MIYAVI × SKY-HI|2人のサムライが語り合う、海外での戦い方

MIYAVIが11月8日に、“対戦型”のコラボレーションアルバム「SAMURAI SESSIONS Vol.2」をリリースした。ここでは先日公開したMIYAVIの単独インタビューに続き、SKY-HIとの対談をお届けする。今回のアルバムにおいて「Gemstone / MIYAVI vs SKY-HI」をコラボレーションした2人が、その制作エピソードから海外での活動から感じる日本のシーンとの相違点やさまざまな思い、そして今後のビジョンまでを大いに語り合った興味深い対談を楽しんでほしい。

取材・文 / 内田正樹 撮影 / 須田卓馬

SKYくんは音で会話すると気持ちがいい

──SKY-HIさんは上海、台湾、香港を巡る初のアジア3都市ツアーから帰ってきたばかりということですが(対談は10月下旬に実施)。

SKY-HI はい。今回のコラボ曲「Gemstone」ももうやってきました。

MIYAVI マジで? 早すぎやろ(笑)。どうだった?

SKY-HI 盛り上がりましたよ。サビでみんな跳んでました。毎回、最初のフックが終わったあとに「MIYAVI!」って叫んでます。そこにMIYAVIさんはいないけど(笑)。

左からMIYAVI、SKY-HI。

MIYAVI うれしいね。そう言えばロサンゼルスでSKYくんのライブのチラシを見つけたよ。

SKY-HI 11月にやるライブのフライヤーですね。ロスのほかにもニューヨーク、パリ、ロンドンでやります。

MIYAVI すごいじゃん。がんばってるね。

SKY-HI また「Gemstone」もやる予定なので(笑)。

──そもそもお二人はラジオ番組で出会ったんですよね。

SKY-HI 2010年に僕の番組にゲストで出ていただいて。もとから英語がしゃべれたわけじゃなく、すべて自分で一から培っていって、そこから南米のフェスに呼ばれるまでに至った話をしていただきました。当時の曲のバイブスもご自分のバックボーンそのままで、すげえカッコいいなあと思いました。

MIYAVI なんか恥ずかしいな(笑)。SKYくんと同世代の三浦大知くんもそうだけど、SKYくんも常に何かしら模索して、つかもうとしている。そういう人は顔を見ればわかるし、音で会話すると気持ちがいい。今回の「SAMURAI SESSIONS vol.2」は「vol.1」よりもよりシンガーやラッパーをメインにフィーチャーしたかったので、ぜひ参加してほしいと思い、オファーさせてもらいました。

SKY-HI ありがとうございます。俺は「やっと来た!」という感じでした。「いつか」とは思っていたし、そのうち機会は来るだろうという予感だけはあったんですけど。でもひさしぶりに会ったら、より優しくて、人間的に大きくなられたように感じました。例えば「Gemstone」の「地平線飲み込む母なるガイアの端から大志抱いて羽ばたいた」って歌詞も、すごくMIYAVIさんっぽいなあって思ったし。

焦燥感を抱えた若い子たちに響くような歌に

──今回の「Gemstone」はどういうプロセスで形にしていったのですか?

MIYAVI こちらで作ったデモトラックをSKYくんに送って、歌を入れて戻してもらって、それをもとにSKYくんとレニー(・スコルニック)と3人でスタジオに入って、ブラッシュアップさせました。最初は“Like an arrow”みたいなイメージから入ったんだよね。何かSKYくんってストイックでしなやかだし、常に目標を見据えている感じから、勝手に弓使いのようなイメージを持っていたので。確か「Gemstone」というタイトルはスタジオで生まれたんだよね?

SKY-HI そうでしたね。「If you got the fame you better give it away」というヴァースのあとに、もうひと盛り上がりする展開があったらいいねといった話の流れから、MIYAVIさんが「フォーエバーヤングな雰囲気でいけたら」とおっしゃって。ちょうど歌詞にも「ダイヤモンド」があったので、そこから原石(=Gemstone)にたどり着いて。

MIYAVI

MIYAVI 例えば今回のアルバムのゲストだと、ちゃんみなにはあの世代の女の子にしかわからない痛みがある。それは俺たちにはわからないし、仮に歌っても響かない。 やっぱり彼女にもSHOKICHIくんにも大知くんにもその人にしか歌えない歌があって、俺が常に表現者であり挑戦者だと思っているSKYくんにも、同じようにSKYくんじゃなきゃ歌えない歌があると感じて。だから自分の魅力にまだ気付いていない、焦燥感を抱えた若い子たちに響くような歌にしたかった。SKYくんだったらそれを絶対言葉にできると思いました。

SKY-HI 俺もMIYAVIさんとやらせてもらえるならそういうテーマがいいと思っていました。でも正直に言うと最初は緊張したし、少し迷いましたね。やっぱりラッパーとしては「STRONG / MIYAVI vs KREVA」のインパクトが強かったので、最初は違う形で自分のスキルを誇示するようなラップをしようかなあとも思いました。でも一緒にスタジオに入ったら、そういう邪念を自然と捨てることができた。曲として一番いい方向を追求しようという意識に向かえたのは正解だったと思います。

MIYAVI SKYくんは言葉選びも韻の踏み方もカッコいいんだけど、何より言葉を紡ぐスピードが超速い。だからヴァースでSKYくんのラップのメロディにアドリブでギターを乗せてみたり、たくさんのキャッチボールを交わすことで新しいアイデアがどんどん湧き出てきて、すごくカッコいい曲になった。ブリッジの部分はSKYくんがデモに入れたやつをそのまま使ったんだよね。

