──今回、菅野さんのほかに渡辺監督、小玉先生へもインタビューを行っておりまして、それぞれおふたりから菅野さんへの質問を預かっています。まず渡辺監督からの質問が「好きな文学作品、作家はなんですか？」。意外と普段訊かれない質問かもしれないですね。

実は私、元々は小説書きになりたかったんですよ。なので小学生のころはものすごく本読んでて。小学4年生のとき、三島由紀夫の「憂国」っていう腹切りの内容の話で読書感想文書いて、先生に「テーマが子供らしくない」って怒られたりしてました（笑）。そのときは暗黒とか死とか悪とか、そういうものにすごく興味をもっていて、子どもなりに研究してたんです。

──へえ！ ちなみに、初めて買った本は何でしょう？

ボードレールの詩集「悪の華」です。小学2年生のとき、親にねだって買ってもらって。ただそれだけを買ったら怒られることはわかってたので、ハイネと一緒に買ったんですよ（笑）。そのあとは大江健三郎とか、宮沢賢治とか……。私はキリスト教徒ではないんですけど聖書読んだり。中学生くらいからは自分で書くようになって、人の作品を読まなくなり、もう最近は純粋な文学作品はほとんど読んでないですね。今読んでるのは精神科医の神田橋條治先生の本とか、経営学に関する本とか、「システムエンジニアへの道」みたいなのとか、文学とは全然関係ない本です。

──そして小玉先生からの質問は「『坂道のアポロン』の中で恋人にしたいキャラはいますか？」。これは「誰ですか？」って訊いたほうがいいかもしれないですね。

それはもう一択で淳兄ですね。ワルだから（笑）。

──主人公の薫と千太郎には見向きもせず。

真面目で傷つきやすい繊細な子と、肉体タイプの体育会系だけど心にちょっと影がある子は……まあ、いいかな（笑）。

──もっと、酸いも甘いも知り尽くした人のほうが？

そうそう。大人のほうが好き。私、初恋の人がイエス・キリストなんですよ。

──え？ 聖書読んでたのってそういう理由なんですか？

幼稚園がキリスト教系だったんですけど、そういうところってキリストの絵本とかを見るじゃないですか。そのときに、もう「なんてかっこいいんだろう、鼻筋通ってて」みたいな感じでときめいてて。

──しかもビジュアルからなんですか（笑）。

白い衣装がまず素敵で。それで女の人がキリストの足とかを洗うわけですよね。その絵を見て、「私がやりたい」って思ってましたよ。キリストの足を洗ってる夢って結構何回も見てますし……。

──……女子目線でキリストの絵を見てる人って僕、初めてです（笑）。これ、ほか2人の質問コーナーのハードルが上がっちゃうので、この辺にしておきましょうか（笑）。