本日8月29日、東京・駐日英国大使館にてミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM」製作発表記者会見が行われ、出演キャスト、企画・脚本・演出の
モンティ・パイソンは“コメディ界のビートルズ”とまで言われるイギリスのコメディグループ。日本のお笑い芸人やアーティストの中にも数多くのファンが存在している。今回、彼らの映画をモチーフにしたこのミュージカルが2012年1月に日本で初公演されることになった。同作は2005年の初公演以来、ニューヨークのブロードウェイをはじめ世界20カ国で上演された話題作となっている。
キャストを務めるのは、ユースケ・サンタマリア、池田成志、戸次重幸(TEAM NACS)、賀来賢人、ムロツヨシ、マギー、皆川猿時、彩吹真央ら。彼らとともに、数々のバラエティ番組や「スマートモテリーマン講座」などのコメディ舞台を手がけてきた福田がこの作品を仕上げる。
デイヴィッド・ウォレン駐日英国大使は挨拶で「モンティ・パイソンはビートルズの解散の直前に彗星のように現れました。彼らのテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』は大変な人気でのちの番組に大きな影響を与えました。おちゃらけているのに印象的で、エンターテインメント性に富んでいます。今回も必ずや大ヒット間違いなしと確信しています」と流暢な日本語で挨拶。「彼らの作品は、奇抜、エキセントリック、“ほとんどいっちゃってる”、クレイジーコメディ、挑発的で開放的、バカバカしさを恐れないと、たくさんの要素が詰まっています。私もモンティ・パイソンにいじってもらえるキャラな気がします」とユーモアたっぷりに盛り上げた。
エリック・アイドルはこの会見のために、今回急遽日本に初来日。「はじめまして私はエリック・アイドルです。モンティ・パイソンの中で6番目にいい人です」と冒頭からジョークを交えて会場を笑わせた。さらに「真面目な話からしようと思います。私は日本の首相になる準備があって来日しました。今日中に首相が決まらなかったら初のコメディアンの首相が誕生します。みなさんを楽しめる自信はあります」と、日本の政情も話題に。しかし「今年の春、日本では大変なことがあり、その時にショーはやめようかという話になりました。しかし逆に日本でぜひ歌ってほしいという気持ちで今回来ました。人生がひどいものだと感じたとき、何か忘れているものがないか考え、笑って、歌って、踊ってというこの曲のスピリットが、この国に必要です。悲劇的な状況にいるからこそ世界共通の気持ちに気づくことができます」と熱く語った。
続いて、中世ヨーロッパを思わせる衣装を身に着けたキャストと、日本の袴を着た福田がいよいよ登場。福田は「緊張しております。20年以上もの間、モンティ・パイソンのファンで、ちょっと前にエリックさんが来ると聞いた時は、ほんとに来ると思ってなかったので、のんきに考えてたんですが、1週間前にほんとに来ると聞いて、そこから体調があまりよろしくなく……。今もそこにいらっしゃると思ったら、生きている心地がしない」と喜びと緊張の思いを口にした。同作がトニー賞を獲った次の年から、毎年ブロードウェイで3回観るほどの大ファンという福田。「ほぼほぼ冗談半分でエイベックスに言ったら実現できる運びになり、本当に嬉しく思います。日本の文化ではまだミュージカルが敷居の高いものとして捉えられているので、この固定概念を破壊できるくらいの面白いミュージカルにしていきたい」と、並々ならぬ決意を述べた。
その後、各キャストもユーモアたっぷりに自己紹介。アーサー王役のユースケは、「王だと周囲にわかってもらえないという役どころがすごく共感できる」と語ると、福田は「いまだにタモリさんに『カタカナの人』って呼ばれたり、テレフォンショッキングで会話の途中に電話切られたり。“バカにしていい人”と認識されている人はほどんどいない。アーサー王のポテンシャルが高い」と太鼓判を押した。久々のミュージカルとなるユースケは「初舞台がミュージカルだったんです。僕、昔ミュージシャンだったんですけど、なぜ今やってないか。それはこの舞台を見ればわかると思います。音程がどうのとかではなく、僕の封印している何か、パンドラの箱が空くんじゃないかと。僕も楽しみにしてますし、怖いです」と音楽との因縁を危惧。最後に福田は「子どもからおじいさま、おばあさままでが楽しめる笑いをできる限り作っていきたい。実際の舞台でも一番感動したのが、小学生と真っ白な頭のおばあちゃんが頭から最後まで笑ってたことだったんです。そういう形のものにしたいです」と語った。
東京公演は赤坂ACTシアターにて来年2012年1月9日(月)から22日(日)。大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて、2月2日(木)から5日(日)まで。あらゆるコメディシーンに影響を与えたモンティ・パイソンの日本版作品に、お笑いファンはぜひ足を運んでみよう。本日8月29日より、メルマガ会員限定のチケット先行予約受付がスタート。詳細はオフィシャルサイトにて。
「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM」キャスト自己紹介
ユースケ・サンタマリア(アーサー王):土砂降りの中、お越しいただきましてありがとうございます。この格好、俺ってわかるかな? この舞台は王だとわかってもらえないという役がすごく共感できます。その憤り、悔しさをすべてぶつけたいと思っています。
池田成志(ランスロット卿):衣装を着て中庭でタバコを吸って英国気分に浸っていたんですが、蚊にかまれ「ここはやはり日本だな」と感じました。いまだかつて日本では笑えたミュージカルがあったためしがないので不安。こうして一気にハードルをあげておきます。
賀来賢人(デニス・ガラハッド卿):この衣装とメイクでここに立っている自分を褒めてあげたい。この作品は知らなかったんですけど、見てハマりました。先輩方に負けないように真剣にふざけられたらと思います。
ムロツヨシ(マルチ):カタカナ5文字でムロツヨシです。先輩にカタカナだらけの方もいらっしゃるので説明の必要もないかも。歌があるんですが得意ではないので、レッスンに通い始めたんですけど、1時間1万円かかるんです。場所も押さえないといけなくてそれが2100円……頑張ります。
マギー(パッツィ):衣装が自分でもびっくりするくらいのしっくりぐあいです。1回着たことがあるんじゃないかと。こんなにしっくりする服はマルイのヤング館にはないです。この衣装は韓国公演で実際使われていたそうで、歴代の汗とイズムみたいなものを継承して頑張りたいです。
皆川猿時(べデヴィア卿):衣装がしっくりきてません。パツパツです。やせろといわれました。おしっこをがまんしています。僕がフランス人の俳優だったらここでしてるんですが、日本人なので我慢します。ありがとうございました。
彩吹真央(湖の貴婦人):みなさんコメントで笑いを取っていて、私がオチで不安です(笑)。宝塚では男役をやっていたので、赤く情熱的に演じられたらと思います。笑いの中に埋もれることなく、歌や存在感で笑いを取る役だと思ってます。新しいチャレンジを頑張りたいです。
「モンティ・パイソンのスパマロット featuring SPAM」
●東京公演
2012年1月9日(月) ~ 22日(日)
会場:東京・赤坂ACTシアター
チケット発売日:10月8日(土)
●大阪公園
2012年2月2日(木) ~ 9日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
チケット発売日:10月29日(土)
料金:S席 10500円 A席9000円
※記事初出時、本文およびチケット料金に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
※記事初出時より公演名に変更がありました。(2011年8月30日17時追記)
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- モンティ・パイソンのスパマロット-日本公演-オフィシャルサイト | SPAMALOT
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