音楽ナタリー Power Push - 電波少女

電波少女メジャーデビュー決定記念インタビュー

ヒッチハイクの旅で手にした自信

電波少女が、メジャーデビューをかけて挑戦していた「“電波少女的ヒッチハイクの旅”47都道府県ストリートライブTOUR」を完遂。今夏、アリオラジャパンからメジャーデビューすることが決定した。

これを受けて音楽ナタリーでは、メンバー2人にインタビューを実施。雪解け水での滝行、ママチャリで琵琶湖1周200km走破など過酷なミッションが課せられたヒッチハイクの旅の思い出、全国各地で開催したフリーライブで得たもの、新曲「FOOTPRINTS」が披露された東京・WWWでのワンマンライブ「“サライ”~電波少女的ヒッチハイクの旅 完~」の手応え、そして、メジャーデビューに向けた展望などについて語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 後藤壮太郎

“電波少女的ヒッチハイクの旅”47都道府県ストリートライブTOUR

Mission

  • ヒッチハイクで移動をし47都道府県全県でストリートライブをせよ。
  • 2016年11月11日に北海道の札幌時計台を出発し、2017年1月31日までにゴールの宮崎に到着せよ。
  • LINEでストリートライブやヒッチハイクに乗せてくれた方と友達になり友達1000人を達成せよ。
  • 移動の模様やストリートライブをLINE LIVEにて生放送せよ。

Rule

  • 移動方法:ヒッチハイク
  • LINE LIVE生放送:1日1回以上
  • 各都道府県にて、1回以上ストリートライブを実施。
  • 宿・食事:ストリートライブとCD販売で稼いだお金の範囲内にて行う。※CDは1枚販売に付き500円を活動費へ。
  • 個人的な携帯電話の使用、SNSの使用は禁止。
  • リスナーやファンからの差し入れを食べたり、移動協力を受けることは禁止。
  • 提供される持ち物:2万円、寝袋、機材、マジックペン(筆記用具)、スケッチブック、地図
ハシシ(Rap)(写真提供:アリオラアーティスト) nicecream(DJ, Performance)(写真提供:アリオラアーティスト)

Result

2016年12月31日に宮崎県に到着。2017年1月4日に宮崎市内でストリートライブを行い、見事すべてのミッションをクリアした。

  • ヒッチハイクした車の台数:96台
  • 総移動距離:9222km
ミッションとしてママチャリで琵琶湖を1周するハシシ(Rap)。(写真提供:アリオラアーティスト) ミッションとしてバンジージャンプに挑むnicecream(DJ, Performance)。(写真提供:アリオラアーティスト)

ちらつかされて目標になったメジャーデビュー

──「“電波少女的ヒッチハイクの旅”47都道府県ストリートライブTOUR」の成功、おめでとうございます。

ハシシ(Rap)nicecream(DJ, Performance) ありがとうございます!

──今回のヒッチハイクの旅はメジャーデビューをかけた企画だったわけですが、そもそも2人はメジャーデビューを目標にしていたんですか?

ハシシ はい。最初は「音楽でメシを食おう」みたいな野心もなかったというか、漠然とやってたんです。趣味程度に音楽をやって、人気が出たらラッキーくらいで。でも4年くらい前にスタッフからメジャーデビューをちらつかされたことがあって、そのときに勘違いしちゃったんですよね(笑)。辞めどきを見失っていたっていうのもあるし、それ以来「まずはメジャーデビューを目標にがんばろう」と思うようになって。今29歳なんですけど、30歳までにデビューしたかったから、ギリギリで滑り込みました(笑)。

──今回の旅の模様はYouTubeの公式チャンネルでも公開されていて。最初に「ヒッチハイクの旅を成功させたらメジャーデビュー」という話を持ち込まれたときは、露骨に嫌そうな顔していましたよね。

ハシシ 嫌でしたね。客観的には「やったほうがいい」とわかってるんですけど、自分としては絶対にやりたくないなって(笑)。「まあ、曲作りの材料になるだろうし、普通の人生の中でヒッチハイクで日本を回る経験もないだろうから」って自分に言い聞かせました。

