ナタリー PowerPush - Quick Japan100号記念企画「歴代表紙を飾ったアノ人と語るQuick Japan」

神聖かまってちゃんインタビュー

今や日本を代表するロックバンドに成長したと言っても過言ではない神聖かまってちゃん。元々はインターネットを拠点に活動し、ステージでは奇行を繰り広げる変わりダネとして捉えられていた節のある彼らを「Quick Japan」が初めて取り上げたのは2009年12月に発売した87号。そして、半年後の90号ではどこよりも早く表紙に起用する。同誌の100号発売を記念して、やはり、かまってちゃんの動向を追いかけてきたナタリーで、改めて彼等の特異性と現在性に迫った。

取材・文 / 磯部涼 撮影 / タイコウクニヨシ

アイ・アム・サブカルチャリング!

──「Quick Japan」に初めてかまってちゃんのインタビューが載ったのが87号。取材したのは2009年の11月13日でした。

の子(Vo, G) 僕の家で、配信しながらやったときですよね。あれは一番思い出深い取材かもしれないですね。

──始まった時点でかなり酔っぱらってた気がするけど、ちゃんと記憶があるんだ?

の子 当たり前じゃないですか! いまだに、「新しい文化してる」って我ながら良い台詞だったなあって思います。

インタビュー風景

──読み上げてみようか。……「だって、ぶっちゃけ配信のほうが面白いもん。音楽やるよりも。ライヴ・ハウス出るよりテンション上がるし。そりゃそうだ。だって、ここ、オレの家なんだもん。大体、音楽ってもう終わって来てるじゃないですか。だから、こういうことやってるんですよ。新しい文化してるんですよ。わかりますかね? 言ってる意味。アイ、アイ、アイ・アム・サブカルチャリング!」。

mono(Key) すごいこと言ってるなあ。

──monoくんもウイスキー、ラッパ呑みしてたよね。

mono ……すいません、実は泥酔して全く覚えてないです(笑)。

みさこ(Dr) 私は、ちゃんとしたインタビューは初めてだったから緊張したなあ。

の子 王道キタ!って感じだったからな。

ちばぎん(B) 配信やりながら取材受けるのも初で、あのあと、定番になっていったもんね。ニコ動に上がってるあの「Quick Japan」のインタビューの動画って、かまってちゃんタグの中でも再生回数がかなり上位だったりするんですよ。

振り返ったら、全部青春っぽい

──では、他にかまってちゃんの配信クラシックを挙げるとすると、どんなものになりますか?

mono なんだろうなあ。

ちばぎん いろいろあるからなあ。

の子 僕は渋谷でやった外配信(2008年9月28日)ですね。

──ゲリラライブをやって、警察ともめたやつ。

の子 はい。全てはあれで人生が変わりました。

mono 僕は、その外配信が終わったあと、くたびれちゃったの子に「続きやってくれ」って言われて、初めて1人でやった雑談配信でリスナーに「アゴ!」とか「ブサイク!」とかボロックソ言われて。死にたくなったな、あれは。悪い意味で思い出深い。

ちばぎん でも、そのトラウマも大分、克服したでしょ。

mono いつの間にか、ボロクソ言われることにも慣れちゃったねえ。慣れていいのかって話ですけど。

ちばぎん リスナーも優しくなったし。

──monoくんの顔に慣れたんでしょうねえ。

mono ちょっと!(笑)

──みさこちゃんは?

みさこ ベストかあ、なんだろう。良い思い出ってことで言うと皆でやったやつなんですけど、一番記憶が濃いのはポロリしたときですね(2009年4月3日)。あのときのハラハラ具合は二度と味わいたくない(笑)。

──それってどんなシチュエーションだったんですか?

みさこ なんか、ボーリングとカラオケをやって、点数がいちばん低かった人が罰ゲームってテーマだったんですけど、私がビリで、の子さんちのお風呂でスク水を着て配信することになって。それで、「じゃあ、着替えます」ってときにカメラに背中を向けてたはずが、奇跡的な位置に鏡があって、そこにクリティカルでおっぱいが写ったっていう(笑)。

──の子くんが、ナタリーの取材の前に風呂配信をしていたら局部が映ってBANされて、インタビュー配信ができなかったっていうこともありましたよね(2010年3月)。

みさこ 私のときはニコ生じゃなくてPeerCastだったんで大丈夫でした。

ちばぎん ニコ生に移ってからはしょっちゅうBANされてますね。それに比べるとPeerCastはやりたい放題だったなあ。

の子 振り返ると、PeerCast時代ってたった3年前ぐらいなのに、何か青春みたいに思えるんですよ。

mono 新鮮味がメチャクチャあったよね。

──バンドの立ち上がりの時期と重なってるのもあるのかな?

