ファンの叫び声を慌てて録音
──本作に収録された楽曲群を改めて眺めてみるとどんな特色があると思います?
Yoshi 私はすごく聴きやすい曲がそろったなっていう印象がありますね。メロディラインが複雑な曲はそんなになくて、比較的シンプルなものが多い。
トキ サウンド的な振り幅はすごく広くて、激しい曲に関してはちょっと初期のAldiousっぽさも感じるんですよ。アルバムで言うと1枚目の「Deep Exceed」とか、2枚目の「Determination」あたりの荒っぽい雰囲気が音色やフレーズに出てると言うか。だからどこか懐かしい感じもしたんですよね。よっしーの曲なんかはまさにそういう雰囲気があるんだけど。
Yoshi 基本的には自然と自分から出てきたものを曲にしているので、特に意識はしてないんですけどね。普段からよく聴いてる曲が影響したのかな。
──ツアー中に生まれた作品として納得できる部分もありますよね。タイトル曲であり、新たなライブアンセムになるであろう「We Are」なんかは特に。
トキ ああ確かにそうですね。「We Are」につながる「Intro」に“We Are Aldious!”っていうお客さんのかけ声が入っているんですけど、あれって高知県でライブしたときのアンコールの呼び込みで自然発生したものなんですよ。その段階で「We Are」という曲は作り始めてて、“Aldious!”っていう叫び声をファンの方からオフィシャルサイトを通じて募ってたんですけど、アンコールの前にお客さんが叫んでいたから、慌ててステージ袖からRe:NOちゃんがiPhoneで録音して。それをそのまま音源でも使うことにしたんです。そういう意味ではツアー中じゃなかったら、また違ったアレンジになってたかもしれないですね。
Yoshi Re:NOがTwitterでハッシュタグ「#WeAre」「#Aldious」を使ってることもあるので、たぶん高知の方はそれを叫んだんだと思うんですけどね。あの日のライブに来てくれてた人はCDを聴いてビックリするんじゃないかな。
トキ 「俺の声やん!」ってなるよね、きっと(笑)。
──そんな「We Are」と次の「Persevere」は共にYoshiさん作曲ですね。
Yoshi 今回はアレンジャーさんにギターのアレンジをしていただいたところもあるので、AldiousのYoshiらしさに加え、今までにない新たな引き出しも開けられた気がしますね。
トキ 「Persevere」はめっちゃよっしーらしいよね。よっしー節が出てる。私はギターバッキングを刻む速い曲が好きなんで「待ってたぜ!」って(笑)。楽しくレコーディングしました。激しいサウンドの上に流れるように乗るメロディはRe:NOちゃんの声にすごく合っていて、ライブでは「We Are」とは違った感じで盛り上がるんじゃないかな。
トキ、Re:NOと登った富士山の思い出
──トキさんは今回、「Absolute」「Never give up」「愛しい男」の3曲を手がけられていますね。どの曲も歌謡曲っぽいメロがすごく印象的でした。そういう要素はAldiousがもともと持っているものだとは思うんですけど、また新たなテイストを感じたと言うか。
トキ そうですね。Re:NOの声って歌謡曲っぽいメロディにすごくハマると思うんですよ。なのでちょっと実験的な感覚で、新しい雰囲気のメロを付けてみました。
Yoshi どれもトッキーっぽい曲ですよね。キメが多くて、跳ねるようなメロディの「Absolute」なんかは特にそう感じます。私はキメをあまり作らず、流れるように展開していく曲を作ることが多いので、そこはよく差別化ができているなと。
トキ あと「Never give up」は応援ソング的な内容になっているんですけど、これは今年の8月にRe:NOちゃんと2人で富士山に登ったときのことを思い出して作曲したんですよ。つらいこともあるけど、前を向いてがんばれば夢は叶うよっていう気持ちを込めて。そうしたらRe:NOちゃんがその通りの歌詞を上げてきてくれて。細かくイメージのすり合わせをしたわけじゃなかったんですけどね。
──そこはもう富士山を共に登った2人だから通じ合うものがあったんでしょうね。
トキ そうだと思います。富士山を登るときにこの曲があったらきっともっと楽に登れただろうなー(笑)。結局12時間かかりましたからね。山頂まで行って下りてくるまでに。
──Re:NOさんとトキさんが山登りしてると、だいぶ目立ちそうですよね。
トキ 外国人の方が多かったからか、大丈夫でしたよ。って、そもそも日本人に見られてないって言う(笑)。最初の受付では英語版のガイドブックを渡されましたから。「いやいや、ジャパニーズ!」って言ったら、「あーすみません」みたいな。今度はみんなで登りたいですね。よっしーも一緒に。
Yoshi 私は海派なんで、山があんまり好きじゃないんですよね。大変な思いして山頂まで行っても果たして楽しいのかなって。
──「Never give up」聴きながら登ればいいじゃないですか。
Yoshi 私は車で5合目まで行くだけでいいかな(笑)。
次のページ »
柔軟でチャレンジングだからこそ
- Aldious「We Are」
- 2017年11月29日 / Radiant A / VAA
-
限定盤 [CD+DVD]
3024円 / ALDI-017 -
通常盤 [CD]
2484円 / ALDI-016
- CD収録曲
-
- Intro
- We Are
- Persevere
- Absolute
- Never give up
- ここにいる不在
- 愛しい男
- Happy Birthday
- Travelers
- 限定盤DVD収録内容
-
- We Are(Music Video)
- Go Away(Music Video)
- Without You(Music Video)
- The Making of "We Are"
- 梅華(Live)from “Live Unlimited Diffusion”
- Aldious「“Unlimited Diffusion Tour” ファイナル」
-
- 2017年12月1日(金)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2017年12月2日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2017年12月27日(水)東京都 新木場STUDIO COAST
- Aldious(アルディアス)
- 2008年に大阪で結成されたガールズメタルバンド。幾度のメンバー交代を経て、現在はYoshi(G)、Re:NO(Vo)、トキ(G)、サワ(B)、Marina(Dr)の5人で活動している。“アゲ嬢”の要素を取り入れたドレッシーなビジュアルコンセプトで、日本における“嬢メタル”シーンを牽引。2010年に洋楽を専門に扱うインディーズレーベル・Spinningと初の邦楽アーティストとして契約を結び、シングル「Defended Desire」を発表する。10月に発売したフルアルバム「Deep Exceed」はオリコンの週間インディーズランキングで1位を記録。12月に大阪・心斎橋CLUB QUATTROで行った初のワンマンライブではチケットを完売させた。2014年にはライブイベント「BRAVE METAL HEART」を開催。第1弾でEARTHSHAKER、第2弾でOUTRAGEとのツーマンライブを行い、成功を収めた。2015年にMarinaが加入し、現体制での第1弾シングル「die for you / Dearly / Believe Myself」を発表。同年12月にはアルバム「Radiant A」をリリースした。2016年には「SUMMER SONIC 2016」「LOUD PARK 16」「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016」などの大型フェスに出演。2017年5月に6thアルバム「Unlimited Diffusion」を発表した。年末までに47都道府県を回るワンマンツアーを開催しており、ツアーの合間を縫って完成させた新作ミニアルバム「We Are」を11月29日にリリースする。