提供曲をもとにツアーのストーリーを描く

──シングルの初回限定盤にはMONGOL800「小さな恋のうた」のカバーが収められています。こちらは“歌ってみた”動画で1000万回以上以上再生されている曲ですが、今回のシングル収録に当たっては再度録音し直しているんですよね？

はい。動画を投稿した時と同じバンドメンバーと再度生音で録音して。 “歌ってみた”の文化がまさにそうなんですけど、カバーから入って原曲を知る、みたいな機会って少なくないと思うんです。僕はこの「小さな恋のうた」が学生時代からずっと好きで、ライブとかでも歌わせてもらってるんですけど、いつか僕の「小さな恋のうた」がきっかけで、モンパチさんのことを知ってもらえるような存在になれたらなって思っています。

──歌い直してみて、何か感じたことはありますか？

“歌ってみた”の動画より、天月-あまつき-らしい感じになっているかもしれません。原曲がバンドサウンドだからエッジの効いた歌い方をもともとしてたんですけど、ライブで歌っていくうちにもうちょっと優しく歌ってもいい曲なんだなってことに気付きまして。大好きだからこそ歌い込んで自分のものになってると思います。

──通常盤には奥華子さんの提供曲「君が待つあの丘へ」が収録されています。この曲は天月-あまつき-さんのツアー「今夜、君が待つあの丘へ」のテーマソングでもありますが、どういう経緯で奥さんに楽曲をお願いすることになったんですか？

毎回大きなライブをやるときには公演にストーリーを持たせるようにしてるんですけど、今回は「星と恋愛」をテーマにしようと考えていたんです。テーマに沿った曲をどうしようか考えているときに奥華子さんに会う機会をいただきまして。「恋の歌」っていうと僕の中で奥華子さんのイメージが強かったので、メチャクチャ緊張しながらも「ぜひツアーのテーマソングを書いてください」って直接お願いしたんです。そうしたら本当に素敵な曲を書いていただいて、この曲をもとにライブの脚本を書いたんです。

──曲ありきでライブのストーリーが決まったんですね。奥さんにはどういうオーダーをしたんですか？

具体的に「こういう曲を」とお伝えしたわけではなくて、奥華子さんのどういう曲が好きかとか、今まで僕が歌ってきた曲はどういうものか、みたいな話をさせていただいて。どういう曲にするかはお任せしてたんですけど、いろいろ考えてくださったみたいで、すごく僕の思い描くイメージにピッタリな曲だと思いました。

──アレンジは天月-あまつき-さんの友人でもあるkainさんが担当してるんですよね。

そうなんです。kainくんも奥華子さんに曲を書き下ろしてもらったことがあって。僕のことをすごく理解してくれてる友人でもあるので、一緒にやれたらいいなと思ってアレンジをお願いしたんです。何度も何度も話しながら詰めていって、素晴らしい曲に仕上がりました。

やりたいことが多すぎる

──先ほど話題に出たツアー「今夜、君が待つあの丘へ」のほかにもアルバムのツアー、ロンドンや韓国でのライブ、melostとしての海外公演ツアー、「XYZ TOUR」への参加など、今年は天月-あまつき-さんにとってライブが充実した1年だったと思います。

アルバムも作れたし、今年は僕にとってはやりたいことがやれた1年だったので、来年はちょっと経験値を高める時期かなと思ってるんです。音楽を通じていろんなところから影響を受けた1年だったので、それを吸収する期間というか。楽器の演奏、作詞作曲、ダンス、演技とこれら全部をスキルアップする1年にしたいです。

──まだまだやりたいことがいっぱいですね。

それだけじゃなくて、新しいドラマもアニメも観たいし、雑誌買ったのに読めてなかったり、ギターも弾きたいし、写真を撮りに行きたいし……やりたいことが多すぎてもうどれをやればいいんだ！って感じなんですよ（笑）。時間が足りません。

──日々が充実している証拠だと思います。

あ、来年はフェスとかに出てみたいですね。今年はテレビ局のお祭りとかに呼んでいただく機会があって、普段会えないお客さんと出会うことができたので、そういう機会を増やしていきたいです。