インタビュー風景

の子 それもありますけど、やっぱり、空間が違うみたいな。ニコ生とPeerCastって。まあ、個人的にはPeerCastのほうがもうちょい……なんていうか……。

──親密?

の子 陰な感じっていうか……。

ちばぎん オレもベストを挙げるとすると、思い入れも込みで、やっぱりPeerCast時代になっちゃうんですけど、例えば、4人で4月の早朝に海に行って飛び込んだときとか(2009年4月24日)。

──青春っぽいですねえ。

ちばぎん 青春っぽいですよね! まあ、実際はめちゃくちゃ寒くて、そして、臭かった(笑)。

みさこ だから、私は飛び込まなかった(笑)。

ちばぎん ほんと、そのときはなんでこんなことやってんだろうって思ってましたけど、今見直すと1本の動画としても面白いし、思い出としても美しいし。

──PeerCast時代が青春だとすると、「Quick Japan」90号で表紙を飾ったときは、バンドの注目度も高まって、初のCD作品となる「友達を殺してまで。」もリリースして、っていう大きく成長した時期だと思うんですが。

ちばぎん (雑誌を手にしながら)懐かしいですねえ。

の子 青春ですね。

──これも青春?(笑)

の子 振り返ったら、全部青春ですよ! 今もそうですよ!

──「振り返ったら、全部青春」っていいね。そういえば、87号のインタビューは2ページの記事だったんですが、の子くんは取材時に何度も「表紙にしろ!」と叫んでましたよね。そして、わずか半年後にそれが実現したと。

ちばぎん うわあ、そう考えると展開が早いですねえ。

──どうでしたか? 実際、手に取ってみて。

みさこ 87号も初めての本格的な取材だったんですけど、これも初めての表紙だったんで、うれしかったな。本屋に並んでるのを見たときは感動しました。

の子 僕は満足でしたよ。デザインも強烈でいいじゃないですか。

mono オレの写り、何か妖怪っぽいな……。

「クイック・ジャパン90」 / 神聖かまってちゃん 国民的ロックバンド宣言

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神聖かまってちゃん×B.B.クィーンズ
「夢のENDは鳴り止まないっ」ツアー

※全公演共通

OPEN 18:00 / START 19:00

出演者 神聖かまってちゃん / B.B.クィーンズ

チケット 4,800円
<ファミリーチケット>2人分10,500円・3人分15,750円(2Fファミリー席 / 一部区画)

2012年3月27日(火)
大阪府 Zepp Osaka
<発売プレイガイド>
チケットぴあ(Pコード:159-733)
ローソンチケット(Lコード:57870)
イープラス
<お問い合わせ>
サウンドクリエーター / 06-3657-4400
2012年3月28日(水)
愛知県 Zepp Nagoya
<発売プレイガイド>
チケットぴあ(Pコード:160-360)
ローソンチケット(Lコード:47614)
イープラス
<お問い合わせ>
SUNDAY FOLK PROMOTION / 052-320-9100
2012年4月10日(火)
東京都 Zepp Tokyo
<発売プレイガイド>
チケットぴあ(Pコード:160-638)
ローソンチケット(Lコード:77347)
イープラス
<お問い合わせ>
HOT STUFF PROMOTION / 03-5720-9999

神聖かまってちゃん

神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)

の子(Vo, G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。 

2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」を発表した後、ワーナーミュージック・ジャパンと契約し、2010年12月にメジャーレーベルのワーナーから「つまんね」、インディーズレーベルのPERFECT MUSICから「みんな死ね」という2枚のアルバムを同時リリースした。

2011年4月にはバンド史上最大規模の会場となる国技館ワンマンライブを行う予定だったが、東日本大震災の影響により中止に。これを受け、4月から6月にかけて全国8都市を回るフリーライブツアーを敢行した。同年8月31日に4thアルバム「8月32日へ」を発表。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続けている。