ナタリー PowerPush - ウレロ☆未確認少女

話題のシチュエーションコメディ舞台裏を大公開!

カタレ☆未確認少女 佐久間宣行+オークラ+土屋亮一 座談会

お笑いファンの心をくすぐって止まないこの「ウレロ☆未確認少女」の仕掛け人、佐久間宣行、オークラ、土屋亮一。毎回ふんだんに仕掛けを盛り込み、全12話の完璧な完結に向けてひた走る3人に、この番組の成り立ち、台本の作り方、収録の様子などについて語ってもらった。「コントが好き」「芸人が好き」「演劇も好き」「アイドルも好き」「アニメも好き?」──そんな彼らがこの番組に注ぐ愛情を会話の端々から感じてほしい。

佐久間宣行

テレビ東京のプロデューサー。「ゴッドタン」「ピラメキーノ」など数々のバラエティ番組を担当している。

オークラ

放送作家。「ゴッドタン」「ピラメキーノ」のほか数多くの番組を始め、東京03らの舞台も手がけている。

土屋亮一

劇団「シベリア少女鉄道」代表。「戦国鍋TV」などの台本にも携わっている。

番組立ち上げの経緯

左から佐久間宣行、オークラ、土屋亮一。

──この番組ができるまでの経緯を教えて下さい。

オークラ 佐久間さんがずっと昔からコントやりたいって言ってて。俺もずっとシチュエーションコメディやりたいなって思ってて、2人で話したんだよね。

佐久間 そうそう。で、東京03とバカリズムともそれぞれ現場で会ったときに「何かやりたいね」って話をしてて。彼らとあとほかの芸人さんたちも絡めてやりたいなと思ってた中で、2011年の10月からだったら劇団ひとり、バカリズム、東京03が揃うっていう奇跡的な状況が急にわかったんで、もう1回会社にかけあったんです。

オークラ そしたら8月くらいに、10月か1月のどっちかだったらできるかもって話が。

佐久間 そのときみんな1月だったらいいなって思ってました(笑)。

佐久間宣行

──今回の見どころには早見あかりさんの出演がありますね。

佐久間 最初女性を入れようってくらいは決めてたんです。

土屋 いろいろ候補は出てましたよね。

オークラ 早見さんも候補には入ってたんですけど、ただ16才というのがあって。

佐久間 毎週本番をしなきゃいけないし、芸人たちのスケジュールが合うの平日だし。あと、早見さんは若いから、あんな百戦錬磨の芸人どもの中に放り込まれてもできないんじゃないかなと思ったので、もうちょっと年齢が上の方に変えようかと。けど、早見さんが出てる「市民ポリス69」とか見たら「できるんじゃないかな」っていう気持ちもあったんです。そしたらマネージャーさんから「本人が話を触りだけ聞いて、どうてもやりたいって言ってる。やる気がすごくあるので、チャンスがもらえたら嬉しいです」ってお話いただいて。じゃあもう。

オークラ いってみるかって。

佐久間 ギリギリまで悩みました。早見さんもいきなりのドラマというかバラエティでこんな猛者どもに囲まれて大変だと思う。

オークラ 16才が。たぶん30才超えてる俺でもあそこで一緒にやれって言われたらやだ(笑)。

土屋 嫌ですね。

佐久間 ほんとにやだと思う。

オークラ 最初に早見さんが本読みに来られなくて、その後に初めて本読みするっていうときに、大丈夫かなってドキドキしてたら、あまりにもできるんで、もう度肝抜かれて。

佐久間 そうそうそう、ビックリしちゃった。だって、芸人チームは1回別日でやってるんですよ。後日立ち稽古を初めてやってみるときに早見さんが合流して、軽く本読みやったら「あれ」って。立ち稽古もやり始めたら、呼吸とか間がすごくいいので、バカリズムが「あれ」って顔になったから、「これはイケるな」って思いました。

オークラ すごくて。俺「何なの?」って聞いちゃいました。

佐久間 最初の掛け合いでバカリズムと爆笑とってたから。

オークラ ビビってないんですよ。本人はビビってるのかもしれないですけど、そういう感じがしない。楽しんでやってる感じなんですよね。

佐久間 最近コントロールの仕方がわかってきたというか、大変なことがあるときは、すごく心配したふりすると絶対にちゃんとやってくるんです。今日なんてセリフたくさんあるんですけど、「別日でリハーサルなくて大丈夫? 大丈夫?」って何回も言ったら、「大丈夫ですけど」って。今日ガッチリセリフ頭に入れてくると思います。

オークラ えー、ちなみに僕ら彼女のそういうとこわかんなかったですけど(笑)。

土屋 ちゃんと会話してるんですね。僕らは嫌われないレベルの会話をしようと(笑)。

ストーリーの作り方

──毎回番組ではさまざまな仕掛けが散りばめられてどんどん展開していきますが、ストーリーはどのように作っていくのですか?

