ワンチャンスだからこそ奇跡的に撮れたシーン

──まずはおぎやはぎのお2人と松丸アナウンサーから、今作の感想をお願いします。

おぎやはぎ小木博明　それはもう、劇団ひとりがすごかったですね。

──どんなところが？

小木　どんなところっていうのは特にないんですけど。

劇団ひとり　何かしぼり出せよ（笑）。

小木　おー！と思うところはたくさんありました。

ひとり　例えば？

小木　例えばっていうのはまあ、アレですけど。

一同　あはははは！

小木　今回はさらにすごいんです。今思えば前作ってそうでもなかったなって思っちゃう。

おぎやはぎ矢作兼　そんなことないよ（笑）。

小木　今作はもっと引き込まれるってことです。あ、あのシーン！ プールサイドのシーンが一番よかったですね。劇団ひとりとヒロインの上原亜衣さんとの掛け合いが。

松丸友紀アナウンサー　私もそのシーンが印象的でした。今回は天気も味方してくれたんですよね。晴れていてもいいシーンだったと思うんですけど、小雨が降ってきたっていうのが情緒を醸し出してくれて、より雰囲気のあるシーンになりました。

──その瞬間にしか撮れないドラマチックなシーンでした。

松丸　技術さんたちの意気込みも前回以上だったと感じました。絶対にワンチャンスで撮らなくてはいけなくて、ワンチャンスだからこそ奇跡的に撮れたシーンがいくつもあって。技術さんたちの思いも感じられると思います。

──矢作さんはいかがでしたか？

矢作　すべてにおいて前作よりパワーアップしてますよ。お金もかかってる感じしますもん。スケールが前作から1.2倍くらいになってるのかな。

ひとり　具体的な予算は言えないけど、まさにちょうど1.2倍くらいなんだよね。

矢作　本当？ 「1.2倍くらいになってんなー！」って思ってたんだよ（笑）。今まで「キス我慢」って前回を超えなかったことがないんですよ。ちゃんと今回も超えてきたな！と感心しました。僕はマキタスポーツの死ぬところが印象に残ってます。すげえダサい死に方するところ。

小木　あー。あれはダサかった（笑）。

──では主人公・川島省吾役のひとりさんから見て、前作よりパワーアップしているところはどこでしょうか。

ひとり　文句なしに“話”です。話の複雑さ。1回台本読んだだけでは入ってこないような、かなり凝った内容なんです。僕は台本を読んでいないですし、細かく入っているサイドストーリーも当然見てない。それをいきなりぶっつけ本番で演じろって言われても無理がありますよ。

矢作　サイドストーリー見てても難しいんだから。

ひとり　だからやってて自分がなんなのかよくわかってないんです。特に後半、近藤芳正さんや戸次重幸さんが登場するんですけど、「この人たちは誰なんだろう？」って思いながらそれっぽく演じていました。

──その中で今回も数々の名セリフが誕生しました。

ひとり　自分ではその場その場で必死になって言ってるだけ。全然見当違いなこと言ってるんじゃないかなって怖くなるときもあって、実際に見当違いなことも言ってますし。実は、あさっての方向に走って行っちゃってカメラもついてこないってことがあって。気がついたら廃屋の端っこのほうで1人ぼっちになっちゃって慌てて戻ったこともあります。