音楽ナタリー PowerPush - NICO Touches the Walls

初アコースティック盤発売記念! メンバー全曲解説

NICO Touches the Wallsがキャリア初のアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を発表した。2014年のさまざまな活動を経て制作された本作は、彼らの演奏力やアレンジ能力の高さを証明するとともに、改めてNICO Touches the Wallsの楽曲の独自性や魅力を伝える1作に仕上がった。

今回の特集企画では、オリジナルバージョンとアコースティックバージョンの試聴音源を用意(※新曲「口笛吹いて、こんにちは」はPV)。さらにメンバーにアコースティックアルバムの全曲解説をしてもらった。4人の解説を読みながら「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」の面白さを味わってもらいたい。

なお光村龍哉(Vo, G)は「このアルバムの面白さは、ハイレゾで聴くとよりよさがわかる」と明言。細かなアレンジや臨場感のあるサウンドを楽しみたい人は、ぜひハイレゾ版をダウンロードしてみよう。

取材・文 / 中野明子 撮影 / 上飯坂一

 
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なぜ今アコースティックアルバムなのか

──まずはアコースティックアルバムを出すことになった経緯を教えてもらえますか?

光村龍哉(Vo, G) 2014年は「カベ ニ ミミ」(※2014年2月1日~3月1日に東京都内に期間限定の専用ライブハウスを作り、計20日にわたってライブを開催した企画)があったり、8月に2度目の武道館公演があったり。NICOの新しいアンセムとも言える「天地ガエシ」を発表することもできて、バンドとして面白いことをリスナーに届けられた手応えがあったんですね。1年間を通して究極の攻めの姿勢を提示できたと思ってるんですけど、その姿勢を加速させるためにはアコースティックしかないと。

──一般的なアコースティックのイメージって柔らかくて素朴なものなので、“攻めの姿勢”と直結しない人も多いと思いますが。

光村龍哉(Vo, G)

光村 実際に聴いてもらえば、いかにこのアルバムが「アコースティックアルバムの型」に収まっていないかがわかると思います。NICOの武器ってやっぱりメロディと歌詞なんですよね。それをライブだったり音源だったりいろんな形で表現することが大事だと思っていて。これまでもシングルとかアルバムの特典DVDの中で、「アコタッチと呼んでみて☆」(※バンドがさまざまなシチュエーションでアコースティックセッションを繰り広げる映像企画。シングルやアルバムの特典DVDに収録されている)といった企画をやってきたわけで。自分たちとしても楽しい企画だったし、スタジオでもオリジナル曲を作ってるときはピンピンと張りつめているものがあるんですけど、アコースティックセッションやカバー曲のアレンジのときはご褒美みたいな感じでリラックスしてやってるんだよね。

古村大介(G) そうだね。

光村 そういうことをやってるときが自分たちも一番楽しいし、それはお客さんが観ても楽しいんじゃないかなと思って。何より去年「カベ ニ ミミ」をやったことが一番大きかったですね。あの企画で毎日セットリストを変えて、普段ライブでやらない曲もテイストを変えて披露して。どうやったら昔の曲が新鮮に響くか実験をしていく中で、どんなことやっても自分たちがちゃんと楽しんでいれば、リスナーに自分たちの情熱や思いは伝わるし、楽しんでもらえるってことがわかったんですよね。

──その楽しさをパッケージしたのが「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」だと。では、ここからは1曲ずつ解説していっていただきたいのですが、1曲目は新曲なのでPVの撮影エピソードを伺えればと思います。

01. 口笛吹いて、こんにちは

光村 これはもう、牧歌的な曲と一緒にPVのシチュエーションを楽しんでもらいたいですね。

坂倉心悟(B) 屋外の撮影だったから太陽待ちが大変で。1回撮ったんだけど途中で曇ってきちゃったから、1時間くらい雲が去るのを待って。

光村 雲がどくのを待っている間、僕とフルくんは牧場で牛の乳搾り体験をしましたね。

古村 あれはいい経験でした(笑)。

対馬祥太郎(Dr) 俺は撮影中は周りの羊ばっか観てましたね。羊の鳴き声ってかわいいと思ってたんですけど、意外とどぎつい声してて。おっさんみたいな声なんですよ。間奏に入って少し小さくなると、見計らったように「ンメェーーーー」って鳴いてた。

光村 アルバムの初回限定盤のDVD(「アコタッチと呼んでみて☆」)には随所に確信犯的に鳴いてる羊の声が入ってるので探してみてほしいです。ちなみにPVの中で僕らの前にいる黒い羊はペペちゃん。白いのはシロちゃんです。

02. 手をたたけ

光村 この曲はいろんなバージョンがありますね。ブラスが入ったシングルバージョンとバンドのみのバージョン、過去の「アコタッチと呼んでみて☆」に入ってるアコースティックバージョンとすでに3種類くらいあって。ただ今回はライブ感を大事にしたかったんで、歌とギターとドラムだけのシンプルな編成で録って。楽しい雰囲気を出すために、歌も楽器と一緒に録っちゃってるんですよ。オケを録ってから歌うと、こういう表情が付いた歌い方にはならないんです。シングルのときは歌を別録りしたんで、行儀がいい感じだったんですよね。「手をたたいてください」って丁寧にお願いする感じなんだけど、今回のバージョンは「手をたたけ!」ってちゃんと命令しているというか(笑)。

