自分たちよりヘタなバンドは観たことないです

──初ライブはいつだったんですか？

ユリナ　2007年の10月です。

ヨーコ　もうそんなんなるんだ？

──3年以上前ですね。

ヨーコ　はー、長い！

──そのときに初めて人前で楽器を弾いて、そこからユリナさんとヨーコさんは猛練習を？

ユリナ　しなかったから今これなの（笑）。

ヨーコ　えーしたよしたよ、したよー？

ユリナ　猛練習してたら違うものができてたはずなんだけど。猛練習せずに3年経った結果がコレです。

──そもそも完全初心者だったわけですしね。

ユリナ　モニタの存在を知ったのは去年だし。

──えっ!?

ザ・ゾンビーズ子　1枚目のCD出たあとぐらいにライブハウスの人に「モニタってなんですか？」って（笑）。

ユリナ　なかなか聞けなくて、でも勇気を出して聞いた。

ザ・ゾンビーズ子　それまでPAさんがテキトーに返した音でやってたってことだよね。

ヨーコ　そのへん複雑でよくわかんないよね。

ユリナ　でもなんか「返しください」っていうのだけやたら言いたくて。

ヨーコ　そう、言いたかった！ カッコいいよね！

ユリナ　意味わかってないのに「もうちょっとギター返してもらえますか」って。それでハウったりしてるの（笑）。

──でも失礼ですけど、CDを2枚も出してる現存するバンドの中では、演奏はたぶん1、2を争うヘタさですよね。

ザ・ゾンビーズ子　対バンしてる中で自分たちよりヘタなバンド観たことないもんね。

ユリナ　でも日本マドンナを観たときに、あ、これ日本マドンナっていう名前は出さないでほしいんですけど、リハのときに「うちらよりヘタだ！」と思ってヨシッ！って喜んでたんです。でも本番を観たゾンビーズ子ちゃんに「いや、うちらのがヘタでしょ……」って言われて撃沈したっていう（笑）。

ザ・ゾンビーズ子　もう明らかに負けてたからね。

キラーチューンをエクスプロージョンするだけです

──住所不定無職が活動していく上での目標みたいなものはありますか？

ユリナ　えっ？ もう「ジャカジャーン！」とやるだけです。それ以外何もないです。目標は別にないし、こうなりたいみたいのもないし。

──ザ・ゾンビーズ子さんは？

ザ・ゾンビーズ子　私はロックンロールの一番カッコいい瞬間に憧れてるんですよね。例えばピート・タウンゼントが腕ぶんぶん回してる後ろでキース・ムーンがドカドカやってるみたいな、ああいう一瞬の雰囲気を自分たちで。

ユリナ　キラーチューンエクスプロージョンでしょー？ それがやりたいんでしょー？

ザ・ゾンビーズ子　あははは（笑）、そういうことだよね。

ユリナ　うんうん、キラーチューンをエクスプロージョンするだけですね。ホントそれ以外はなんにも。

──じゃあそこで自分のメッセージを伝えたりとかは？

ユリナ　まーったくないです。ゼロです！

ヨーコ　ははは（笑）。

ユリナ　歌詞で伝えたいこととかそんなのはないんです。とりあえず「ベイビー!!」って言いたいだけ、みたいな。

──じゃあ昔からノートに詩を書きためてた、みたいなタイプではないんですね。

ユリナ　いやいやいや、したくないですよー。そんな、歌詞書くとか面倒くさいし。

──瞬間の爆発を表現したい？

ユリナ　ってか、逆にみんな考えすぎでしょって思う。ジャカジャーン！ってやるまでに考えすぎな人がいっぱい。うまくなるのを待ってライブしようって思ってたら、それじゃあいつまでもライブなんてできないじゃないですか。徳井（義実）もね、家電芸人のときに「買いたいときが買い換え時」って。

ヨーコ　ああ、いいこと言う！

──あはは（笑）。

ユリナ　だからやりたいときが本当やるときだと思うんだけど。

ザ・ゾンビーズ子　みんな瞬間を逃してるよね。

ユリナ　みんなね、石橋叩いちゃってるからね。

──住所不定無職は石橋を叩かない？

ユリナ　叩いたことない。