音楽ナタリー Power Push - KONAMI「BEMANI NEW FACE コンテスト」特集

kz(livetune+)インタビュー

kz(livetune+)インタビュー

“1人beatmania”みたいなことをやってた

──kzさんは音楽ナタリーでの過去の特集で、自身の音楽のルーツとして「beatmania」を挙げていました(参照:kz(livetune)× 八王子P feat. 初音ミク「Weekender Girl」対談)。そもそも何がきっかけで「beatmania」というゲームに出会ったのですか?

kz(livetune+)

中学2年生くらいのときに友達にゲーム雑誌の特集記事を見せてもらって。それで「beatmania」というゲームの存在を知ったんです。地元のゲーセンには筐体が置いてなかったので、街に出たときにプレイしてましたね。

──もともと好きな音楽のジャンルは、「beatmania」に収録されているダンスミュージックだったんですか?

当時は全然違ってロックが好きだったんですよ。なので「beatmania」をきっかけにダンスミュージックを知って。打ち込みで曲を作り始めた頃は、ハウスとかミニマル、アンビエントとかゲームの中に出てくるジャンルの曲をそれぞれ作ってましたね。パソコンにジャンル分けしたフォルダを用意して、その中に曲をどんどん入れていって“1人beatmania”みたいなことをやってました(笑)。

──普通、曲を作り始める頃はジャンルを絞るイメージがありますが、kzさんは最初からいろんなジャンルの曲を作っていたんですね。

当時憧れていたHiroshi Watanabeさんというクリエイターの方が、ジャンル関係なく曲を作っていたので、おそらくそれに影響されていたんだと思います。

──ちなみにゲームをプレイしていた当時にハマっていた曲って覚えてますか?

みんなハマっていた曲だと思いますけど、「20,november」は大好きでよくやってましたね。それと、同じく南雲玲生さんが作っていたスローテンポなR&Bの「Do you love me?」。ほかには“弐寺”(「beatmania IIDX」の略称)だと、Hiroshi Watanabeさんの「DIVING MONEY」とか。あと「gentle stress」もよくやってましたね。割とジャンルはバラバラなんですけど、気が付くと好きなクリエイターさんの曲を追いかけていた気がしますね。

一番なじんだのは「MÚSECA」

──kzさんにはインタビュー前に今回公募を実施する「SOUND VOLTEX」「MÚSECA」「pop'n music」の3タイトルをプレイしていただきました。筐体で音楽ゲームをプレイするのはひさしぶりだったのではないですか?

「MÚSECA」をプレイするkz(livetune+)。

かなりひさしぶりでしたね。個人的には「MÚSECA」が一番プレイしやすい機種でした。ただボタンの上下の配置が「beatmania」とは逆なので、そこを意識するのが難しかったです。

──ボタンの形や押し心地は「SOUND VOLTEX」のほうが「beatmania」に近い印象があったので、「MÚSECA」のほうがプレイしやすかったというのは意外でした。

「SOUND VOLTEX」はつまみ(アナログデバイス)をいじったり、下にあるボタンを押したり、手を大きく動かさなきゃいけないアクションが多くて難しいんですよね。「MÚSECA」はそこまで手を動かさなくていいので、プレイしやすかったです。ただこっちにはフットペダルがありますから、これを意識するのがけっこう大変でした。いつでも押せるように足を構えていると、足がだんだん疲れてくるっていう(笑)。

──それぞれのゲームの印象はいかがでしたか?

「MÚSECA」はボタンをホールド(長押し)して離すだけじゃなくて、ホールドからスピンの動作をするのがやってて気持ちよかったですね。タイミングとか成功したときのエフェクトも爽快で。おそらく僕みたいにゲームセンターの音ゲーからちょっと離れてる人が一番手になじむゲームが「MÚSECA」だと思います。

──先ほど難しいと話していた「SOUND VOLTEX」は?

もともと「SOUND VOLTEX」に僕の友人の曲がたくさん入ってるので、いつかやってみたいなとは思っていたんです。でもつまみがあるせいですごく難しいゲームなんだと認識していて。今日初めてやってみたんですけど、やっぱり難しかったです(笑)。ただ僕は“回す”という動作が好きなので、つまみを画面の指示通りに回していく快感は感じました。

──つまみを回したり、ボタンを長押しすることで音にエフェクトがかかるのも「SOUND VOLTEX」の特徴ですよね。

kz(livetune+)

ビートループだったり、スタッターだったり、いろんな効果がかかるのは面白いですよね。「エディット」というものがどういうものなのか直感的に理解できるようになってますね。

──「pop'n music」をプレイした感想も聞かせてください。

10年ぶりくらいにプレイしたんですけど、昔と変わらず苦手でした(笑)。僕は手が小さいのでけっこう距離がある同時押しとかが苦手なんですよね。それと僕はもともとピアノをやっていた人間なので「beatmania」のボタンの大きさとか形になじみがあって。ポップンはどちらかというとパーカッション。どうしても楽器として見ちゃうので苦手意識があるのかもしれないですね。

kz(livetune / livetune+)(ケーゼット)

アニメソング、ゲーム音楽、J-POPなど幅広いジャンルの楽曲制作および編曲を手がける音楽プロデューサー。DJとしても活躍し「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」「ULTRA JAPAN」「ニコニコ超会議」などさまざまなフェスやイベントに出演している。ワーナーミュージック・ジャパンとASOBISYSTEMが手がけるイベント「YYY」では、中田ヤスタカ、tofubeats、banvoxらとともにレジデントDJを務める。ソロプロジェクトのlivetune名義では「Google Chrome-初音ミク篇-」のCM曲「Tell Your World」や初音ミク関連のイベント「マジカルミライ2015」のテーマソング「Hand in Hand」などVOCALOID楽曲を発表しているほか、SEKAI NO OWARIのFukase、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔といったボーカリストとのコラボ曲もリリースしている。また2015年10月には、ボーカリストにやのあんなを迎えた新ユニットlivetune+を始動させた。