ナタリー PowerPush - 柳原可奈子
珠玉の「○○な女」が勢揃い 初単独ライブの裏側を語る
ファン待望の初単独ライブ「見せたがり女」を7月に開催した柳原可奈子。ブログ中毒の母親や、「自分がいなければ仕事が回らない」と忙しぶるキャリアウーマンなど、身近にいてもおかしくない濃厚な女性たちを次々に演じて観客の絶賛を浴びた。VTRネタや新ネタも満載だったこのライブの模様が早くもDVD化され、9月21日にリリースされる。
今回、お笑いナタリーでは、DVD発売を目前に控えた柳原にインタビューを敢行。初単独ライブの舞台裏はもちろん、日頃のネタ作りや現在の課題まで多岐にわたるテーマで話を聞いた。
取材・文/遠藤敏文 撮影/中西求
そろそろネタをやりたいなって渇望していた
──7月の初単独ライブを終えてみて、まずは率直なご感想を。
すごく緊張したし、すごく稽古もしたんで、今は本当に気が楽ですね。ずっと遊びにも行けなかったから、最近はほかの人の単独ライブばっかり観に行ってます。でも、だんだん次回作への意欲も出てきて、「またやりたいな」と思いはじめました。
──ネタ作りの期間を含めると、単独ライブの準備期間は何カ月くらいありましたか?
半年近くはかかったかな……。でも初めてのことなので何カ月前から準備していいのかわからなくて、結構いろんな芸人さんに話を聞いて回りました。「どれくらいかかるんですか?」って。私の場合は台本から1人で書くので、聞いていたよりも結構かかりましたね。
──このライブは新キャラが次々に出てきましたね。
「爆笑レッドシアター」(フジテレビ系)で出したキャラクターはちょっと入れましたけど、基本的には新ネタをお披露目しようと思って。「レッドシアター」も含めて、ちょうどネタ番組がバタバタバタって終わって、やる機会も見てもらう機会も本当になくなったので、いいタイミングではあったと思いますね。そろそろネタをやりたいなってずっと渇望していたので。
──どこかでネタを見てもらいたいという気持ちがあったんですね。
ずっと思ってました。コントやってる時の自分が好きなので。
──しかも今回それが初DVDになるということで。
もう本当に。子供のようなDVDです(笑)。やっぱりライブに関しては1分も飽きさせたくないと思っていて、着替えやメイクもしたかったので、幕間のVTRを全部きちきち詰めて入れたんですけれども。そういうVTRも全部入っているので、ものすごくボリュームのあるDVDになったなと自分で思ってます。手前味噌ですけど。
──このDVDは相当お金がかかっているように見えます。
あははは! それがそうでもないんですよ。
──VTRでロケに出たり、衣装やメイクも全部変えていたので。
そうですね、いろんなところに出ていって。でも屋内の撮影は基本事務所の稽古場とかで、衣装も私服で撮ったりしたので、そんなに経費はかかっていないはずです。手間暇はかかっていますけど。
今持っているものを全部見せよう
──今回のライブは「○○な女」と題したキャラの濃い女性が次々に出てくるという構成でしたね。
まずはストレートを投げてみようと(笑)。あんまり自己満足っぽく凝ったものにしたくなかったというか、お笑いライブに初めて来た人でも観られるような内容にしたかったというのが大きいです。地方から観に来てくれた人にも「これが観たかった。ギャルのネタも観れてよかった」って言ってもらえるようなライブにしたかったので。
──直球勝負でドーンと。
ドーンと。今持っているものを全部見せようと。やりたいと思ってることを全部バンバンバンと矢継ぎ早に見せようっていうのが狙いです。映像とかもわかりやすくキャッチーにして、ポップにして、っていうことをものすごく考えました。
──タイトルも「見せたがり女」ですもんね。
そうですね。「○○な女」っていうのは最初にやりたくって。「じゃあ私は……?」って胸に手をあててみたときに「見せたがり女」だったからそうしました(笑)。
──実際プライベートでも見せたがりなんですか?
あはは! 割とねー、見せたがりではないかなー。「秘めたがり」です、どちらかと言うと。
──でも舞台では……
見せたがりでしたねー。
──今回のライブではやらなかったことで、ほかにはどのような構想がありましたか?
もう1つ考えたのは、すべての登場人物が知り合いという構成で……。たとえば、1つ目のネタで「○○さんっていう友達がいてね……」ってセリフがあったら、その「○○さん」で1つコントを作って伏線を張って繋げるのもいいなって考えたんですけど、複雑になるのでやめました。いずれはお芝居チックなこともやってみたいし、舞台の構成として全部が1つに繋がっているようなライブもやってみたいなと思ってます。
柳原可奈子(やなぎはらかなこ)
1986年2月3日、東京都生まれ。2005年デビュー。「笑っていいとも!」「ペケ×ポン」(ともにフジテレビ系)などにレギュラー出演中。太田プロダクション所属。