佐久間 プロットは3人で組み立てて、それを元に担当が台本を書いてきて、それをみんなで話し合ってブラッシュアップしてもう1回書いてくる。で、当日リハーサルをやって、リハーサルでの変更点を3人で話し合ったり、それぞれが直したり、っていうやり方です。

オークラ

オークラ 担当は最初打ち合わせで決めました。それぞれ得意ジャンルもありますし。土屋くんは芝居の色があるからそれも生かしつつ。

佐久間 僕は2話と4話で土屋くんの色を出してほしいってもう決めてました。4話はシベリアの一番得意な、なんていうんですかね、「外していいからもう全部ぶっこんでよ」ってことをお願いして。2話は曲ができるっていう内容で、“伏線を回収して曲ができる”という土屋くんの得意なパターンでお願いするという発注でした。

土屋 そうですね、2話はわりといけたんですけど、4話で結構気負っちゃって。

佐久間 13稿とか14稿とかくらいまでいったよね。

土屋 そもそも何をやるのかって結構わからなくなったり。

佐久間 こっちからもアイデア出したり、千本ノックみたいなもんでしたね。

オークラ あーでもないこーでもないって。

土屋 そうですね、あのときは生みの苦しみがすごくありましたね。

オークラ 僕もやっぱり、自分の担当じゃなくてもすべての話に愛情あるんで、「こうしたほうがいいんじゃないの」っていう感じのことは、まぁ気持ちもわかるんで、あんま傷つけないように言ったり。

土屋 ははははは(笑)。オークラさんの書いてる回は芸人さんが生き生き動かれてますよね。やっぱり芸人さんの近くでやってきた方なりの方法論みたいなものがあるのかなと思いました。

土屋亮一

オークラ 勉強になった?

土屋 勉強になりました。

佐久間 誘導尋問(笑)。

──そうしてできあがった台本ですが、毎回収録後に次週の本読みをされて、その時点から修正は出るんですか?

佐久間 すごい出ます。

オークラ 僕はほかの番組でやった感じだと少ないほうです。

佐久間 そうなんですって。「もっとこうしたほうがここが面白いんじゃないか」ってことで毎回大幅に直したりしてるんですけど、悪い直しということではもちろんなく。

オークラ 協力的な感じがしますね。「ここはこういうのがやりたいんだな」っていうのは、演者さんたちもちゃんと把握してくれるんで。

佐久間 今回は出てる演者さん全員が全員を「できる」って認めてるから、エゴがぶつかり合うことがないんですよね。これが明らかに「俺はできるけど、あいつはダメだな」って1人でも思ってたら、そこに齟齬が出てくる。たまたまこのメンバーは仲がいいだけじゃなくて、ちゃんと実力を認め合ってるから、そこで揉めることはないです。

──リハーサルの様子はいかがですか?

佐久間 今は、だいたい何回くらいのリハーサルをやると自分たちの中に練りこまれていくっていうのがみんなわかってるから余裕が出てきたと思います。

オークラ 人格がちゃんと形成されてきたね、キャラクターとしての。だからやりやすいと思う。「こいつだったらこういうことするな」っていうのが本人たちも見えてきてる。1回目は遠慮がちだったから、もう探り探り。

佐久間 DVDのメイキング見てもらえばわかるんですけど、1回目は本番でセリフが飛ぶんじゃないかって不安感に全員ずっと襲われたんで、ずっとピリピリしてるんですよ。今は結構ゆったりめにいろんなボケを試していって、ランスルーで一旦台本に戻して、本番で取捨選択してアドリブをぶっ込むっていう感じがなんとなくできてます。それまではリハを全部本意気でやってたんですけど、今は早見さんが来るまでは芸人チームは流れとカメラを確認しながら、アドリブを入れてって「どれがハマるかな」っていうのを試す余裕ができてます。メイキング絶対面白いですよ。飯塚さんが「俺無理だ、無理だ、ねぇオークラ、オークラここに書いていい?」ってずっと泣き言言ってます。白い壁だからシャープペンで書いてもバレないじゃないかとか(笑)。

──みなさんから見た番組の見どころをお願いします。

オークラ 全12話で、1話1話それぞれ笑いのパターンが違うんです。僕らも作っててすっごく体力を消耗するんですけど、その12回の構造の違いっていうのをぜひ見てほしいです。この番組は、シチュエーションコメディをお笑い芸人がやるっていうことの、マックスなハードルだと自分では思っててて、笑わさなきゃいけないという使命の中で戦ってるので……みなさん、優しい目で見てほしいなと(笑)。楽しむつもりでぜひ。

土屋 芸人さんもスタッフさんも「面白くしよう」とギリギリまで粘り強く本番直前までやってらっしゃるので、こもってるものがすごくいっぱいあると思います。だからぜひ何度も見てほしいです。

佐久間 DVDボックスには、全話とUFIのラジオとか曲とかが全部入っていて、実は全部がちゃんとリンクしてるんです。1話1話の仕掛けだけじゃなくて、こことここがこんなふうになってんだとか、大掛かりな全体のリンク感なども作ってるので、通して何回でも見ていただくと、たくさん面白い発見がありますよ。あと、あのメンバーで、早見さんもいて、ももクロも入ってもらって、その中で僕らも最終話に向けて「面白いものを作る」っていうそこのメッセージがうまく伝わるといいなと思います。

