歌手になりたいけど正直諦めていました

──改めましてメジャーデビューおめでとうございます。

ありがとうございます！

──トミタさんは前回インタビューしたときに「小学3年生くらいからテレビの向こう側に立ってみたいと思っていた」と言っていましたけど（参照：トミタ栞「saku saku Ver.9.0 / オーバーオールが止まらない」特集）、その頃から歌手になりたいと思っていたんですか？

その頃はテレビの向こう側に立ちたいと思っていたくらいで、歌手になりたいとは全然考えてなかったです。

──漠然とタレントになりたいと思っていた？

そうですね。歌手もやってみたいと思いましたが、自分で曲を作って、ギターを弾いて、歌えないといけないっていうイメージがあったので、正直諦めていました。私、歌がすごく好きで、いつでも歌ってるし、カラオケもよく行くんですが、好きだけではダメなんだろうなって。

──カラオケでは普段どんな曲を？

いきものがかりさんが多いです。あとは絢香さんとか。中学1年生のときに陸上部の女の子と初めてカラオケに行って大塚愛さんの「さくらんぼ」を歌ったんですが、そのときに歌える曲がその1曲のみだったんです。それが悔しくて、その後猛練習しました。1人でカラオケに行くくらい（笑）。

──いきものがかりや絢香さんのどんなところが好きなんですか？

一番はメロディですね。よく聴いていた中学生の頃は歌詞の世界観とか深いところまでは考えていなかったので、ただ単純にいい歌だなって思いながら聴いていたんですが、今改めて見ると歌詞もすごくいいなって思います。

──なるほど。それで、今年の2月に配信されたUstream番組で2013年の目標の1つとして「CDデビューしたい！」と言ったことがきっかけでメジャーデビューするんですよね。

はい。話がきてからもしばらくの間は「ウソかな……？」と思ってました（笑）。それくらい信じられなかったんですが、どんどん話が進んでいくし具体的になっていくので、ようやく「あ、ほんとだった」って（笑）。口に出して言うことって大事なんだなと思いました。

──実際にデビューミニアルバム「トミタ栞」が6月26日にリリースされましたけど、手応えはいかがですか？

インタビューを受けたり、ラジオに出させていただいたりしてようやく実感できました。実は友達にはデビューしたことを言わなかったんです。恥ずかしいっていうのもあるんですが、言わないほうがどこまで広がっているのかわかりやすいかなと思って。

──でも友達ならすぐ気付くんじゃないですか？ 「なんで言ってくれなかったの？」ってなりません？

そうなんです。友達からそういうメールがきて、「ゴメン！」って返信しました（笑）。

嫌なことがあっても寝たらすぐ忘れられる

──「線香花火」の話に行く前に「トミタ栞」についてもう少し伺いたいんですけど、アルバムのリード曲「あたらしい朝のうた」は高校野球の神奈川県大会のテーマソングにもなって、いろいろな広がりをみせている曲ですよね。

この曲は自分と重なるところがすごくたくさんあるので、思い入れがあります。ストレートだし、優しくて素敵な曲だなと思っているので広がってくれるとうれしいです。

──とても前向きな曲ですよね。「だいじょうぶ転んだって ヘコんだって あたらしい朝はくるから」と歌っていて。トミタさん自身も去年岐阜の高山から上京してきて落ち込むことは多かったんですか？

たぶん落ち込むこともあったと思うんですが、すぐ忘れちゃうんです。悩んでいてもわりとすぐプラスの方向に変えられるので。

──引きずるタイプではない？

そうですね。夜に寝て朝起きたら忘れてます（笑）。友達とケンカしてすごく怒っていても、5分でも寝たらケロッとして忘れちゃいます。

──相手はまだ引きずっているのに。

はい。ついていけない！ってよく言われます（笑）。イラっとすることや嫌なことがあっても寝るとリセットできちゃうんです。でも本当に怒りたくても熱が冷めちゃうから、「怒りたかったのに」って思うこともありますが……。あとは何かで失敗したとしても寝ると忘れちゃうから同じ失敗をまた繰り返すということも多くて……。

──一長一短ですね（笑）。

本当にそうだと思います。

──変えたいという気持ちはある？

あります。でも、「それでいいじゃん」って言われることも多いので、最近はいいのかなって思うようになりました。直したいと思いつつ仕方ないのかな？って（笑）。