音楽ナタリー Power Push - angela×fripSide

2つのアニソン最強ユニットが最強コラボに挑むワケ

今秋テレビシリーズ「亜人」の第2クールがスタートしたことに伴い、angelaとfripSideが合体。10月19日に「亜人」第2クールの前期オープニングテーマにして、angela×fripSide名義のシングル「僕は僕であって」が、12月7日には後期オープニングテーマとなるfripSide×angela名義のシングル「The end of escape」がリリースされる。

数あるアニソン系大型ライブイベントで次々とヘッドライナーを務める両者。そんな大物2組のコラボレーションが実現に至った経緯とは? またこの2組が繰り出す楽曲とは? angelaのatsuko(Vo)とKATSU(G)、そしてfripSideの南條愛乃(Vo)とsat(Key)に話を聞いた。

取材・文 / 成松哲

シーンのトップランナー、fripSideを“騙る”

──angelaのお二人はここ数年、ライブのMCに「アニサマ」(Animelo Summer Live)の記者会見と、ことあるごとに「こんにちは、fripSideです」とグループ名を“騙って”らっしゃいますよね(参照:angela、“ここにいる”喜びを高らかに叫んだ10回目の「大サーカス」)。

KATSU(angela) なんでバラすんですかっ!

atsuko(angela) 今まで黙ってたのにっ!

sat(fripSide) いや、普通に知ってましたよ(笑)。

南條愛乃(fripSide) 同じフェスに出演したときにも「fripSideです」って言ってらっしゃったじゃないですか(笑)。

──モロバレじゃないですか(笑)。で、そのことをfripSideはどう思ってるんだろう?って気になってたんですけど……。

sat すごく感謝してるし、うれしいですね。お二人が「fripSideとは冗談が言い合える仲なんだよ」「仲良しなんだよ」って明言してくれているのと同じことだから。

南條 あと本人不在でもfripSideの名前がお客さんの耳に入ることになるわけだし、こんなにありがたいことはないので、もっとやってください(笑)。

──私たちのことを宣伝してくれてありがとう、と(笑)。

atsuko ホントに許可を取らずに言ってたので救われました……。

sat いや、KATSUさんとはいろんなイベントの喫煙所でご一緒する仲だし(笑)、そもそもお二人には男女2人組ユニット同士っていうシンパシーを感じていましたし。

南條 私もメンバー構成が似ているユニットとして勝手に親近感を抱いてました。

sat だよね。……って「シンパシー」や「親近感」は失礼か。「この世界における目標」と言ったほうがいいかもしれない。

南條 ですね。私にとってもfripSideとしてデビューする前から一方的に存じ上げてるお二人でしたから、尊敬の念も抱いていて。初めてご挨拶させていただいたときは、ホントに光栄でしたし。

KATSU またまたー(笑)。

sat 本心ですって! 僕たちはメジャーデビューが遅かった……前任のボーカル(nao)と一緒にデビューしたのが2007年なんですけど、その時点でangelaさんはトップランナーだったわけですから(angelaは2003年メジャーデビュー)。特に僕にとっては「なるほど。メジャーで一線を張る男女ユニットっていうのは、こうあるべきなのか」っていう一種のバロメーター的な存在だったんです。そういうお二人が僕らの名前を出してくれるのは光栄なことだし、幸せなことなんですよね。

若者のハートを鷲づかみするfripSide

──一方angelaのお二人はfripSideをどう見てらっしゃいました?

atsuko(angela)

atsuko 現在進行形で時代を作ってる人だと思ってます。fripSideさんの曲って、その時代時代に深夜アニメを観ている若い人たちのハートを一気につかんでいく感じがあるんですよ。もう鷲づかみ!

KATSU 僕らが「fripSideを名乗ることで2~3人くらいダマされてくれねえかなあ」って思ってる隙に……。

atsuko 1000人くらい一気にさらいますからね(笑)。

sat そんなことないよ!

KATSU いや、以前ウチのライブに出てくれてるダンサーの子が「アニソンの踊ってみた動画をアップしてみたんですよ」って言ってきたから「ウチの子だし、やっぱりangelaで踊ってるのかな?」と思って観てみたら、「only my railgun」(2009年のfripSideメジャー1stシングル曲にして南條加入後初のシングル曲)で踊ってやがったっていうことがあったし(笑)。

一同 あはははは(笑)。

KATSU でも「だよね」とも思ったんですよ。「~railgun」って本当にインパクトあったもん。あの曲を出したのって何年?

sat 2009年ですね。

KATSU だよね。その2009~10年頃にアニソン業界がガラッと変わった印象があるから。僕らは2004年に「Shangri-La」っていうシングルを出してるんですけど……。

