音楽ナタリー Power Push - Zebrahead×MAN WITH A MISSION
“シマウマとオオカミ”が見据える世界と日本の音楽シーン
日本と海外の壁
──アリとマッティは、日本人でカッコいいと思うアーティストはいますか?
アリ BABYMETALが世界的に話題になっているね。彼女たちがいろいろな要素を組み合わせているのは興味深いね。音楽的な部分だけじゃなくて、振り付けや衣装を含めてトータルで見ると、そのすごさがわかる。アメリカでも注目を集めているよ。俺は「BABYMETALはメタル界のレディー・ガガだ」って思っている。総合芸術みたいなものなのかな、派手な衣装をまとって、振り付けや演出にもこだわって、すごくシアトリカルでさ。
マッティ 俺はむしろKissっぽいと思ったけどね。
アリ 確かに! Kissっぽいところもあるかも。
──日本を拠点にしているMAN WITH A MISSIONのJean-Kenさんは、日本と海外のシーンに違いを感じていたりするのでしょうか?
Jean-Ken 日本ノバンドノ……特ニ英語詞デ歌ッテイルバンドノホトンドハ、海外デ活動シテミタイトイウ夢ヲ持ッテイルト思ウンデス。自分タチガズット聴イテキタバンドト同ジステージニ立チタイッテ。タダ、本当ノ意味デ海外デ自分タチノ音楽ヲ広メラレテイル日本ノバンドハ、マダイナイト思ッテル。成功シテルトシテモ、少ナクトモ、イワユルロックバンドデハナイ。多クノバンドガ、日本デ成功シタトシテモ海外ニ進出スルトナゼナカナカ受ケ入レラレナイノカトイウジレンマヲ抱エテイルト思ウシ。ソノ原因ガ果タシテ英語ノ発音ダッタリ、言葉ノ壁ノセイダッタリスルノカハワカラナイ。逆ニZebraheadニ聞キタイクライデス。アメリカデモヨーロッパデモドコデモ、日本ノバンドガ世界ニ自分タチノ音楽ヲ広メルタメニハ、何ガ大事ナノカッテ。
アリ そうだよね。
マッティ 俺たちだって知りたいくらいさ(笑)。
アリ アメリカのリスナーには日本のバンドの音楽を聴く機会がないっていうのは、大きな要因の1つだと思う。実際に音楽を聴かなきゃ、バンドを好きになるきっかけが生まれないからね。
マッティ あとツアーをするにしても対バンが大事で、いいバンドと対バンを組めるようになるまでが大変なんだ。ものすごく厳しい世界だよ。俺はもう辞めたい。もう無理。
全員 ははははは(笑)。
マッティ (日本語で)ジョウダンダヨ(笑)。
国籍による先入観を排除したオオカミ
──MAN WITH A MISSIONとしては、あくまでも英語で勝負したいということですよね。
Jean-Ken バンドヲ始メル前カラZebraheadヲハジメ、世界デ活動シテイルバンドノ音楽ヲタクサン聴イテキタケド、「日本ノバンドダカラ」トカ「洋楽ノバンドダカラ」トカハ意識シテイナカッタデスネ。ソウイウ音楽ヲタマタマズット聴イテイタカラ、英語デ歌ウコトモ自分ニトッテハ自然ナコトダッタシ、“世界中デ聴カレル音楽”ヲ自分モヤッテイキタイト思ッタンデス。「日本出身カドウカ」トカ「アメリカニ住ンデイルカドウカ」トカハ関係ナイ。アマリ言イタクハナイケド、ソウイウ先入観ガ音楽ヲ聴ク上デ邪魔ヲシテイルコトモ絶対ニアルト思ウ。デモ自分タチノ場合、見タ目ガコウナワケダカラ、ソウイウ部分ガ関係ナクナル。ダカラ自分タチノヤリタイ音楽ヲ、ヨリ純粋ニ聴イテモラエルンジャナイカナ、ト思イマス。
マッティ なるほどね。改めて言わせてもらうと、君たちの音楽は間違いなく最高だよ。
──頻繁に来日公演を行っているZebraheadが、日本のロックバンドやシーンの変化や進化について、何か思うことはありますか?
