ナタリー PowerPush - JASMINE
内側の温度を伝える歌 1stアルバム「GOLD」
子供のころは友達にハグするのが大好きだった
──あと新曲で言うと、穏やかだけど力強いミディアムチューン「dear my friend」が私は好きで。これはライブでも披露していましたが、大切な友達に向けて書いた曲なんですか?
はい、これは特定の友達に向けて書いてて。昔、その子が「アスミ(JASMINEの本名)がデビューしたら私の応援歌作ってよ」って言ってたんで、それを思い出して「作ってやんなきゃなー」と。
──女の約束ってやつですね。
最近はお互い仕事もあるし、なかなか会えなかったりして。だから彼女へのメッセージというか、なんとなく手紙っぽい感じで書いてみたんですよね。この曲はライブでも反響が結構良くて、彼女も観に来てくれたんですけど、泣いてくれてましたね。
──ライブではスクリーンに歌詞も映っていたし、それを読んだら泣いちゃうのも無理ないかなって感じがします。
その子とは本当に言いたいことを言い合える仲なんで。最初に会ったときからビビッて来るものがあったんですよね。言いたいこととか超ストレートに言ってくるし、なぜか音楽の授業中にケンカしてギターで叩きあったりしたこともあるんですけど……(笑)。
──それはなんとも過激な(笑)。でも考え方によっては、そうやって感情をさらけ出せる相手って、最近だとなかなか貴重というか。
そうですね。たぶん、みんなしたいんだけどできないんじゃないのかなって思います。私、子供のころは友達にハグしたりするのが大好きだったんですよ。でも大人になるにつれてだんだんしなくなって、それが寂しいよーって思ったこともあるし。小学生くらいのときって、人との接近具合がすごい近いでしょ? それがどうして大きくなると遠くなっていくんだろう? とは思いますね。
桃色っぽい温度を大切にしたい
──ああ、確かにそう思います。でもJASMINEさんの歌詞を見ていると、ときには不器用だったりするけど常に人と本気でぶつかってるって感じがするんですよね。
それはたぶん、私が桃色っぽい温度を大切にしたいと思っていて……。
──それは温かい感情っていうこと?
そうですね。もっと言うなら、普通の肌よりも繊細な(唇の内側を指して)ココの感覚を意識してるんです。腕とかなら少し引っ掻いたくらいじゃ切れないけど、唇の内側ってすぐ切れて血が出ちゃう。言葉では表現が難しいんですけど、そういう内側にあるものの温度感なんですよね。
──はい。
だから、歌詞を書くときや人に対して何か愛を注ぐときは一枚その皮を剥いでというか、そういう感覚をポッと心に宿してみるんです。
──本当に感覚的な部分ですよね。大切な物に向き合うときはそういう感覚を持つようにしているという。またひとつ、JASMINEさんの頭の中が明らかになった気がします。
アルバムは金色のボスなんです
──では最後に、改めてアルバムタイトルを「GOLD」にした経緯を教えてください。
最初は意味のあるタイトルもいろいろ考えたんですが、そうすると型にハマっちゃって、アルバムの可能性を下げるのはイヤだなと思って。……まぁ簡潔に言ってしまうと、ジャケット写真ができあがった後に「これは『GOLD』だな」って思ったんですよ。
──え!? タイトルが「GOLD」に決まったから、ジャケットがゴールドを基調にした写真になったんじゃないんですか?
あ、今回は逆なんです(笑)。今までのシングルはずっとアー写やジャケ写のテーマカラーを決めてましたけど、それらを並べてみたときにふと5人組の戦隊ヒーローに見えたんです。で、だいたいそういう5人組には司令塔のボスがいるんですよね。だからアルバムは金色のボスにしたんです!
──なるほど。
今まで色にこだわってたきたぶん、アルバムには無駄に説明を加える必要はないかなと思って。「GOLD」って意味があると言えばあるし、ないと言えばない言葉だから。でも、さっきも言ったように、アルバムの“ボス”としてはすごく大事なんですよ。
──はい、もちろんそうですよね。「GOLD」って金メダルの象徴だったりしてカッコいいイメージもあるし、なんとく大切なものっていう感じもしますから。
そうそう。あと、折り紙でも金色は一番大事な色ですからね(笑)。
CD収録曲
- PRIDE
- sad to say
- L.I.P.S.
- Jealous
- Bad Girl.
- dear my friend
- stage ~interlude~
- This Is Not A Game
- CLUBBIN"
- 恋
- what you want?
- No More
- Dreamin'
- Why
初回盤DVD収録内容
- sad to say
- No More
- This Is Not A Game
- Jealous
- Dreamin'
JASMINE(じゃすみん)
13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。