欲望の枯渇を感じたことはないですね

──10月27日に発売される「絵巻」シリーズの第3弾「おもらしっ娘絵巻」は、今までにないテーマで、ネット上でも話題になっていました。社内で企画を出されたときは、みなさんどんな反応だったんでしょうか。

それはもう、冷たーい目で見られましたよ（笑）。会議には当然女子社員もいますので。「責められ少女」も「拘束少女」も「オンナノコになりたい！」もそうでしたけど……。基本的に社内の会議は、企画書を出して私がプレゼンをして、その後みんなが叩き合う、いや、検討し合うんですけど、私が資料を配って、「おもらしをしている女の子、いいじゃないですか！」って熱弁すればするほど、サーって引かれるんです（笑）。

──周りの人は何も言わなくなるんですね（笑）。

ええ。ちなみに「絵巻」シリーズは、社内では「土方変態」シリーズと呼ばれています。

──でもセールスはちゃんとついてきているわけですよね。

ええ、もちろん先ほども申しましたように、同人誌ではなく会社の企画なので。当然、全く目算がないまま作ってしまってはだめですよね。ちゃんと調べて数が出るものは出します。例えば「おもらしっ娘絵巻」の企画会議で、「おもらしを好きな人は、全国で8万人いるんです！」とか。あ、この数字はフィクションですよ（笑）。

──目算を立てて、自分は欲しいけど世の中に出ていないものを作るのがヒットの秘訣ということですね。自分の欲望の枯渇を感じることはないんですか？

「あ、やばい枯渇するな」っていうのは、あまり感じたことはないですね。人間の欲望って無限じゃないですか。しかもこういうのって、性癖と直結しているところなので、余計に。例えば「女装少年」というジャンルの本をひとつ作ったら、また次に新しく読みたいものが出てくるんです。「おもらしっ娘」も、「拘束少女」「責められ少女」を作ってきた中で生まれた、M路線の延長線上にあるものなので。そりゃ、私だって毎日おもらしのことを考えて生きてるわけじゃないんですよ！（笑）

──ははは（笑）。

「おもらしの本があったらいいな」って、ある日ふっと思うんです。まだ世に出てないものなので、世間からどういう評価をいただくのかはわかりませんが。あとは会社がどこまで許してくれるのか。会社との勝負ですね（笑）。