたりが、陽斗にとっての等身大感であり、人間としての面白さかもしれません。
- 森川葉月(モリカワハヅキ)CV:芳野由奈
- 推薦ですでに大学への進学を決めている元吹奏楽部員。家は祖父母の代から農家を営んでいる。クラスでは目立つこともなく、恋愛ごとには無縁だったが……。
鴨志田一コメント
葉月は家が農家であることから、将来という点において、ある程度はっきりしたビジョンを早い段階から持っていました。それゆえに、同級生と比べると、先のことが見えている分、大人っぽく映るように意識して描いています。実際、限られた選択肢の中で、自分のやりたいことを葉月はすでに選んでいるため、誰よりも現実的な視点を持っている女の子かもしれません。ただし、それはあくまで同級生から見れば、という話です。物語の中では、予期せぬ出来事が葉月の心を揺さぶって、葉月は葉月で変化をしていくので、その点を見ていただけるとうれしいですね。
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ダ・ヴィンチ関口靖彦編集長インタビュー
- テレビアニメ「Just Because!」
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- 放送情報
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AT-X:2017年10月5日(木)より毎週木曜21:00~
TOKYO MX:2017年10月5日(木)より毎週木曜23:30~
テレビ神奈川:2017年10月5日(木)より毎週木曜25:00~
MBS:2017年10月6日(金)より毎週金曜26:55~
BSフジ:2017年10月10日(火)より毎週火曜24:30~ - スタッフ
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脚本・シリーズ構成:鴨志田一
キャラクター原案:比村奇石
音楽プロデュース:やなぎなぎ
監督:小林敦
キャラクターデザイン:吉井弘幸
アニメーション制作:PINE JAM - キャスト
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泉瑛太:市川蒼
夏目美緒:礒部花凜
相馬陽斗:村田太志
森川葉月:芳野由奈
小宮恵那:Lynn
乾依子:櫻庭有紗
高橋早苗:貫井柚佳
鈴木桃花:近藤玲奈
佐藤真由子:千本木彩花
猿渡順平:天﨑滉平
石垣陸生:山本祥太
清水徹:柳田淳一
山口薫:小林大紀
渡辺先生:大川透 - あらすじ
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高校三年の冬。
残りわずかとなった高校生活。
このまま、なんとなく卒業していくのだと誰もが思っていた。突然、彼が帰ってくるまでは。
中学の頃に一度は遠くの街へと引っ越した同級生。
季節外れの転校生との再会は、
「なんとなく」で終わろうとしていた彼らの気持ちに、
小さなスタートの合図を響かせた。