アリ 日本に限らず、この20年間で音楽シーン自体がすごく変わったんじゃないかな。特にアメリカでは、例えばロサンゼルスのラジオでかかる音楽は全然ヘビーじゃないし、ギターの音すら聴こえてこない。ロックミュージックというよりも、オルタナミュージックというのかな。とにかく音楽の勢力図が大きく変わったと感じるし、これからも変化し続けるはずだよ。今ラジオでかかるロックはとてもニッチな存在だよね。でもそんな中でMAN WITH A MISSIONの音楽は、アメリカのリスナーに受け入れられている。それがなぜかはわからない。個人的にはもっとギターミュージックが盛り上がってほしいんだけど、なかなかそうはならないんだろうな……。
マッティ 難しいだろうね。
──なるほど。ではMAN WITH A MISSIONは海外進出についてどのようなお考えをお持ちですか?
Jean-Ken 日本ニハイイバンドガタクサンイルシ、英語ノ発音ガイイバンドダッテイッパイイル。ダカラ自分タチガ海外ニ出テ行ッテ、アメリカヤヨーロッパノリスナーノ扉ヲノックスルコトデ、日本ノバンドヲ知ッテモラウキッカケニナッテクレレバイイナト。ソレガ使命トマデハイカナクテモ、ヨーロッパヤアメリカデイロンナバンドト対バンデツアーヲスルトキニ、イツモ考エテイルコトデハアリマスネ。今回ノZebraheadトノコラボモソウダケド、自分タチニ何ガデキルノカッテイウ。ソレガ1ツノ目標ニモナッテイマス。
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- Zebrahead ニューアルバム「Walk The Plank」2015年10月7日発売 / 2376円 / Sony Music Japan International / SICX-13
- 「Walk The Plank」
- Zebrahead ベストアルバム「Greatest Hits?」 / 2015年3月11日発売 / 2592円 / Sony Music Japan International / SICP-4384
- 「Greatest Hits?」
Zebrahead(ゼブラヘッド)
1995年、アメリカ・西海岸のオレンジカウンティにて結成された5人組。メンバーそれぞれのユニークなキャラクターと、メロディとラップを担当する2人のボーカルが繰り出すキャッチーなメロディ、勢いのあるパワフルなロックサウンドで世界各国で人気を博している。頻繁に来日公演を行うほどの親日家でもあり、夏の音楽フェスティバル「SUMMER SONIC」の最多出場記録を持っている。結成20周年を迎えた2015年3月にバンド史上初のベスト盤「Greatest Hits?」を、5月にはMAN WITH A MISSIONとのスプリット盤「Out of Control」を発表。10月にはニューアルバム「Walk The Plank」を日本先行発売し、MAN WITH A MISSIONと日本、ヨーロッパ各国を回るカップリングツアーを実施。2016年2月には単独来日公演を行うことも決定している。
- MAN WITH A MISSION×Zebrahead スプリット盤「Out of Control」 / 2015年5月20日発売 / Sony Music Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 2160円 / SRCL-8807~8
- 通常盤 [CD] / 1620円 / SRCL-8809
- MAN WITH A MISSION ニューシングル「Raise your flag」 / 2015年10月14日発売 / Sony Music Records
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / SRCL-8931~2
- MAN WITH A MISSION「Raise your flag」
- 通常盤 [CD] / 1296円 / SRCL-8933
- 期間限定盤 [CD] / 1404円 / SRCL-8934
MAN WITH A MISSION(マンウィズアミッション)
頭がオオカミで身体が人間という“5匹”組ロックバンド。2010年より本格始動し、同年11月に1stミニアルバム「WELCOME TO THE NEW WORLD」を発表する。パワフルでエネルギッシュなサウンドが支持を集め、徐々にライブハウスシーンで話題に。2011年4月に2029枚限定シングル「NEVER FXXKIN' MIND THE RULES」を発表し、完売させる。そして2011年6月、日本クラウンよりアルバム「MAN WITH A MISSION」でメジャーデビュー。その後数多くの夏フェスで注目を集め、2012年7月にはフランスで行われた「JAPAN EXPO 2012」でライブを行うなど活動の舞台を日本のみならず海外へも広げていく。2013年5月に初の日本武道館公演を実施し、成功を収めた。同年10月にソニー・ミュージックレコーズ移籍第1弾シングル「database feat. TAKUMA(10-FEET)」をリリースし、初の横浜アリーナ単独ライブを敢行した。12月にはアメリカのメジャーレーベル・Epic Recordsと契約。2014年2月に初のコンピレーションアルバム「Beef Chicken Pork」、3月に通算3枚目のフルアルバム「Tales of Purefly」をリリースした。2015年1月に活動5周年にあわせたベストアルバム「5 Years 5 Wolves 5 Souls」、5月にZebraheadとのスプリット盤「Out of Control」、10月14日にニューシングル「Raise your flag」を発売。10月にはZebraheadとの日本とヨーロッパを廻るカップリングツアーをスタートさせ、同月16、17日は埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演を控えている。