電波少女

nicecream 強引にやらされないと、自分からは絶対にやらないですからね。どういうリターンがあるのか、ホントにヒッチハイクできるのかっていう不安はありましたけど。

ハシシ 路上ライブ自体も経験なかったんですよ。

nicecream ヒッチハイクは経験あったんですけどね(笑)。

ハシシ 学生のときの話ですけどね。1時間くらいの距離だったし。

面白い人に出会えたヒッチハイク

──しかもヒッチハイクと路上ライブだけではなく、旅の途中でいろいろなミッションを課せられて。雪解けの水で滝行したり、ハシシさんが琵琶湖をママチャリで1周したり、挙句の果てにハシシさんが体調を崩して入院するっていう。めちゃくちゃ過酷な旅ですよね。映像を観ていると前向きに楽しんでいる印象もありましたが、実際はどうだったんですか?

ハシシ そうですね……カメラが回ってないところで、まったくしゃべってなかったです(笑)。

nicecream ははははは(笑)。

ハシシ 一応大人なので、最低限必要なことはしゃべってましたけどね。あとはカメラマンとして同行してくれた後輩をいじめてストレスを解消したり(笑)。最初は体力面を心配してたんですけど、そっちは意外と大丈夫だったんですよ。寒い中で1日2回ライブやってもけっこう平気だったし。それよりもメンタルのほうがキツかったですね、俺は。集まってくれた人たちには申し訳ないですけど、「とてもライブをやれる状態じゃないな」というときもあったし……まあなんとかやりましたけどね。スタッフからは“できないヤツ”扱いされていたので、逃げ出すだろうと思われていたみたいです(笑)。

──車に乗せてくれた人はもちろん、いい出会いも多かったんじゃないですか?

電波少女

ハシシ うん、それはすごく感じました。いろんな職種の人がいたし、面白い人も多かったんですよ。現役のスキー選手やトライアスロンの選手、ヒッチハイクの経験者とか。そうやって何かをやっている人はエネルギーがすごいし、警戒心よりも好奇心のほうが強いんですよね。あと、人助けしたいという気持ちもすごくあって。

nicecream そういう人たちと話をしたこともいい経験になりました。

ハシシ 基本、nicecreamが助手席で話をして、俺は後ろに座ってることが多かったんですけど、こいつの会話がだんだんテンプレになってくるんですよ(笑)。

nicecream 企画の説明とかは、一語一句同じですからね(笑)。

ハシシ nicecreamは電話で営業する仕事をやってたから、同じことを言うのが苦じゃないんですよね。しかも笑わせようとしてボケる内容もまったく同じで。

nicecream 自分なりにマニュアルを磨いて(笑)。

ハシシ それを聞いていると気が狂いそうになるんですよ。ゲシュタルト崩壊じゃないけど、話してる意味がわからなくなってきて(笑)。でも本当にたくさんの人に助けてもらいました。

公演情報
電波少女「EST.」
  • 2017年6月18日(日)東京都 WWW X
電波少女(デンパガール)
電波少女

2009年に複数のMCおよびトラックメーカーで結成されたユニット。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在はラップ担当のハシシとDJ&パフォーマンス担当のnicecreamという2人で活動している。2013年7月に1stアルバム「BIOS」を、2015年7月に全曲フィーチャリングゲストを迎えた2ndアルバム「WHO」を発表した。12月にリリースしたiTunes Store限定シングル「COMPLEX REMIX feat. Jinmenusagi, NIHA-C」がiTunes Storeのヒップホップ / ラップのシングルチャートで1位を獲得する。2016年5月に7曲入りCD「パラノイア」をリリースし、11月よりヒッチハイク企画「“電波少女的ヒッチハイクの旅”47都道府県ストリートライブTOUR」を実施。2017年1月にヒッチハイクの旅を完遂し、夏にメジャーデビューを果たすことが決定した。