リバースターの秘密

──いきなりですが禁断の多数決って不思議なグループですよね。バンド名もユニークだしメンバー構成も謎が多い。これらはどの程度戦略的にやってることなんですか？

ほうのきかずなり　戦略ではないですね（笑）。あえて隠してるわけではないんです。ただほかのバンドのサイトとか観てると、どこもプロフィールとかちゃんと書いてあるから、それと同じようにしたくないなって思っただけで。

──あまのじゃくな性格のおかげでこうなってるわけですね。曲名やビジュアルも個性的ですが、この発想はどこから？

ほうのき　好きな映画の影響が大きくて。ヘンな映画も大好きなんで、そのヘンな感じが曲名や映像に出てるんだと思う。「月刊ムー」とかも好きなんですよね。

──ムー？

ほうのき　「ムー」に掲載されたいなと思ってジャケもこういう感じに。

──このジャケットに描かれてる銀色の物体はなんですか？

尾苗愛　リバースターです。

──リバースター？ それは？

尾苗　なんだろう。

ローラーガール　これがリバースター。

──すみません。初めて聞いたんですがどういうものなんでしょう？

ローラーガール　リバースターはメンバーのシノザキさんが勝手に付けた名前で。

ほうのき　CDのブックレットにシノザキ作のストーリーが載ってまして。それを読むとなんとなくわかるようになってるんですけども。

──わかるようなわからないような……。

ほうのき　ジャケットデザインは江森（丈晃 / tone twilight）さんにやってもらってるんです。「シェルタリング・スカイ」っていう映画が好きだったので、あれのポスターのイメージを伝えて、結果「ムー」っぽくなったからよかったなって。

新メンバーは身長2m以上

──禁断の多数決は一般的なバンドとはその成り立ちもだいぶ違うようですが。

ほうのき　はい、バンドっていうよりも「ツイン・ピークス」みたいな集団を作りたくて。

──どういうことでしょう？

ほうのき　ドラマの「ツイン・ピークス」の登場人物ってみんなちょっとヘンで。あと「ブギーナイツ」っていう映画も大好きで、最近だと「あまちゃん」でもいいんですけど、ああいう擬似家族っぽい、一緒に過ごしていく集団を作りたかったんです。

尾苗　みんなそれで集められた感じですよね。

ほうのき　面白いこと一緒にやりませんかってメンバーを誘って。僕自身はロックバンドめちゃくちゃ好きなんですけど、自分は同じ形ではやりたくなくて。矛盾してるんですけどね。

──そういえば新メンバーを募集してるんですよね？

ほうのき　はい、チェ・ホンマンみたいな身長2m以上の人とか、ダニー・デヴィートくらいの小さいおじさんに入ってほしくって。

ローラーガール　ふふふ（笑）。

ほうのき　理想はダリみたいなヒゲで伯爵みたいな長身のゲイの男の人。そういう登場人物をいっぱい出していきたい（笑）。