さらば青春の光・森田、朗読劇「CONTELLING『親の奢りで』」実力派声優と目指すコントの新境地

さらば青春の光・森田が脚本、演出を担当する朗読劇「CONTELLING『親の奢りで』」が3月13日(日)に千葉・舞浜アンフィシアターで上演される。

room NB(ソニー・ミュージックエンタテインメント)とホリプロインターナショナルが共同で立ち上げた「CONTELLING(コンテリング)」は、コメディを朗読で楽しむ新たな朗読劇ブランド。「コンテリング」とは「コント」と「ストーリーテリング」をかけ合わせた造語で、“笑いのプロ”が手がけた本格コントを、実力と人気を兼ね備えた“声の芝居のプロ”である声優が演じるという化学反応が見どころだ。

お笑いナタリーではこの幕開けを飾る第1回公演「とりあえずウーロン茶」(2019年上演)にコント作家として抜擢され、第2回となる今作でも筆を執った森田にインタビューを実施。さらば青春の光でのコント作りとの共通点や違い、そして本企画で新たに挑戦していることについて聞いた。

取材・文 / 狩野有理撮影 / 玉井美世子

CONTELLING「親の奢りで」

日時:2022年3月13日(日)14:00開場 15:00開演 / 18:30開場 19:30開演(※配信あり)
会場:千葉・舞浜アンフィシアター

配信視聴料金:一般3900円 / auスマートパスプレミアム会員3400円
※システム手数料:200円
配信チケット販売期間:3月4日(金)12:00~3月21日(月・祝)21:00

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脚本・演出
さらば青春の光・森田

出演
梅原裕一郎 / 榎木淳弥 / 坂本千夏 / 関智一 / 日笠陽子 / 森久保祥太郎

自分たちがやるよりうまい!声優によるコント

──このところ、森田さんのお名前をドラマや映画に関するニュースでもよくお見かけしますが、ついに朗読劇の脚本まで。“コント”を武器に活動の幅を広げていますね。

そうなんですよ。もうくまなく行ってやろうと思ってます、エンタメ界(笑)。隅々まで携わっていきますよ。

──「コントの職人を呼ぼう」という企画の立ち上げで名前が挙がるというのは、さらば青春の光としても栄誉なことなのでは?

ねえ? ただ「僕でいいんかな」とは思いましたよ。今ってけっこう芸人が脚本の仕事をしていますけど、言っても「脚本をやっている芸人」として認知されている芸人って一握りじゃないですか。そこに僕は入っていないと思うんです。つまり単純にさらば青春の光のコントを見て選んでいただいたということで、それはありがたいなと。選んでいただいたからには全力でやろうと思いました。

さらば青春の光・森田

さらば青春の光・森田

──オファーを受けた際はどんなお気持ちでしたか?

僕はアニメや声優さんに詳しくないので、少し心配はありました。でもせっかくお声がけいただいたので僕でよければという感じで取り掛かってみたら、これがわりとしんどくて(笑)。前作「とりあえずウーロン茶」ではオープニングとエンディングの表題コントを含めて8本書いて、いやーしんどかったと一息ついていたら、まさかの「もう1回やりませんか?」と。

──おかわりが(笑)。

おかわりしていただいて。運営さん的には1回目がよかったと思っていただけたんでしょうね。

──前作についての私個人の率直な感想ですけれど、「完全にさらばじゃん!」と思いました。

そうですね(笑)。特に書くことを変えているわけではないので。

──さらば青春の光のコントだけど、達者な声優さんたちが軽快に演じているというのが不思議な感覚で。森田さんは客席でご覧になったそうですが、いかがでしたか?

お客さんとして観る余裕はなくて、頼むからウケてくれ!ってドキドキしながら観ました。声優さんたちをスベらせるわけにはいかないので……。でも面白かったですね。朗読劇とはいえ、舞台で見ると生ならではの迫力もあるんですよ。ちょっと顔とかも作ってくれて。それが「朗読」としてルール違反なのかはわかんないですけど(笑)、笑いにつなげるために全力でやってくれていました。あと、当たり前ですけど滑舌がめちゃくちゃいいからめちゃくちゃ聞き取りやすい。「ようこんな早口でいけるなあ!」みたいな、感心しながら観ていていました。正直、自分たちがやるよりええんちゃう?と思いましたね。

さらば青春の光・森田

さらば青春の光・森田

さらば青春の光・森田。「脚本家」をイメージして撮影。

さらば青春の光・森田。「脚本家」をイメージして撮影。

芸人の“間”と声優の“間”、いいバランスで

──朗読劇にコントを提供するということで、意識したことはありますか?

なるべく情景がわかるように、セリフで事細かに書きましたね。普段のコントより丁寧に。

──演出面で重きを置いたことは?

声優さんって声のプロ、そして演技のプロでもあるので、最初からさほど不安はありませんでした。ただ、やっぱりコントの“間”がどうかなというのは気になっていて。声優さんの間って、たぶん“速い”んですよ。で、僕らのコントは“遅い”んですよ。そこは読み合わせしながら、ちょうどいいバランスの間を探りました。前回は4公演あったので、毎公演「ここはこう言いましょうか」と少しずつ修正もさせてもらって。僕らの単独ライブはいつもこういうやり方で、公演期間中は「ここあかんかったから変えようか」っていう作業をずっと続けているんですが、そういうのにも声優さんたちが快く、柔軟に対応してくれてありがたかった。中盤くらいからはもう大丈夫だと安心して観られました。

──声優さんたちは終演後どんな様子でしたか?

達成感は漂っていた気がします。僕も含め、みなさん初めての試みやし。自分的には「これウケ弱いな」とか細かい反省はありましたけど、総じて楽しかったなーと。こういう企画もありやなという手応えはありました。

(スタッフ) キャストの声優さん方も「また呼んでほしい」とおっしゃっていました。

さらば青春の光・森田

さらば青春の光・森田

──声優さんと仕事をしてみて、どんな印象を持ちましたか?

達者な人たちやから、こっちの意図を全部汲み取ってやってくれるんですよ。それがすごいと思いましたし、あとはやっぱり、芸人より数倍真面目やなって思いました。

──どういう部分でですか?

僕が話したことをみなさん書き留めてくれたり、「ここってこう言ったほうがいいですか?」と聞いてくれたり。すっごい真面目に取り組んでくれているなと感じました。芸人はそんなことないんで。早く終わればいいとだけ思っているので。

──(笑)。一方で、本番ではアドリブもかなり出ていたとお聞きしました。

そうですね。後半になってくるとセリフを覚えちゃうみたいで、「え、今“朗読”してませんでしたよね?」みたいな瞬間もありました(笑)。ガンガン台本から目を離していて。声優さんたちもコントを楽しんでくれてるんやなと、頼もしかったです。