昨年6年ぶりに活動再開した175Rが、4月5日に7年ぶりのニューアルバム「GET UP YOUTH!」をリリースする。今作には新曲12曲と、槇原敬之「遠く遠く」のカバーを収録。初回限定盤には「ハッピーライフ」「SAKURA」といった代表曲6曲の再録バージョンを収めたCD「175R(e) BEST」が付属する。
音楽ナタリーではSHOGO(Vo)にインタビューを実施し、175Rの活動休止から活動再開までの歩みを振り返ってもらったほか、“Back to the 90's”をイメージして制作したというパンクロック色の強いアルバム「GET UP YOUTH!」について話を聞いた。
取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 後藤壮太郎
亡くなった仲間に175Rのライブを観せたかった
──昨年10月、175Rは約6年ぶりの活動再開を発表して大きな話題を集めました(参照:175Rが6年ぶりに活動再開、復帰ライブは「骸骨祭り」)。まずは再始動に至ったきっかけをお聞きしたいなと。
昨年末に幕張メッセで行われた「SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り」で活動再開後初ライブを行ったんですけど、イベント開催の3、4年前にイベント主催者であるアパレルブランド・SKULLSHITの大滝(哲也)さんに「ブランドの20周年をバンドで祝ってもらえないか」ってオファーをもらったのが活動再開のきっかけでした。だいぶ先のことだから、やれるんじゃないかと思ったし、お祝いをしたかったから、「やります」っていうのをまず二つ返事で返して。
──その際は、ほかのメンバーとも活動再開について話したんですか?
話してないですね。僕の独断で返事をしました。ISAKICK(B)とYOSHIAKI(Dr)は僕のソロプロジェクトのライブに参加してもらってたし、つながりはあって。でもKAZYA(G)は福岡に移住していたので、会うこともなくて……そのときは全員でバンドができるような状況ではなかったですね。そのあと2015年に昔からお世話になってる方が亡くなって、お別れ会でメンバー4人がひさしぶりに集まりました。
──そこで「活動再開しよう」という話になったんですか?
そうですね。これ、“活動休止したバンドあるある”だと思うんですけど、亡くなった人との最後の会話って「早く観たいよ」「もう1回観たい」「いつやるの?」とか、そういうことだったりするんですよ。それを思い出したときに「やっぱり観せてやりたかったな」「一緒にイベントやりたかったな」と思って。ニューアルバム「GET UP YOUTH!」には、そういう思いを形にした「シャナナ」が収録されています。
活動休止後、1人ロンドンで“荒療治”
──活動再開はSHOGOさんから言い出したんですか?
僕から言いましたね。なんとなくですけど、メンバーは「ついに言ってくれたか」みたいな感じだったと思います。
──そうなんですね。
メンバーはこれまでも175Rを再始動させたかったと思うんです。どちらかと言うと、僕が活動再開に対してあまり乗り気じゃなかったから。
──正直なところ、活動休止もSHOGOさんの思いが強かった?
そうですね。9割9分ぐらい僕かな(笑)。「もう1回考え直してくれ」っていうメンバーもいたし、「SHOGOがそう言うなら仕方ない」っていうメンバーもいました。でも休止するときは、僕が精神的にあまりよくない状態だったから、メンバーもスタッフも「仕方ない」みたいなところはあったんじゃないかな。
──それは音楽に対する気持ちが、ということですか?
音楽でしょうね。やっぱり長く1つのことを続けていくといろんなことがあって。このまま続けると、大好きな音楽を嫌いになるんじゃないか、みたいな思いもあったし。誰に言われて始めたものでなく、唯一自分で始めてここまで長く続けて来れてるもので、大好きな趣味であり仕事だったんですけど、あまりそのときは音楽をできなかったですね。
──2010年末の175Rの活動休止後、2011年からSHOGOさんはロンドンに留学されましたね。
とにかくすべてから離れたいっていう思いでした。日本にいると結局なんかしら話が来ると思うし、音楽をやるという流れになりそうな気がして。
──ロンドンで過ごした日々はどんな時間でしたか?
楽しかったですよ。日本にいたら、同じようにバンドをやってる仲間たちが活動してる中で1人止まってるわけだから、いろんなことを考えすぎちゃうと思うんです。ロンドンは言葉とか生活とか、環境が全部違って、余裕も生まれない。だからまあ、荒療治みたいな感じですかね。でもその期間を過ごせてすごくよかった。
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今まで出会った人たちが背中を押してくれた
- 175R「GET UP YOUTH!」
- 2017年4月5日発売 / EMI RECORDS
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初回限定盤 [2CD]
3780円 / UPCH-29246~7 -
通常盤 [CD]
2700円 / UPCH-20444
- DISC 1
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- 歓びの詩
- これから
- Weakness
- ROMAN ROAD
- トカイノネオン
- シャナナ
- Walk your way
- 君にまで
- 1999
- 4seasons
- 遠く遠く
- Restarted
- 新世界
- DISC 2(初回限定盤のみ)
-
「175R(e) BEST」
- ハッピーライフ
- 空に唄えば
- YOUR SONG
- 僕の声
- 「手紙」
- SAKURA
- 175R 活動祭開!青き春の野音!
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- 2017年4月8日(土)東京都 日比谷野外大音楽堂
- 2017年4月15日(土)大阪府 大阪城音楽堂
- 175R(イナゴライダー)
- 1998年、SHOGO(Vo)を中心に北九州で結成。地元でライブ活動を展開すると共に、KEMURIやLA-PPISCHといったメジャーバンドと共演し、ファン層を拡大する。2003年にシングル「ハッピーライフ」でメジャーデビュー。同作と、同年リリースのシングル「空に唄えば」が共にオリコン週間CDシングルランキング初登場1位を記録した。この年の大みそかには「NHK紅白歌合戦」に出場。2004年には初の東京・日本武道館公演を行った。2007年に結成10周年目に突入したことを記念し、初のベストアルバム「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック」をリリースし、初の47都道府県ツアーと海外公演を実施。2010年2月にメジャー6thアルバム「JAPON」をリリースしたのち、同年の12月より無期限の活動休止期間へと突入。およそ6年間の休止期間を経て、2016年12月に活動を再開する。2017年4月には7年ぶりのフルアルバム「GET UP YOUTH!」を発表。さらに東京・日比谷野外大音楽堂と大阪・大阪城音楽堂で「活動祭開!青き春の野音」と題した6年ぶりのワンマンライブを開催する。