ナタリー PowerPush - 住所不定無職
ロックンロールの魔法がここに! 超絶ポップな初期衝動「JAKAJAAAAAN!!!!!」
住所不定無職が新作CD+DVD「JAKAJAAAAAN!!!!!」(ジャカジャーン!!!!!)をリリースした。メンバー自身が「フルヴォリューム・シングル」と呼ぶこの作品は、7曲入りCD+11曲入りDVDからなる2枚組。一度聴いたら耳から離れないポップなメロディと歌詞は、すべてのロックファンの心をわしづかみにすること間違いなしだ。
ナタリーではこの名盤完成を受けて、ユリナ、ヨーコ、ザ・ゾンビーズ子の3人に取材を敢行。「キラーチューン・エクスプロージョンズ」の異名を持つバンドの秘密に迫ってみた。メンバー3人揃っての貴重なインタビューをじっくりと味わってもらいたい。
取材・文/大山卓也 インタビュー撮影/平沼久奈
ジャカジャーンってやりたくてバンドを結成
──3人とも住所不定無職の前にやっていたバンドはあるんですか?
ユリナ(ギターとか) いや、ないです。これが初めて。
ヨーコ(ギターとか) あたしもない。
ザ・ゾンビーズ子(ギターとか) ちょっとだけ? でもちゃんとやったことはなかったです。
──バンドをやろうと思ったきっかけは?
ユリナ えと、なんか職安で会って(笑)。初対面のときにアイドルの話で盛り上がって仲良くなって、それで「ジャカジャーンってやっちゃう?」みたいな。ふふふ(笑)。
──じゃあバンドをやるために集まった3人ではないんですね。バンドをやろうと思ったのはどうして?
ヨーコ なんでだろうね?
──当時楽器ができたのはザ・ゾンビーズ子さんだけ?
ユリナ うん、ゾンちゃんだけ。で、ジャカジャーンってやりたいなって思ってたけど、やり方がわかんないじゃないですか、やったことないから。なんかいっぱい穴あるけどシールドとかもどこに差したらいいのかわかんないし。で、ゾンちゃんに教えてもらって、ジャカジャーンって鳴るまでの設定をしてもらって、じゃあやろうやろう!って。
──ユリナさんもヨーコさんも、バンドをやりたいっていう気持ちはずっとあったんですか?
ヨーコ ちょっとやってみたかった。
ユリナ うちは、ジャカジャーンとやりたいとは思ってたけど……別にバンドやりたいとかはなかった。
ヨーコ チャンスがあれば的な感じだよね。
ユリナ だから今でもそうだけど、どういう曲やるとかどういう音楽性でとか、そういうの1回も話したことないんです。だからバンドしたいとかっていうのは、別に……(笑)。
できればベースとかドラムとかやりたくないよね
──じゃあとりあえず、ザ・ゾンビーズ子さんがギターを弾けるというのを知って「自分たちもやってみたい」ってことでスタジオに入った?
ユリナ そうですね。でもみんな「ギター弾きたいギター弾きたい!」「私が私が私が!」 つって、いまだにそのまま。誰も「どうぞどうぞ」って言わなかったからこんな結果に(笑)。
──それでライブの途中で担当楽器を交代しつつ全員がギターも弾くという現在の編成になったんですね。
ユリナ ふふふ(笑)。できればベースとかドラムとかやりたくないよね。
ヨーコ うん。
──(笑)。
ヨーコ でも最近は両方結構楽しくなってきたかな。
──ドラムはユリナさんよりザ・ゾンビーズ子さんのほうがうまいですよね。
ザ・ゾンビーズ子 テクニック的な部分ではそうですね。
──じゃあ全部ザ・ゾンビーズ子さんが叩けばいいんじゃないですか?
ユリナ いや、だってゾンちゃんが一番ギター弾きたがってるんです。それはかわいそうですよ!
──あはは(笑)。
ザ・ゾンビーズ子 基本「私が私が!」のバンドだもんね。
住所不定無職(じゅうしょふていむしょく)
ユリナ(ギターとか)、ヨーコ(ギターとか)、ザ・ゾンビーズ子(ギターとか)からなる3ピースロックバンド。2007年の結成後、都内ライブハウスを中心に活動し、2010年3月に1stアルバム「ベイビー!キミのビートルズはボク!!!」を発表。さまざまなサウンドを独自の解釈で混ぜ合わせ、キャッチーなメロディとオリジナリティあふれる歌詞で表現するそのスタイルが多くのロックファンの支持を集める。2011年1月には名門ロックレーベルDECKRECから7曲入り“フルヴォリューム・シングル”「JAKAJAAAAAN!!!!!」をリリース。