LLR福田&今泉潤プロデューサーが語る「誰ガ為のアルケミスト」|ゲームが生んだ絆、タガタメ芸人たちの歩み

LLR福田、シンガリ西島、マヂカルラブリー村上、チーモンチョーチュウ菊地といった多数の芸人がスマホゲーム「誰ガ為のアルケミスト(以下タガタメ)」に熱中している。彼らはゲームがリリースされた2016年頃より“タガタメ芸人”を名乗り、公式の配信番組やイベントに積極的に参加。ゲームユーザーにとって今やすっかり馴染みの顔となっている。

お笑いナタリーでは、タガタメに関するこれまでの活動を振り返ってもらうべく、LLR福田、タガタメを手がけた今泉潤プロデューサーに話を聞いた。単なるゲームの一ファンだった福田たちが、今泉Pが信頼を置く“タガタメ芸人”となったその過程とは。

取材・文 / 塚越嵩大 撮影 / TOWA

「誰ガ為のアルケミスト」とは?

全世界1100万ダウンロードを突破した大人気アプリゲーム。重厚なストーリーと戦略性の高さを誇るタクティクスRPGの最高峰。7つの国家を舞台に、個性豊かな7人の主人公の群像劇が描かれる。プレイヤーはフィールド上でキャラクターを操作し、敵とバトル。地面の高低差やキャラクターの向きといった要素が絡み合った戦略的な駆け引きを楽しめる。

やってみたらまんまとハマった

──福田さんが「タガタメ」を知ったきっかけを教えてください。

左からLLR福田、今泉潤プロデューサー。

LLR福田 後輩芸人のシンガリ西島が「福田さんだったらハマるかもしれません」って勧めてくれて、やってみたらまんまとハマっちゃって。仕事で関わるなんて当時はまったく考えていなくて、ただただ面白くてやり込んでました。

──どういったところに魅力を感じたのでしょうか?

福田 僕はもともとゲームが好きで、特に「タガタメ」のようなシミュレーションRPGがないかなって思ってたんです。そしたら、それにバッチリと当てはまるゲームが現れた。「こういう顔でこういう性格の女の子がいてほしい」と念じたら、まったく同じ人が出現したようなものです(笑)。

──そんな福田さんを含む“タガタメ芸人”たちが今泉プロデューサーと出会い、公式の仕事を請け負うようになった経緯は?

福田 シンガリ西島はタガタメ芸人の第一人者的な存在なので、まずは彼だけに配信の仕事が入ったんです。そしたら、ほかのタガタメ好きの芸人たちが収録現場に行っちゃって。完全に吉本芸人の悪い癖です(笑)。でもみんなを配信に出してくれたんです。

左からLLR福田、今泉潤プロデューサー。

今泉潤プロデューサー いつの間にか何人もいた(笑)。最初から複数人を集めて“タガタメ芸人”って打ち出したわけじゃないんです。

福田 奇跡です。普通は建物にも入れてもらえないですから。

今泉P 一応言っておきますが、ちゃんと事務所は通してます。吉本興業さんはしっかりとした企業さんですので(笑)。

福田 僕は「我々はただ遊びに来ているだけなので、大人として介入しないでください」って吉本に言ってるんですけどね!(笑)

今泉P 最初に芸人たちが生配信に来たときは「エアプ(=にわかプレイヤー)だ!」とか「芸人が来てんじゃねえよ」みたいな批判は多かったです。「タガタメ」ユーザーはしっかりとゲームを楽しむことを大切にしているので、呼ばれてゲームのことが何もわからないようなタレントさんは正直歓迎されないこともありました。1年間くらいは逆風が吹いてたかな。でも、その突破口になったのが福田さんだと思っていて……。

福田 ゲーム内のあるイベントで1回だけ僕が1位になったんです。そしたらユーザーが「こいつエアプじゃねえじゃん」みたいに見直してくれて。そこから僕がタガタメのいろはを初心者に教える“師範”みたいな役どころになって、そのあたりが分岐点になってます。

タガタメが繋いだ絆

──長きにわたってプロモーションにタガタメ芸人を起用し続けることにはどういった意図があるのでしょうか?

左からLLR福田、今泉潤プロデューサー。

今泉P 特に狙いはないんですよ。芸人さんもゲームを楽しんでくれていてこのプロジェクトも続いてますね。知名度で選んでいるわけではないんです(笑)。

福田 おいおい!

今泉P ようやくマヂカルラブリー村上さんの相方が売れたという(笑)。

福田 “じゃないほう芸人”ですいません(笑)。

今泉P 最初に芸人たちでタガタメを盛り上げようとしてくれたシンガリ西島さんは、リリースしてから半年後くらいには既にプレイしてくれていて。モノを作ってる立場からすると、やってくれるだけですごくうれしいんです。

福田 興味を持ってもらうことって難しいからこそ喜びがありますよね。

今泉P 僕はもともとドラマを作っていて、その話をするとすぐに「月9ですか?」って聞かれて……。深夜ドラマのこととか一般の方からすると関心がそんなにあるわけではないですから。その先のことを話しにくくなってしまいますよね。

福田 月9以外にもいろいろあるからなあ。

今泉潤プロデューサー

今泉P ゲームを作るようになってからも同じで、すぐに「パズドラ? モンスト?」って言われるし、その場で「やってみます」って言ってた人も結局やらないですよ(笑)。作ってる側からすると「手に取ってくれる」って一番うれしい。だからこそ、最初から僕のゲームをやっている人と一緒にお仕事したいなって思ったんです。ゲームって時間を取られるし、趣味嗜好が違うと本当に続かない。大切なのは、そのゲームが本当に好きな人たちのアイコンになってくれること。そうじゃないとユーザーにも受け入れられませんから。

──なるほど。周年のイベントには多数の芸人さんたちが登場していますよね。

今泉P 周年は、どんなに予算がなくてもタガタメ芸人全員を呼ぼうと思っています。ものいい横山さんや囲碁将棋・文田さんなんかは普段の配信番組ではなかなか声を掛けられていないんですけど、いまだにタガタメをやり続けてくれているから、義理と人情を感じています(笑)。やっぱり心から好きな人たちがやっているのが一番伝わるしユーザーの皆さんにも喜ばれます。

福田 タガタメ芸人は最初から仲がいいグループではなかったというのも肝(笑)。タガタメが繋いだ絆です。