BRIAN SHINSEKAI|10曲のApple Musicプレイリストから紐解く音楽的ルーツ

今届けたい場所に向け、音楽を再構築するアーティストに共感

──9曲目はスウェーデンのポップバンドThe Arkの「Calleth You, Cometh I」(2002年発売のアルバム「In Lust We Trust」収録曲)。このバンド、知りませんでした。

日本ではほとんど知られていないと思います。グラムロックのテイストを持ったバンドなんですが、僕もROLLYさんから教えてもらったんですよ。もともとスウェーデンの音楽には親しみを感じていて、Abba、Ace of Base、最近だとアヴィーチーも好きで。スウェーデンの人たちはマジメで勤勉だし、日本人との共通点も多いんじゃないかって勝手に思ってるんです。音楽もリズムが占める割合がわりと低くて、歌が前に出ているものが多い。歌モノの国という意味でも、日本に一番近いのはスウェーデンじゃないかなって。The Arkは世界的な知名度こそありませんが、スウェーデンでは国民的なバンドだし、スウェーデンの音楽の特徴がすごく出ていると思うんですよね。ボーカルのオーラ・サロはデヴィッド・ボウイ、Queen、Duran Duranなどがルーツで、それをスウェーデンの人たちに届く楽曲に再構築していて。自分はそういう過去の音楽を吸収して、今届けたい場所に向けて再構築しているアーティストに共感するんですよね。今回のプレイリストに入っているアーティストはすべてそうなのですが、特にオーラは自分とパーソナリティも近いような気がしています。

──そして最後はオフコースの名曲「YES-YES-YES」(1982年リリースのアルバム「I LOVE YOU」収録曲)です。

先ほど松任谷由実さん、山下達郎さんのことも申し上げましたが、僕にとってのシティポップはオフコースなんです。80年代はTOTOを手がけたレコーディングエンジニア(ビル・シュネー)を起用したり、音作りもすごく緻密で。最新のシンセサイザーを使ったり、実はかなりニューウェイブ感があるんですよね。当時Yellow Magic Orchestraとも交流があったそうですが、ドラムの音色やシンセの取入れ方を含め、サウンドの全体像はYMOともかなり近いと思います。音数が少なく洗練されているという点では、BRIAN SHINSEKAIの音楽にも直接的な影響がありますね。

“洗練されていてきらびやかな楽曲”を具現化した「CICADA」

──今回配信されたBRAIAN SHINSEKAIの楽曲「CICADA」についても聞かせてもらえますか?

EDM的なサウンドは今やるべきではないと思っていて。ネオアコ、ニューウェイブのテイストがあって、洗練されていてきらびやかな楽曲が逆に新鮮に映ると思うし、そういう音楽を自分も聴きたい。それを具現化したのが「CICADA」ですね。

──明確なコンセプトを立ててから制作した、と。

「CICADA」はそうですね。曲の作り方にはいろいろなパターンがあって、コンセプトありきの場合もあるし、もっとエモーショナルに作ることもあるんですよ。ただ、最終的なバランスは同じなんです。「これを伝えたい」と感情的に作ったときはサウンドメイクの段階で音楽的なバランスを取るし、コンセプト先行の場合は、制作の過程の中で「今感じていることを入れたい」と思うので。

BRIAN SHINSEKAI

──「CICADA」の歌詞は、2018年1月24日にリリースされる1stアルバム「Entrée」のストーリーとも関連しているんですよね?

はい。アルバムのメインとなる物語とつながる歌詞ですね。コンセプトアルバムとは言ってませんが、「Entrée」は12曲で1つのストーリーを描くように作っていて。そのコンセプトが如実に表れた楽曲だと思います。その内容を端的に言うことはできないのですが、純粋なラブソングと言うよりも、死生観だったり、愛の本質を表現したいと思っているんです。例えば神話や聖書などを読むと、壮大な物語の中に愛の本当の価値が描かれている。僕もそういうものを作りたいんですよね。「首飾りとアースガルド」「TRUE/GLUE」「CICADA」の3曲を聴いてもらえれば、アルバムを紐解くヒントを得られると思います。

──期待しています。メジャーデビューが発表になり、何か変化はありましたか?

時間をかけて準備してきたことでもあるし、特に大きな変化はないですね。ただ、自分のやりたいことがさらに見えてきた気はしています。やりたいこと、伝えたいことに関してはこれまでもしっかり見えていたつもりなのですが、メジャーデビューを発表したことで、それが明確になってきてるんですよね。

BRIAN SHINSEKAIが影響を受けた10曲

  1. The Sound Of Crying / Prefab Sprout
  2. Déjà vu(feat. Sia) / ジョルジオ・モロダー
  3. Under Control (feat. Hurts) / カルヴィン・ハリス
  4. Carried Away / Passion Pit
  5. Relax, Take It Easy / ミーカ
  6. Rain / 大江千里
  7. Amazing / ジョージ・マイケル
  8. Little Wonder / デヴィッド・ボウイ
  9. Calleth You, Cometh I / The Ark
  10. YES-YES-YES / オフコース

Apple Musicでプレイリストを聴く

BRIAN SHINSEKAI「Entrée」
BRIAN SHINSEKAI「Entrée」

2018年1月24日発売
Victor Entertainment / AndRec

Apple Music

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 首飾りとアースガルド
  2. TRUE/GLUE
  3. 東京ラビリンス ft. フルカワユタカ
  4. FAITH
  5. ゴヴィンダ
  6. バルバラ
  7. ルーシー・キャント・ダンス
  8. CICADA
  9. クリミアのリンゴ売り
  10. Loving the Alien
  11. 2045(Theme of SHINSEKAI)
  12. トゥナイト
BRIAN SHINSEKAI(ブライアンシンセカイ)
2009年、17歳のときにブライアン新世界名義で出場した「閃光ライオット」でファイナリストに。2011年に1stミニアルバム「LOW-HIGH-BOOTS」、2012年に2ndミニアルバム「NEW AGE REVOLUTION」を発売した。2013年にはバンドBryan Associates Clubを結成してライブ活動を展開。2016年11月に活動を休止したのち、2017年9月に新プロジェクトとしてBRIAN SHINSEKAIを始動させた。2018年1月にビクターエンタテインメントよりデビューアルバム「Entrée」をリリース。収録曲をアルバムの発売に先駆けてサブスクリプションサービスで順次先行配信するという試みで話題を集めている。

2018年1月24日更新