──キラーチューンの1つですよね。ファンはもちろん、フェスの客をも確実にロックする。

KATSU でも当時のエンジニアさんからは「この曲はいい曲だけど、アニソンシーン自体はJ-POPより10年遅れている気がする」とも言われていて……。そのとき「なにくそ」と思った半面「そう言われてもしょうがないな」っていう心当たりもあったんです。それでそこから5年くらい「J-POPに追い付け追い越せ」で本当にガムシャラにやってきていたら、fripSideさんやMay'nちゃんが出てきて。すっごいうれしかったんですよ。「やっと、こういう存在が出てきてくれた!」「むしろ遅せえよ!」って(笑)。

sat いやいやいや。もし「~railgun」で流れを変えることができたのだとするなら、それはやっぱりangelaさんがいたからです。その「Shangri-La」しかり、当時からレベルの高いことをなさっていたし、我々はそれを目標に曲を作っていたわけだから。

angela×fripSide ニューシングル「僕は僕であって」 2016年10月19日発売 / KING RECORDS
期間限定盤 [CD+Blu-ray] 1944円 / KICM-91710
通常盤 [CD] 1296円 / KICM-1711
期間限定盤 CD収録曲
  1. 僕は僕であって
  2. 僕は僕であって TV size
  3. 僕は僕であって off vocal version
期間限定盤 Blu-ray収録内容
  • 僕は僕であって PV
通常盤 CD収録曲
  1. 僕は僕であって
  2. 僕は僕であって part of atsuko
  3. 僕は僕であって part of yoshino nanjo
  4. 僕は僕であって off vocal version
fripSide×angela ニューシングル「The end of escape」 2016年12月7日発売 / NBCユニバーサル・エンターテイメント
NOW PRINTING
初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / GNCA-0461
通常盤 [CD] 1296円 / GNCA-0462
初回限定盤 CD収録曲
  1. The end of escape
  2. The end of escape TV size
  3. The end of escape(instrumental)
初回限定盤 DVD収録内容
  • fripSide×angela「The end of escape」PV
  • fripSide×angela「The end of escape」PVメイキング
  • angela×fripSide「僕は僕であって」PVメイキング
通常盤 CD収録曲
  1. The end of escape
  2. The end of escape part of yoshino nanjo
  3. The end of escape part of atsuko
  4. The end of escape(instrumental)
テレビシリーズ「亜人」第2クール
テレビアニメ「亜人」第2クール
  • MBS:毎週金曜日 26:40~
  • TBS:毎週金曜日 26:25~
  • BS-TBS:毎週土曜日 24:30~

©桜井画門・講談社 / 亜人管理委員会

angela(アンジェラ)

岡山県出身のatsuko(Vo)とKATSU(G, Key)による2人組ユニット。それぞれ音楽を志し上京したのち結成し、2003年にテレビアニメ「宇宙のステルヴィア」のオープニング主題歌「明日へのbrilliant road」でメジャーデビュー。1stシングルながらオリコン週間シングルランキングで15位をマークし、瞬く間にアニメソングシーンで存在感を示す。以来「蒼穹のファフナー」シリーズ、「アスラクライン」、「K」シリーズなど、多くの人気アニメの関連楽曲を担当。また「Animelo Summer Live」やアメリカの「SAKURA-CON」、カナダの「CANADIAN NATIONAL EXPO」、フランスの「Japan Expo」など、国内外の大型アニメ系イベントにも多数出演する。2014年には5月にアニメ「シドニアの騎士」のオープニングテーマ「シドニア」を発表。この曲は同年、アニメファンが選ぶ「アニメーション神戸賞」で主題歌賞を受賞した。2016年5月に山梨・河口湖ステラシアターで行われたデビュー13周年記念ライブを成功させ、同年8月にアルバム「LOVE & CARNIVAL」を発表した。また2017年3月4日には自身初の東京・日本武道館単独公演を開催する。

fripSide(フリップサイド)

コンポーザー&プロデューサーの八木沼悟志と声優としても活躍するボーカルの南條愛乃からなるユニット。2009年、テレビアニメ「とある科学の超電磁砲」のオープニングテーマ「only my railgun」をリリース、ゴールドディスクを獲得し、アニソン界での立ち位置を確立。2010年に1stアルバム「infinite synthesis」、2012年12月には2ndアルバム「Decade」をリリースし、2014年9月に3rdアルバム「infinite synthesis 2」を発表。2013年5月リリースのテレビアニメ「とある科学の超電磁砲S」のオープニングテーマ「sister’s noise」でオリコンウィークリーチャート1位を達成した。また2015年3月1日に横浜アリーナにて行われた「fripSide LIVE TOUR 2014-2015 FINAL in YOKOHAMA ARENA」を全席完売。さらに同年5月に「Luminize」、12月に「Two souls -toward the truth-」、2016年2月に「white forces」という3枚のシングルリリースを挟み、本年10月5日に4thアルバム「infinite synthesis 3」を発表した。10月末からは全国14カ所を巡る全会場ホールツアー「fripSide concert tour 2016-2017 -infinite synthesis 3-supported by animelo mixを展開。そして2017年3月18日にはツアーファイナルであり結成15周年突入を記念した埼玉・さいたまスーパーアリーナでの単独公演を開催する。