ナタリー PowerPush - POLYSICS
ポリ流テクノポップ全開!3年ぶりシングル「Lucky Star」
POLYSICS、なんと3年ぶりのニューシングル「Lucky Star」はフミ(B, Vo, Syn)がリードボーカルをとるテクノポップチューン。3人編成になって以降、ハードでマッシブなライブロックバンドとしての側面を強めていた彼らにとって、久々に突き抜けた感じのキャッチーで風通しのいいポップな曲となっている。カップリングはひねくれたニューウェイブ感覚全開の「No Control」と、好対照ながらポリの両面が伺える最高の2曲だ。さらに初回限定盤には去る3月3日に東京・SHIBUYA-AXで行われた通算1000本記念のライブ「MEMORIAL LIVE OR DIE!!! ~祝!!! 1000本!!!『おめでTOISU!』と言ってくれ!!! 」のダイジェスト映像を収めたDVD付きという大盤振る舞いだ。
インタビューは恒例の夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012」出演から明けた月曜日におこなわれた。ナタリーでは初となるハヤシ(G, Vo, Syn, Programming)、フミ、ヤノ(Dr, Vo)のメンバー全員インタビューである。
取材・文 / 小野島大 インタビュー撮影 / 佐藤類
2001年からずっと出続けてます
──「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」って、よく出てますよね。
ハヤシ 2001年からずっと出続けてますよ(笑)。連続12回。
──(笑)。そりゃすごい。ほかにそんなにいっぱい出てる人っているんですか。
フミ エレカシとDragon Ashが第1回(2000年)から13回連続で出てるらしいです(笑)。PENPALSも活動休止する前はずっと連続で出てたんですよ。
──なんか紅白歌合戦の出場回数を競ってるみたいですね(笑)。
フミ 何年ぶり何回目、みたいな(笑)。
──毎年同じフェスに出続けるって、なかなか得難い体験ですよね。
ハヤシ ほんとそうですよ。
──バンドがコンスタントに止まらずに活動し続けている証拠でもあるし。12年連続で出続けて、何か気付くことはありますか。
ハヤシ ああ、それはもう……こないだうちを掃除してたら、2001年の現地レポが載った別冊が出てきたんですよ。今と全然違うんだよね。動員も少ないし。会場は同じなんだけど規模が小さい。解散したバンドもいるけど、その頃からコンスタントに活動してて、今もやってる人たちもたくさんいて。エレカシとかDragon AshとかBUMPとかモーサムとか。
フミ そこから(フェスが)市民権を得ていって。
ハヤシ そう、あるときから急にお客さんが増えたんですよ。
──何かきっかけはあったんですか。
ハヤシ フェスってものが認知されていったということじゃないかな。若い子がロックに興味を持ち出して。普通の中学生高校生が「フェスって面白い」「ライブハウスって面白い」って気付いて。
フェスのお客さんがいい影響を与えてくれた
──ここ最近、いわゆるロックファンや音楽マニアと少し違う、ギャルとかギャル男っぽい感じの人たちも増えましたよね。
フミ そうそう。ファッション誌とかで「フェスファッション特集」とかやってるじゃないですか。
ハヤシ うん、あれはほんと大きいと思う。
フミ 音楽イベントというより、花火行くみたいな感覚で来る。
ハヤシ そこらに遊びに行くみたいな。
──なるほど。
フミ 近いし(ほかの野外フェスみたいに)サバイバルって感じでもないし。
──「WIRE」もそういうお客さんが増えましたよね。
ハヤシ そうそう。そういう明らかに若い子が増えて、動員も一気に増えた感じ。2005年あたりからかな。よく覚えてる。会場の雰囲気も変わったし。ちょうど俺らも海外ツアーとかが本格的に盛り上がり始めた頃で、その場にいる人たちをもっと楽しませようって意識に変わった直後だったんで、すごく印象に残ってますね。「Baby BIAS」みたいな曲で盛り上げようとすると、ものすごい反応が良くてびっくりしたんです。今までこんなことなかったぜ、みたいな。お客さんがその場を積極的に楽しもうとしてる雰囲気がすごく伝わってきて。その頃ポリはそんなに状況が良かったわけではないけど、それをきっかけにポリのライブの雰囲気が、フェスみたいな感じで盛り上がるようになって。そこから曲の作り方やライブの盛り上げ方も変わってきて、それが今につながってる気がします。それまではお客さんのことなんてあまり考えたことなかったし。
──以前「フェスに出ることのポジティブな意味がわかった」みたいなことを言ってましたよね。
ハヤシ そうそう。それです。だからすごくいい影響を与えてくれましたね。今年も4年ぶりのLAKE STAGEのトリで、最高でしたよ。あの会場の一体感はすごかった。
──いつどこで観てもポリはポリという気もしますが、実際はやる場所によって違ってくる。
ハヤシ 基本は一緒ですよ。楽しくやろうっていう。でも場所によってマニアックな曲をやったり、あまり行ったことのない場所だと、ポップなわかりやすい曲を多めにやったり。
ニューシングル「Lucky Star」/ 2012年8月22日発売 / Ki/oon Music
- 「Lucky Star」初回限定盤
- 「Lucky Star」初回限定盤 [CD+DVD] 1575円 KSCL-2097~2098
- 「Lucky Star」通常盤 [CD] 1020円 KSCL-2099
収録曲
- Lucky Star
- No Control
初回限定盤DVD収録内容
- Buggie Technica
- T・RIANGLE
- Tei! Tei! Tei!
- Pretty Good
- ムチとホース
- 1.2.ダー!
- KASUGAI
- TIME SHOCK!
- Head O' clock
- LED
- Moog is Love
- How are you?
- Beat Flash
- シーラカンス イズ アンドロイド
- Smile to Me
- Let's ダバダバ
- Shizuka is a machine doctor
- Electric Surfin' Go Go
LIVE INFORMATION
結成15周年特別企画 DJハヤシツアー!!! Opening Act : POLYSICS
2012年10月30日(火)大阪府 梅田Shangri-La
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年10月31日(水)愛知県 池下CLUB UPSET
OPEN 18:30 / START 19:00
2012年11月3日(土・祝)福島県 福島Out Line
OPEN 17:30 / START 18:00
2012年11月8日(木)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日:2012年9月22日(土・祝)
POLYSICS(ぽりしっくす)
ハヤシ(G, Vo, Syn, Programming)、フミ(B, Vo, Syn)、ヤノ(Dr, Vo)からなるニューウェイブロックバンド。1997年、高校生だったハヤシを中心に結成。1999年にアルバム「1st P」をインディーズからリリースし、2000年にメジャーデビュー。独自の音楽性と過激なライブパフォーマンスで人気を集める一方、2003年にはメジャー1stアルバム「NEU」をアメリカでリリースし、初の全米ツアーも実施するなど海外での活動も本格化させる。2010年3月には初の日本武道館公演を実施し、初期メンバーのカヨ(Syn, Vo, Vocoder)がこのライブを最後にバンドを卒業。以降は3ピースバンドとして活動を続け、バンド結成15周年を迎える2012年に記念アルバム「15th P」をリリース。同年3月にライブ通算1000公演を達成した。同年8月にシングル「Lucky Star」を発表。