SKY-HI そうそう。確か「家で録ったテイクを送ってくれ」と言われて。

MIYAVI 自分のギターでも、最初に降りてきたピュアなテイクが一番いいときが多々あります。あとから同じように楽譜をなぞっても、“そのフレーズを知ってしまっている”という経験が邪魔になるときがある。一番搾りのビールみたいにとにかく一番うまいところを使うことが大事だと思います。

MIYAVI「SAMURAI SESSIONS vol.2」
2017年11月8日発売 / Virgin Music
MIYAVI「SAMURAI SESSIONS vol.2」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
5400円 / TYCT-69120

Amazon.co.jp

MIYAVI「SAMURAI SESSIONS vol.2」通常盤

通常盤 [CD]
3240円 / TYCT-60108

Amazon.co.jp

iTunes

CD収録曲
  1. Dancing With My Fingers / MIYAVI vs 三浦大知
  2. Gemstone / MIYAVI vs SKY-HI
  3. Fight Club / MIYAVI vs EXILE SHOKICHI
  4. Banzai Song / MIYAVI vs VERBAL(m-flo、PKCZ)
  5. Bumps In The Night / MIYAVI vs Masato(coldrain)
  6. No Thanks Ya / MIYAVI vs ちゃんみな
  7. Flashback / MIYAVI vs KenKen(LIFE IS GROOVE、RIZE、Dragon Ash)
  8. All My Life / MIYAVI vs HYDE
  9. Forget You / MIYAVI vs シェネル
  10. Slap It / MIYAVI vs 雅-MIYAVI-
初回限定盤DVD収録内容
  • 「Dancing With My Fingers」MIYAVI vs 三浦大知 Music Video
  • 「MIYAVI 15th Anniversary Live"NEO TOKYO 15"」ライブ映像5曲
  • 「MIYAVI 15th Anniversary Live"NEO TOKYO 15"」ドキュメント映像
SAMURAI SESSIONS vol.2 発売記念ツアー"Day 2 Begins"
  • 2017年11月30日(木)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2017年12月2日(土)大阪府 なんばHatch
  • 2017年12月7日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
MIYAVI(ミヤヴィ)
MIYAVI
1981年大阪府出身のソロアーティスト / ギタリスト。2002年10月にアルバム「雅楽 -gagaku」を発表し、ソロ活動を開始する。2010年10月リリースのアルバム「WHAT'S MY NAME?」では、ギターとドラムのみの編成でオリジナルのサウンドを確立。2012年11月にさまざまなジャンルの“サムライアーティスト”とのコラボレーションアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.1」を発表し話題を呼んだ。ほかにも布袋寅泰、野宮真貴、Good Charlotteらの作品への参加など精力的な活動を続け、2013年6月には自身の名を冠した海外デビューアルバム「MIYAVI」をリリース。さらに2014年にはSMAPのシングル「Top Of The World」を作曲し話題を集めた。また同年の12月には俳優として出演したアンジェリーナ・ジョリー監督によるハリウッド映画「UNBROKEN」が全米で公開された。2016年8月にはニューアルバム「Fire Bird」を発表。2017年4月にデビュー15周年を飾るベストアルバム「ALL TIME BEST "DAY 2"」をリリースし、収録曲「Live to Die Another Day -存在証明-」を木村拓哉主演、三池崇史監督の映画「無限の住人」主題歌として提供した。11月にはニューアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.2」を発表し、東名阪ツアーを開催する。
SKY-HI(スカイハイ)
SKY-HI
ラッパー、ソングライター、歌手など幅広く活動を行うアーティスト。2005年にAAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HIとして都内クラブで活動をスタートさせる。さまざまなラッパーとのコラボレーション企画「FLOATIN' LAB」を2011年に始動し、翌2012年に同企画のコンピレーションアルバム「SKY-HI presents FLOATIN' LAB」を発売。2014年3月には1stアルバム「TRICKSTER」をリリースした。2016年に初のホールツアー「SKY-HI HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~」を行い成功に収める。2017年1月に3rdアルバム「OLIVE」をリリースし、5月には東京・日本武道館で単独公演を開催した。10月に最新シングル「Marble」を配信限定で発表。現在は海外7公演を含むツアー「SKY-HI Round A Ground 2017」を開催している。
SKY-HI Round A Ground 2017
  • 2017年10月11日(水)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2017年10月12日(木)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2017年10月20日(金)台湾
  • 2017年10月22日(日)香港
  • 2017年10月25日(水)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2017年10月27日(金)神奈川県 Yokohama Bay Hall
  • 2017年10月28日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
  • 2017年11月1日(水)山口県 周南RISING HALL
  • 2017年11月7日(火)群馬県 高崎clubFLEEZ
  • 2017年11月8日(水)埼玉県 西川口Hearts
  • 2017年11月12日(日)アメリカ ロサンゼルス
  • 2017年11月15日(水)アメリカ ニューヨーク
  • 2017年11月18日(土)フランス パリ
  • 2017年11月19日(日)イギリス ロンドン
  • 2017年11月22日(水)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2017年11月24日(金)富山県 MAIRO
  • 2017年11月25日(土)福井県 福井まちなか文化施設 響のホール
  • 2017年11月27日(月)香川県 高松festhalle
  • 2017年11月29日(水)長崎県 DRUM Be-7
  • 2017年11月30日(木)大分県 DRUM Be-0
  • 2017年12月2日(土)山形県 山形ミュージック昭和Session
  • 2017年12月9日(土)岐阜県 岐阜club-G
  • 2017年12月11日(月)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
  • 2017年12月12日(火)東京都 チームスマイル・豊洲PIT