対馬 アコースティック版でみっちゃん以外がドラムを叩くことが決まった時点で、坂倉とフルには俺のドラムレッスンを受けてもらいまして。

坂倉 ただ、残念なことに音源にはフルくんと僕のドラムは収録されてないんですよ(笑)。納得いく音にならなくて、結局全部対馬くんに叩いてもらいました。レコーディングには間に合わなかったんですけど、去年の「イイニコの日」でトリプルドラムでのアコースティックセッションに挑戦してうまくいったんですよね(参照:NICO Touches the Walls、10年ぶりチッタでレア曲三昧“1125”)。なので今後のライブを楽しみにしてほしいなと。

対馬 アコースティックアレンジにしたことでダイナミックになって、だいぶ「手をたたけ」の“たたけ感”が出たなと思ってて。イメージ的には、服を着ずに素っ裸で手をたたいてるみたいな(笑)。

光村 それわざわざ実践しなくていいからね。

対馬 やらないって!

03. THE BUNGY

光村 この曲は「手をたたけ」からのメドレー形式にすることを想定した上でアレンジをしましたね。「手をたたけ」でドラムを叩いていた坂倉と古村が忙しなく楽器を持ち替えて「THE BUNGY」を演奏し始める姿をイメージしました。

古村 けっこう“力技”の「THE BUNGY」だよね。弾き慣れてる曲だからこそ変化が欲しくて、初めてガットギターを使ってみました。あとは間奏のアレンジに凝ったのでぜひ聴いてほしいですね。

坂倉 この曲はライブでずっとやってきているので、レコーディングのときは体から湧き出るグルーヴがオリジナルとは全然違いましたね。迷わずにいいグルーヴ感を出せたと思うし、アルバムの持つライブ感を一番体現してる曲です。

対馬 ノリを生かしつつではあるんですけど、お客さんの目の前で弾いてるような生々しい感じがあります。

光村 ちなみにオリジナルの間奏はギターソロのみなんですけど、今回は4人のソロ回しになってるんですね。最後は僕のブルースハープで締めてるんですが、一発録りだったからかあんまりいいソロが弾けなかったなあって。個々のソロが聴きどころなのに、あまり納得できてないという。

対馬 えー! ネガティブなこと言うなよ(苦笑)。

光村 なのでライブでの発展を見届けてほしいと思います(笑)。あくまでもこれがスタートです!

ニューアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」2015年2月4日発売 / Ki/oon Music
初回限定盤 [CD+DVD] 3960円 / KSCL-2543~4 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 2880円 / KSCL-2545 / Amazon.co.jp
アナログ盤 / 3960円 / KSJL-6179~80 / Amazon.co.jp
ハイレゾ版も配信中! / mora
CD収録曲
  1. 口笛吹いて、こんにちは
  2. 手をたたけ
  3. THE BUNGY
  4. 天地ガエシ
  5. 夢1号
  6. ホログラム
  7. Diver
  8. Broken Youth
  9. ニワカ雨ニモ負ケズ
  10. バイシクル
初回限定盤DVD収録内容
  • 口笛吹いて、こんにちは(アコタッチ)
  • バイシクル(アコタッチ)
  • 手をたたけ アコースティック
  • Lonesome ghost アコースティック
  • THE BUNGY アコースティック
  • Mr.ECHO (Acoustic ver.)
  • April (Acoustic ver.)
  • 夢1号 (Acoustic ver.)
  • ニワカ雨ニモ負ケズ Acoustic ver.
  • Diver Acoustic ver.
  • Broken Youth Acoustic ver.
ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ フェスト'15
  • 2015年2月24日(火)愛知県 DIAMOND HALL
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / ストレイテナー
  • 2015年2月25日(水)大阪府 なんばHatch
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / UNISON SQUARE GARDEN
  • 2015年3月5日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / [Alexandros]
NICO Touches the Walls TOUR 2015
  • 2015年5月21日(木)東京都 豊洲PIT
  • 2015年5月22日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2015年5月24日(日)福岡県 福岡市民会館
  • 2015年5月28日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2015年5月30日(土)宮城県 Rensa
  • 2015年5月31日(日)青森県 青森Quarter
  • 2015年6月4日(木)高知県 X-pt.
  • 2015年6月6日(土)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING
  • 2015年6月13日(土)大阪府 オリックス劇場
  • 2015年6月14日(日)大阪府 オリックス劇場
  • 2015年6月20日(土)富山県 MAIRO
  • 2015年6月21日(日)新潟県 新潟LOTS
  • 2015年6月27日(土)北海道 サッポロファクトリーホール
  • 2015年7月4日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 2015年7月10日(金)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2015年7月11日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2015年7月19日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールA
NICO Touches the Walls(ニコタッチズザウォールズ)

NICO Touches the Walls

2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年から渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム「How are you?」でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム「Who are you?」をリリース。2010年3月には初の日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品を発表し、2013年2月に初のベストアルバム「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト」をリリースした。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演を大成功を収めた。2015年1月に過去2回の日本武道館単独公演の模様を映像化した作品をリリース。2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を発表した。