音楽ナタリー Power Push - SHERBETS

18年目の円熟が産んだ会心作

SHERBETSが1月20日に通算10枚目のオリジナルアルバム「CRASHED SEDAN DRIVE」をリリースした。

昨年3年ぶりにアルバム「きれいな血」を発表し、全国ツアーを開催したSHERBETS。このツアーを回ったバンドの状態について、フロントマンの浅井健一(Vo, G)は「前よりグッと固まった感じがあった」と語る。その手応えのままに彼らが制作した「CRASHED SEDAN DRIVE」には、ライブ会場限定シングルとして先行発売された「Stealth」をはじめ、全11曲をパッケージしている。

今回、音楽ナタリーでは浅井と福士久美子(Key, Cho)にインタビューを実施。現在のバンドの状態や作品について話を聞いた。

取材・文 / 小野島大 撮影 / 小原泰広 題字 / 浅井健一

 
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手応えをみんな感じてた

──前作「きれいな血」からわずか半年で新作「CRASHED SEDAN DRIVE」のリリースです。当初からこういう予定だったんですか?

左から福士久美子(Key, Cho)、浅井健一(Vo, G)。

浅井健一(Vo, G) いや、予定じゃないね。

福士久美子(Key, Cho) うん。

浅井 「きれいな血」を作ってからツアー回ったでしょう? あのツアーがすごいよくて。そのままもう1枚アルバムができる気がしたんだわ。「連続で出したほうがいいかな」と。夏前にツアーが終わって、そのあとはソロの作品を作ろうと思ってたんだけど、ソロは置いといて、そのままSHERBETSを継続してやろうって話になった。みんながやる気になったんだわ。

──「きれいな血」はその前のアルバム「STRIPE PANTHER」から3年ぶりのアルバムでした。ひさびさにバンドでリリースツアーをやってみて、手応えを感じたと。

浅井 うん。演奏が前よりすごくよくなっとって。お客さんも前以上に入り込んでる感じがあった。その手応えをみんな感じてたんだと思うよ。

福士 「きれいな血」のツアーを1本2本とやっていくうち、「あれ、前より全然反応がいいな」と。演奏ももちろんいいし、お客さんともすごくいい関係が毎回できていて。どこに行っても反応がすごく温かいし、一体になれる感じがあって。やるほうも手応えを感じて、終わったときは「がんばってよかったなあ」と思いました。

──どちらかというとお客さんの反応のよさで手応えを感じたわけですか。

福士 自分たちは毎回ずっと今までのベストをやろうと思ってたし、そのときはひさしぶりだったこともあって、ちゃんとやりたい気持ちが特に強かったんです。そういうバンド側の強い気持ちと、来てくださる方の気持ちが合致したという。それをホントに感じたんです。

ずっとミュージシャンやってきてるけど、毎年毎回気付くことっていっぱいある

──何がよかったんですかね。

浅井 今までもいつもいい演奏をしてたと思ってたんだけどね。おととしの12月にひさびさに集まってライブやったんだわ。それまで俺がソロや、いろんなとこでやって学んだことがあってさ。それをSHERBETSに持ち帰ってやってみたら、すごいよかったんだわ。そっから始まった気がしとって。そのあと、去年の3月から自分たちの曲を初期、中期、後期に分けて3カ月連続でライブをやったんだけど、そのときもそれまでの演奏とは違った感じがあった。前よりグッと固まった感じがあってさ。前はたまによくないライブもあったわけ。4本とか5本に1回ぐらい。それがほとんどなくなった。すごくクオリティの高い、達成感のあるライブを続けられるようになったんだわ。俺らも50歳過ぎてさ、いろんな経験を積んで、ようやく……ね。

浅井健一(Vo, G)

──具体的に何を学んだんですか。

浅井 それは説明したくないんだわ(笑)。

──そう言わず説明してくださいよ。

浅井 いや、やめとくわ(笑)。悪いけど。

──別に隠すところじゃないと思いますが(笑)。

浅井 それ言うと、なんかジンクス的によくない気がするんでやめとくわ、俺の経験上(笑)。

──わかりました(笑)。それまでのバンド活動では得られなかったものが、例えばソロをやっていくうちに身に付いてきたと。

浅井 ずっとミュージシャンやってきてるけど、毎年毎回気付くことっていっぱいあるんだわ。達成感のある演奏と、「なんか違うな」という演奏がある。同じ曲を同じメンバーでやっとっても。レコーディングでも、すごくいいものが録れるときと、全然よくないものしか録れないときがある。「その違いは何なのかな」と。そんなものはミュージシャンはいつも考えとることなんだわ。ずっと長い間常に考えとって、よしこれで解決できたと思うんだけど、また次があるんだわ。それを毎回積み重ねて、ようやく今に至るって感じかな。

──どういう条件が重なるといい演奏ができるのか、体験的にわかってきてるわけですか。

浅井 うん。でもそれは言わない(笑)。悪いけどね。それは今までのあらゆる経験から得ているんだわ。

ニューアルバム「CRASHED SEDAN DRIVE」2016年1月20日発売 / SEXY STONES RECORDS/CRAZY MAD JOHNSON LABEL
「CRASHED SEDAN DRIVE」
初回限定盤[CD+DVD] 4320円 / VKCS-10059
通常盤[CD] 2916円 / VKCS-10060
CD収録曲
  1. JOLENE
  2. Stealth
  3. Crashed Sedan Drive
  4. COWBOY
  5. A BABY
  6. September
  7. 俺たちの季節
  8. Kinshasa
  9. Canberra Zombies Food Court
  10. Practice Hand
  11. JAKE
初回限定盤DVD収録内容
  • SHERBETS TOUR 2015「きれいな血」2015.7.7 LIVE at TOKYO LIQUIDROOM
SHERBETS TOUR 2016「CRASHED SEDAN DRIVE」
  • 2016年2月7日(日)千葉県 千葉LOOK
  • 2016年2月11日(木・祝)石川県 vanvan V4
  • 2016年2月13日(土)三重県 M'AXA
  • 2016年2月14日(日)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2016年2月16日(火)香川県 DIME
  • 2016年2月19日(金)福岡県 DRUM Be-1
  • 2016年2月20日(土)鹿児島県 SR HALL
  • 2016年2月26日(金)宮城県 仙台MACANA
  • 2016年2月27日(土)福島県 clubSONICiwaki
  • 2016年3月4日(金)北海道 cube garden
  • 2016年3月9日(水)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2016年3月10日(木)大阪府 Shangri-La
  • 2016年3月16日(水)東京都 TSUTAYA O-EAST
  • 2016年3月19日(土)沖縄県 Output
SHERBETS(シャーベッツ)
SHERBETS

浅井健一(Vo, G)、福士久美子(Key, Cho)、仲田憲市(B)、外村公敏(Dr)からなるロックバンド。1998年結成。1999年にシングル「High School」2000年にアルバム「SIBERIA」をリリースし、精力的にリリースを重ねる。2008年には結成10周年記念のライブベストアルバム「SHERBETS GREATEST LIVE in TOKYO」を発表。2012年には8thアルバム「STRIPE PANTHER」をリリースする。2015年6月に3年ぶりのリリース作となる9thアルバム「きれいな血」を発表し、同月よりこの作品を携えた全国ツアー「SHERBETS 2015 TOUR『きれいな血』」を開催する。2016年1月に10枚目のオリジナルアルバムである「CRASHED SEDAN DRIVE」をリリース。2月からはツアー「SHERBETS TOUR 2016『CRASHED SEDAN DRIVE』」を実施する。