ナタリー PowerPush - JACK IN THE BOX 2010 SUMMER
今夏も盛大に開催! 幕張を熱狂させる個性派フェスを徹底解剖
インタビュー/Jimmy(44MAGNUM)
44MAGNUMのギタリストとして、昨年「JACK IN THE BOX 2009 SUMMER」に出演したJimmy。夏のみならず、年末の「JACK IN THE BOX」にもさまざまなバンドで出演を果たしてきた彼に、「JACK IN THE BOX SUMMER」の魅力を語ってもらった。
また、Jimmyは6月末にキャリア初となるソロアルバム「Obsession」をリリースしたばかり。本格的にボーカルにも挑戦した本作を制作することになったいきさつや、ボーカリストについてのこだわりなど、興味深い話を訊いた。
取材・文/西廣智一
「なんで夏にやらないの?」と思ってた
──昨年は初めての「JACK IN THE BOX SUMMER」でしたが、年末の「JACK IN THE BOX」と比べてどのあたりに違いを感じましたか?
僕は年末の武道館には初回から出てるんですけど、これまで「なんで夏にやらないの?」と思ってたんです。やっぱりこういうロックイヴェントは、夏のほうが観に来る人も楽しめるんじゃないかなと思ったし、出演者も寒い中よりもやっぱり夏のほうが気持ちいいじゃん、と。だから、去年は夏にやって正解だったと感じてます。
──冬JACKは忘年会的なイメージもありますからね。
そうですね。もともとは忘年会という意味で始めたんですよ。マーヴェリック所属アーティストが年に1回集まって、全員でライヴをやるお祭りですね。
──1980年代は44MAGNUMとして野外イヴェントにも出たことがあると思いますが、当時と「JACK IN THE BOX SUMMER」を比べると違いを感じますか?
44MAGNUMがイヴェントに出てた80年代はハードロックやヘヴィメタル系のバンドと一緒になることが多くて、ライバル意識が強かったからちょっと面白かったですよ。でも、「JACK IN THE BOX」はヴィジュアル系や、テレビに出てる普通のタレントさんとかも出たりしてジャンルがバラバラ。そういう意味ではちょっと刺激が足りない部分もあったりしますけど(笑)、どんなジャンルを楽しもうとそれはお客さんの自由ですから、自分たちは自分たちのMAGNUMワールドでやれればいいかなと思ってます。
自然にやるのが一番“ロック”
──昨年観た限りだと、会場には若いお客さんも多かったです。そういう子たちに対して、どういうステージ、どういうパフォーマンスを見せようと思ってましたか?
デビューしてもう20数年になりますけど、時代のサイクルがいくつもあって、若い子たちの価値観っていうのが僕にはわからないわけ。だから、若い人たちが80年代初頭に生まれた44MAGNUMを「80年代に生まれた日本のロックバンドに、こういうのがあるんだ」と感じて、そこからなにか面白い発見があればそれでいいし、それぞれいろんな吟味の仕方でいいと思うんですよね。こちらがやりたいことを自然にやるのが一番“ロック”かなと。
──「JACK IN THE BOX SUMMER」には現在活躍してる若手のバンドがいたり、44MAGNUMやDEAD ENDのように80年代から活動してきた、今の若い子たちにとってレジェンドと言われるようなバンドも出演したりしてます。さらに、いわゆるヴィジュアル系とは異なるジャンルのアーティストもいて、今まで音楽を掘り下げて聴いたり、外に目を向けることに積極的じゃなかったりした子たちが、ここで「あっ、このバンドいいな。こういうのもあるんだ」っていう体験ができる場だと思うんです。
たぶん出演者の選び方、チョイスの仕方がそういう場を作る要因じゃないですかね。似てるバンドがそんなにいないし、音楽性もそれぞれ個性があって。例えば44MAGNUMに似てるバンドは他にいないと思うし、そういう意味でメニューとしてわかりやすいんじゃないかな。
──今年も前回以上にバラエティに富んだラインナップになってますが、気になるアーティストはいますか?
初出演のバンドはやっぱり一度観たいですよね。意外なバンドが出たら、「おぉーっ」って楽しめると思うし。
前向きに新しい曲をやっていきたい
──Jimmyさんは夏JACKや冬JACKに、44MAGNUM以外にもVelvet Spiderなどで出演してましたが、振り返ってみて違いはありますか?
Velvet Spiderってそれほど知名度のないバンドだったし、DANGER CRUE RECORDSからアルバムを出しているからライヴに出させてもらってるようなニュアンスがあったんですけど。でも、44MAGNUMに切り替わってからは普通にイヴェントに出てるっていう感じかな。
──バンドが替わると気持ちの上でも違いますか?
違いますね。JACKにはやっぱり44MAGNUMで出るべきだと思います。出演バンドがとてもバラエティ豊かな中で、一番固い部分というか、ロックが反体制だった頃の匂いがある世代という意味では、44MAGNUMが出ることに意義があると思うんで。
──なるほど。それでは今年の「JACK IN THE BOX SUMMER」はどんな感じのステージになりそうですか?
個人的には、去年出したニューアルバム「44MAGNUM」の曲を中心に聴かせたいなっていうのはありますね。1stアルバム、2ndアルバムの曲をやると喜ぶお客さんももちろんいますけど、前向きに新しい曲をやっていきたいなと思います。
──去年は発売前の新曲を何曲か演奏されたので、驚きました。
あっ、まだアルバムが出る前だったから、ライヴでいきなりですもんね。
──そうですね。衝撃は大きかったです。
そういうのもライヴの楽しみ方だと思うんで。でも、まだ音源として出してない楽曲をライヴでいきなりやるのは、賭けなんですよね。いきなりライヴでやる曲は、よっぽど印象がうまく伝わる曲じゃないとダメだろうし。自分たちで完成度がすごく高い曲だなと思っていても、1回聴いただけじゃわかりにくい曲もありますからね。なので、いきなりライヴでやった新曲がウケるのは非常にうれしいですよ。
会場:千葉・幕張メッセ展示場4-6
日程:2010年8月21日(土)
開場 / 開演:9:00 / 11:00
前売:11500円(全立見)
チケット:発売中
- キョードー東京(03-3498-9999)
- チケットぴあ(0570-02-9999 / Pコード:105-609)
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