ナタリー×WOWOW ミュージックスタイルJAPAN PowerPush - サンボマスター
圧巻ツアーファイナル振り返る WOWOW連動インタビュー
「本物の音楽との出会い」をコンセプトに、毎月厳選したアーティストを紹介するWOWOWのライブプログラム「ミュージックスタイルJAPAN」。1月の番組では11月15日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで行われた「ロックンロール イズ ノットデッド ツアー」最終公演の模様をオンエアする。
ナタリーでは「ミュージックスタイルJAPAN」と完全連動の特集コンテンツで彼らのインタビューを掲載。圧倒的な盛り上がりを見せたツアーファイナルを振り返ってもらった。
取材・文 / 大山卓也 撮影 / 福岡諒祠
本当にすさまじいツアーだった
──ツアーファイナルの東京公演2DAYSはいかがでしたか?
近藤洋一(B, Cho) いやあ、気持ちよかったですね。自分たちとお客さんだけであの空間を独占できて、一緒に大騒ぎできて。今は本当に「やりつくした」という感じです。
木内泰史(Dr, Cho) バンドマン冥利に尽きますよね。全部出し切ったからだと思うんですけど、終わってから3~4日は昼も夜もずっと眠かったです。動けないくらい(笑)。
山口隆(Vo, G) 逆に今、余力を残してるようじゃいけないですからね。
──今回は2000人以上のキャパを誇るZepp DiverCity TOKYOが2日間とも超満員。ライブの動員も増えていますし、バンドに再び追い風が吹いているように見えます。今のこの状況についてはどう捉えていますか?
山口 やっぱり木内が全身整形したのがよかったんじゃないすかね。
木内 やってねーわ!(笑)
山口 あはは(笑)。いやでも、真面目な話をすればお客さんが増えたなっていう印象は本当にありますね。
木内 そう、去年か一昨年くらいから特に。
山口 本当にありがたい状況で。皮膚感覚として、自分たちががんばって手売りで呼べるお客さんの数って今でも30人くらいが限界だと思うんですよ。友達とかに声かけて。だからそれ以上はちょっと本当に信じられない。
──ライブでのフロアの熱狂ぶりも本当にすごかったですね。
山口 大合唱で自分の声聞こえなくなるんだよな、ありがたいことですよほんとに。とにかく今回のツアーはすさまじかったです。
──しかもただ暴れてるだけじゃなく、バンドのメッセージがお客さん1人ひとりにちゃんと伝わっているように思いました。
山口 そうですね。そこだけは3人で真面目に話しました。お客さんをワー!って踊らせるのと同時に、ちゃんと心の中に入っていこうって。僕らとお客さんが対等でいられる新しい空間を作りたいなって。
息吹が伝わることが一番重要
──今回WOWOWでオンエアされるのは東京2DAYSの初日、11月15日の模様です。この日はゲストとして桜井秀俊さん(真心ブラザーズ)と池田貴史さん(レキシ)の参加もありましたね。
近藤 アルバムのレコーディングに来てくれた2人なので、曲のこともよくわかってくれてて、すごく楽しくやれました。
山口 だから細かいことは決めずに一生懸命やってただけっていう。
──2人の印象を改めて教えてください。
山口 桜井先輩はもうすごいですよ。音楽が見えてる人。レコーディングのときもすごくいい機材、ギターもアンプもいっぱい持ってきてくれて。俺らの知らない音楽のこといろいろ教えてくれて。
木内 「こうしたらいいんじゃないか」っていう引き出しがものすごくある人なんですよ。
山口 桜井先輩がいるとすごく助かるんです。自分たちは客観的に見れないから。どんなふうに爆発しているのかとか、そういうのを桜井さんが音楽の記号を使って、たくさん教えてくれるんです。まあその音楽の記号自体、僕らは半分くらいしかわからないんですけど(笑)。
──池田さんについてはいかがですか?
山口 池ちゃんは先輩なんですけど、本当に面白くて。あの才能ってすごいですよね。ジョージ・ハリスンみたいな感じ。
木内 人柄も音楽性も素晴らしいんですよ。
──この日の池田さんのパフォーマンスはいかがでしたか?
山口 最高でしたね(笑)。観ていただくとわかりますけど、(キーボードの上に)乗っかるわ、音が出なくなるわで、あれは100点ですね! キーボード壊れてましたからね。
近藤 レコーディングのときもほとんど1テイクしか弾いてくれないんですよ。本番の一発だけ本気でやるんです。
山口 でもその1回がすごいからね。プレイヤーとしても最高なんです。
──ライブのオンエアがますます楽しみになってきますね。
山口 演奏ってことで言えば、多分世間一般で言うようなうまいとかヘタとかっていうのは、僕らはあんまり重要視していないんですよね。技術とかよりも息吹が伝わるとか、そういうことのほうが重要で。今回はそれができたのが一番よかったです。楽しみにしててください。
サンボマスター
2000年2月結成。山口隆(唄とギター)、近藤洋一(ベースとコーラス)、木内泰史(ドラムスとコーラス)によるスリーピースバンド。メッセージ性の強いストレートな日本語詞と、ファンクやソウルの影響を感じさせる激しいロックサウンドが特徴。2003年12月に1stアルバム「新しき日本語ロックの道と光」をリリース。2004年発表の「青春狂騒曲」がアニメ「NARUTO-ナルト-」主題歌に、2005年発表の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」がドラマ「電車男」主題歌にそれぞれ起用され、一躍幅広い層からの支持を獲得する。その後も継続的にライブやリリースを重ね、2011年4月には初のベストアルバム「究極ベスト」を発表。2012年7月には6thオリジナルアルバム「ロックンロール イズ ノットデッド」をリリースし、それに伴う全国ツアーを大成功に収めた。