見習いたい役者は柴田恭兵さん
──ドラマでは「ぶっせん」、映画では「サマーソング」以来の主演作でしたね。座長として特別な意識はありましたか?
「サマーソング」のときも思ったことなんですけど、やっぱり自分の演技のことばかり考えていればいいわけじゃないなって。周りのキャストのお芝居とか、スタッフさんがどう動いているかを見るようにしていましたね。今回は特にみんなで作ったっていう意識が大きくて。主演というよりは、僕も俳優部の一員として現場になじんでいた気がします。
──引っ張っていくタイプの座長ではない、と。
ないですね、完全に。引っ張ってもらって、「がんばりまーす!」って言う感じ(笑)。
──これから主演作がどんどん増えていくと思いますが、理想とする座長像はありますか?
「みんなでがんばろうよ!」って口に出して引っ張っていくのではなく、自分がきちんと芝居をすることでついてきてもらえるようになりたいと思ってます。いい意味で緊張感を作れる役者というか。
──これまで経験した現場で、見習いたいと思うような役者さんはいましたか?
2年くらい前なんですけど、「さらば あぶない刑事」でご一緒した柴田恭兵さんは超カッコよかったです。長年やってきているチームだからってこともあると思うんですけど、スタッフの皆さんも「恭ちゃんがそう言うなら!」っていうテンションなんですよ。みんなが柴田さんを信頼して、愛しているのがすごいなと思いました。あんまりおしゃべりする方ではないんですけど、ずーっとスタッフさんの動きを見ていて。カメラ位置がここにあるから、こう見せたほうがいいっていうのを誰よりも意識している。座長をやらせてもらうにはこういう人間になるべきだなって、柴田さんを見ていて感じました。
天智役が山田裕貴くんでよかった
──先ほどみんなに引っ張ってもらったとお話がありましたが、今回の現場でリードする役割はどなたでしたか?
山田裕貴くんと大倉士門くんが、現場を回してくれました。ムードメーカーみたいに盛り上げてくれたし、空き時間に話をしてるときも2人が中心になってくれて。僕はそこに乗っかる(笑)。
──山田さんとは本格的な共演は初めてでしたよね。印象はいかがでした?
山田くんは、芝居に関して熱い人なんだろうなあって思っていたんです。そしたら……本当に熱い人でした(笑)。すごく助けられたんです。撮影終わりに毎回ホテルの部屋で本読みを手伝ってもらって。劇場版には友一のかなり長い説明ゼリフがあって、どれだけ練習しても頭に入らない、みたいな追い込まれた状況だったんです。だから僕がそれを覚えるまでずーっと付き合ってもらいました。天智は「劇場版2(仮題)」で友一と終始一緒にいる重要な役っていうこともあるし、天智役が山田くんでよかったなって思いました。
──スケジュール的にはかなり大変だったと伺いました。2016年12月に、約1カ月間で3部作を撮影されたんですよね。
そうなんです。深夜12時に撮影が終わってそのまま2時間くらい山田くんと本読みして、次の日朝5時起きだったり。そうなると睡眠時間は2時間くらいでした。
──そんな時期に「HANDSOME FESTIVAL 2016」にも出演されて(参照:ハンサムは好きかー!!神木隆之介や吉沢亮ら俳優25人、ファン感謝祭で歌って踊る)。
そうなんです。追加公演の日はもう、ヤバかったですよ(笑)。朝まで撮影が続いていて、そのまま東京に帰って、仮眠を取ってライブに出るみたいな。当時は必死でしたけど、今思うとあれはマジで地獄でした。ははは(笑)。
──そんな状況であのパフォーマンスをされていたとは驚きです!
MCではバイブスの話ばっかりでしたけど(笑)。もう、とにかくアドレナリンがバンバン出てたんです。
──ヒロイン役の内田理央さんとも初共演でしたね。
内田さんとはまず本読みでお会いしたんですが、そのときにすっごい……モコモコした服を着てたんですよ。だから本当に女性らしい方っていう印象だったんです(笑)。話してみたら天然で面白いところもあるし、僕たちが話しているところへも普通に入ってきてくれるような、男女の壁なく接してくれる方でした。
──映画ナタリーでキャスト発表のニュースを出したとき、ファンの皆さんからのコメントで多かったのが「特撮出身俳優が集まってる!」というもので。「仮面ライダーフォーゼ」の吉沢さん、「仮面ライダードライブ」の内田さん、「海賊戦隊ゴーカイジャー」の山田さん、そして「仮面ライダー鎧武」の久保田悠来さんが集まっていたわけですが。
確かに! あんまり意識しないですね。ただ今回はCGが多かったので、1回内田さんと「ライダーの撮影を思い出すね」って話しました。あと内田さんが男性キャストと分け隔てなく接せられるのは、男だらけの特撮の現場で1年間撮影してきたからだと思います。
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好きな友達にはベタベタしちゃう
- ドラマ「トモダチゲーム」
- 2017年5月24日発売 / キングレコード
- 映像特典
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- メイキング前篇 / 後篇
- ドラマ「トモダチゲーム」プロモーション映像 30秒 / 15秒
- 「トモダチゲーム 劇場版」予告編① / ②
- ストーリー
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幼い頃、母親に“金より友達”と言って育てられた主人公・片切友一。両親に先立たれ、バイトで生計を立てる身となりながらも、彼は4人の友達と楽しい高校生活を送っていた。しかしある日、クラスの修学旅行費200万円が盗まれる事件が発生。さらに友一たち5人は何者かに襲われ、目が覚めると白い壁の部屋に閉じ込められていた。案内人マナブくんの話によると、5人のうち誰かが2000万円の借金を返済するため、「トモダチゲーム」への参加料200万円を支払ったという。そんな彼らを、第1ゲーム「コックリさんゲーム」が待ち受ける。クリアの鍵は“友達を疑わないこと”。しかし過酷な状況下で、友一たちは次第に疑心暗鬼になっていき……。
- スタッフ / キャスト
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原作:山口ミコト・佐藤友生「トモダチゲーム」(講談社「別冊少年マガジン」連載)
監督:永江二朗
脚本:永江二朗、佐上佳嗣
主題歌:天月-あまつき-「Mr.Fake」
エンディングテーマ:上野優華「友達ごっこ」
キャスト:吉沢亮、内田理央、山田裕貴、大倉士門、根本凪(虹のコンキスタドール)、上野優華、天月-あまつき-(声)、久保田悠来ほか
- 映画第1弾「トモダチゲーム 劇場版」
- 2017年6月3日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー
- ©山口ミコト・佐藤友生/講談社 ©2017年「トモダチゲーム」製作委員会
- 吉沢亮(ヨシザワリョウ)
- 1994年2月1日生まれ、東京都出身。2011年に特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の仮面ライダーメテオ / 朔田流星役で注目を浴びる。2013年に「ぶっせん」でドラマと舞台に初主演。主な出演映画に「アオハライド」「さらば あぶない刑事」「オオカミ少女と黒王子」などがあり、2016年には「サマーソング」で映画単独初主演を果たした。2017年7月14日公開の実写映画「銀魂」に沖田総悟役、10月21日公開の「斉木楠雄のΨ難」に海藤瞬役で参加。2018年公開の「リバーズ・エッジ」には山田一郎役で出演する。2nd写真集「One day off」(ワニブックス刊)が発売中。
2017年8月21日更新