さらばではやったことがないコントの書き方
──森田さんご自身は2020年10月、キャストとして別の朗読劇に出演しています。この経験は今回生かせそうですか?
そのときは、「言いやすいように(セリフを)変えていいですよ」と言っていただいてはいたんですが、台本的には容赦なく来るんですよ、言いにくい言葉がバンバン(笑)。書く側として「これくらい容赦なく言ってええんや」と思ってしまったので、今回は一応、遠慮なく書かせていただきました。しかも演じるのは僕じゃなくて声のプロですからね。どんだけ難しいワードを放り込んでもやってくれるので、惜しげもなく入れさせてもらおうかなと思っています。
──前回もそうでしたが、今作のキャストも豪華な面々です。
- 梅原裕一郎
「ゴブリンスレイヤー」(ゴブリンスレイヤー役)、「ディズニー ツイステッドワンダーランド」(レオナ・キングスカラー役)など - 榎木淳弥
「呪術廻戦」(虎杖悠仁役)、「機動戦士ガンダムNT」(ヨナ・バシュタ役)など - 坂本千夏
「となりのトトロ」(メイ役)、「少年アシベ」(芦屋アシベ役)など - 関智一
「PSYCHO-PASS サイコパス」(狡噛慎也役)、「ドラえもん」(骨川スネ夫役)など - 日笠陽子
「けいおん!」(秋山澪役)、「SHAMAN KING」(麻倉葉役)など - 森久保祥太郎
「メジャー」(茂野吾郎役)、「弱虫ペダル」(巻島裕介役)など
だから、あんまり声優さんに詳しくなくてよかったなっていう(笑)。まだそんなに緊張してないです。だからあんまり言わないでください。すごい人たちと思わないようにしてるので。
──レジェンド級の方もいれば、今まさに人気急上昇という方もいて。このキャストが揃ってコントするなんて……。
言わないでください! ウッてなるんで(笑)。
──脚本は現段階(インタビューは2月9日に実施)で、どのくらい完成していますか?
もうちょっとだけ待っていただきたいなという感じですね。骨組みはなんとなくできてきました。骨組みできれば大丈夫なんで。(筆が)走るんで。
──すでに発表になっていますが、公演タイトルだけは先に決めなければならないわけですよね。
そうですね。前回はなんとなく僕が日頃思っていることをタイトルにして、そこからコントを作ったんですよ。
──ご自身がお酒を飲めないことから、「とりあえずウーロン茶」。
はい。今回も僕が日頃思っていることとして「親の奢りで」というタイトルを付けたので、そこからコントを作って、1本目に持っていこうかなと思っています。
──「親の奢りで」からどんなコントが生まれるのか楽しみです。ちなみに今までタイトルからコントを作ることはありましたか?
ないですね。そういう芸人もいるのかもしれないですけど、僕は特にないです。もう完全に設定からなので。
──森田さんとしても新しいコントの書き方にチャレンジしていると。さらに複数人が登場するコントというのもさらばではないことですよね。
大人数のコントは、楽しさもあり、難しさもあります。全員においしいところが行き渡るよう心がけてはいますが、そうじゃなかったりもするので。エキストラとしていてほしいという人もいますから。ただ、「こういうキャラも出せるな」「こんな奴がいたらおもろいな」と考えていく楽しさはありますね。
メモ帳に残された設定が日の目を見る
──コントの題材は「CONTELLING」のために集めたものですか?
これ用もありますし、引っ張り出してくることもあります。2人やったら絶対できへんような設定も思い浮かぶことがあるので、普段から一応メモっているんですよ。
──さらばではできないと思っていたコントを披露できる場でもあるわけですね。
そうですね。日頃メモってきたものが日の目を見るというか。例えば子供の設定って僕らはあんまりやらないんですが、今回は子供のコントも用意しています。
──声優さんだからどんな役でもお願いできる。
そうなんですよ。気兼ねなくいろんなキャラクターを出すことができます。
──「CONTELLING」に携わってきたことで、さらば青春の光に何を還元できそうですか?
一番わかりやすいところでいうと、集客(笑)。これを見て面白いと思ってくれた声優さんのファンの方たちがこっちのライブに足を運んでくれるのが一番の還元やと思いますね。たくさんの方が観に来てくれるので、面白いと思ってもらえたらさらば青春の光もお願いしますよ、と。でも逆に、僕の脚本目当てで来てくれたお笑いファンも、あの声優さんいいなと思ってくれたらいいですよね。
──では最後に、読者へメッセージをお願いします。
朗読劇というものはあまり観る機会がないと思うんですが、僕らのコントを好きな人なら絶対に楽しんでいただけるはずなので、気軽に足を踏み入れてみてほしいです。声優さんのうまさも生で体験してもらえたらと思います。
プロフィール
森田哲矢(モリタテツヤ)
1981年8月23日生まれ、大阪府出身。2008年8月に相方・東ブクロとさらば青春の光を結成。第1回大会から出場してきた「キングオブコント」では通算6度決勝に進出している。2019年10月期放送のドラマ「猪又進と8人の喪女~私の初めてもらってください~」(関西テレビ)でドラマ初主演を果たし、脚本監修も担当した。主演映画「大阪古着日和」が2022年秋に公開予定。ザ・森東所属。