ウレロ☆ブルーセレブ~前説コンビが見た現場の裏側~

ライブ感満載のこの番組収録に欠かせないのが前説。笑い声や拍手がそのまま収録されるこの番組では、観客の温かい空気がとても重要だ。その大役を担っているのが、人力舎所属、結成5年目のブルーセレブ。彼らが見た現場の裏側とは。

僕らが言うのも何なんですが、台本に無駄がないといいますか。フリにもなっててボケにもなってて、ほんとにすごいんです! それに対して僕らの前説は反省が多かったですよね……。1回目の前説が一番反応良かったような気がします。終わる頃には「ウレタ☆ブルーセレブ」になったらいいけどなぁ。

ハエロ☆内間一彰 ツッコミ担当、茨城県出身。

フリを回収する作業もすごいんですが、さらにみなさんの演技力が半端じゃない。前説では僕がもう楽しくなっちゃって、余計なことまで言っちゃったなと……。でも僕がTwitterパトロールしたところ、温かい意見の方が多いですよ。ブルセレポリスがちゃんと見張ってますからね。

ヤセロ☆丸山雄史 ボケ担当、千葉県出身。

まずは入門編として第1話&第2話と特典映像を収録した「DVD号外版」を先行発売!

DVD「ウレロ☆未確認少女 DVD号外版」 / 2011年12月22日発売 / 1980円(税込) / テレビ東京 / TXRS0021 / ローソン・HMV・テレビ東京 限定発売 / HMV ONLINEへ

  • HMV ONLINEへ
ローソンのLoppiでも取扱中
Loppi番号 063390

12/14まで予約受付
※商品は12/22よりお渡し

Loppi番号 011397

12/16から取り扱い
※商品は申込みから6日後お渡し

本編収録内容
  • #1 「ツドエ☆未確認少女」
  • #2 「ナオセ☆未確認少女」(いずれもディレクターズカット版)
特典映像
  1. 早見あかり、ニイルセン(美術総監督)による@川島プロダクション紹介
  2. #1「ツドエ☆未確認少女」、#2「ナオセ☆未確認少女」メイキング
  3. 爆笑!! 記者会見映像
  4. 『みらくる』『ALONE』唄:角田バージョン
  5. 『みらくる』『ALONE』唄:UFIバージョン
  6. 待ちきれない人必見! DVD-BOXの見どころをちょっとだけ紹介!

本編全12話と超豪華特典映像をふんだんに収録した「DVD-BOX」も発売決定!

DVD-BOX「ウレロ☆未確認少女 DVD-BOX」 / 2012年2月29日発売 / 1万5960円(税込)/ テレビ東京 / TXRS0022 / ローソン・HMV・テレビ東京 限定発売 / HMV ONLINEへ

  • HMV ONLINEへ
ローソンのLoppiでも取扱中
Loppi番号 074425

2012/2/21まで申し込み受付
※商品は2012/2/29よりお渡し

本編収録内容
  • 全12話(全話ディレクターズカット版)
豪華10大特典(予定)
  1. 収録直後の反省会レポート(♯1~12)
  2. 豪華メイキング完全版
  3. UFIの未確認ラジオ 全10回分を完全収録!
  4. UFIの新たな未確認楽曲!?
  5. 劇団ひとり、バカリズム、東京03、佐久間Pによるニコ生実況放送
  6. UFIによる次回予告全集
  7. ALONE~「じょしえん」バージョン~(仮)
  8. 豪華新撮!まぼろしの第13話「コクレ☆未確認少女」(仮題)
  9. 出演者オーディオコメンタリー(話数限定)
  10. 封入特典:UFIステッカー

その他スペシャル特典映像も追加収録予定

「ウレロ☆未確認少女」とは?

仕掛け人は「ゴッドタン」などを手がける佐久間宣行プロデューサー。脚本はオークラとシベリア少女鉄道の土屋亮一が担当している。コントをこよなく愛する彼らが出演者陣に投げかけるストーリーは、毎回見事な仕掛けの連続。セリフや動きの随所に散りばめられた伏線が視聴者を毎週アッと言わせている。UFIのラジオや楽曲で声を担当しているのは早見が所属していたアイドルグループ・ももいろクローバーZ。奇抜な企画でアイドル界を騒然とさせているももクロとの絶妙なコラボも見ている人の心をくすぐり、お笑いファンを越えて大きな話題を呼んでいる。

さらに注目すべきは、番組がほとんど編集なしの一発収録ということ。出演者たちは朝からぶっ続けでリハーサルを行い、夜には観客の前で30分弱のコメディドラマをやり通さなければならない。毎回本番に向けて徐々に緊張感の高まるスタジオだが、そこにはお笑い魂のぶつかり合いが。限られた時間の中で、ボケどころを見つけるやいなや挟み込まずにはいられない者と、そこにしっかり食いつく者。芸人としてのプライドをかけたギリギリのせめぎ合いが、まさに本番まで繰り広げられている。

出演: バカリズム / 劇団ひとり / 東京03 / 早見あかり