北海道は広すぎる

──旅の中で楽しかったことは？

上杉　「食」ですね。寿都の食べ放題のカキが本当においしかった。過酷な旅の中で白ワインを飲んだりして、ここから先も何kmも歩くだろうにお酒を入れる感じの背徳感も含めて。次のカントリーサインを見つけると「その町の名物はなんなのかな？」って思うのもモチベーションにもなりました。いろんな地元の方との触れ合いも楽しかったです。誰とも触れ合わずに食事も現地のものを食べられなかったら、心は折れて荒んでいたかもしれないです。

──そんな中、大通公園への到着はハイライトだと感じました。

上杉　函館からスタートして、こんな言い方したらアレですけど、あまり知らない町を歩いてきたわけじゃないですか。札幌は自分の知ってるものがいっぱいあって、本来のゴールではないですが「帰ってきた！」という意味で1つのゴールでした。

マキタ　まったく別の国を歩かされてるみたいな感覚だった？

上杉　そうですそうです。

マキタ　俺、地元の山梨でも行ったことない場所ばかりだけど、まだ地元意識あるもんね。上杉くんが歩いてて「なんで知らない土地みたいな感じでしゃべってるんだろう？」って思ってたけど、まったく地元意識がないところも歩いてたのね。外国っぽい感じがしたのはそういうことか。北海道が広すぎるんだね。

上杉くんならとんねるずと簡単に絡める

──せっかくの機会なので、上杉さんからマキタさんにお聞きしたいことは？

上杉　自分は本業がバンドマンでありながら「ブギウギ専務」（現在は「流れ星雁太郎」に出演中）という1つの軸を持ってる。マキタさんって役者さんもミュージシャンもすごくしっかりされてるけど、もちろん芸人さん。それぞれの現場で気持ちの違いや使いわけはあるんでしょうか？

マキタ　俺の中では使いわけがない。ライブや物書きや役者の仕事は地続きで同じ人間がやってるから。ただ、唯一テレビに出るときは使いわけてるね。上杉くんは音楽もバラエティも1個の包丁で調理してるかもしれないけど、俺はテレビではもう1つの包丁を使ってなんとかしてる。大地くんみたいな感じだといいんだけど、役割的にそうもいかないのよ。テレビってそれぞれが持ってる本質を映し出すから。自分はテレビタレントとして上手だとは思ってない。むしろあなたのほうがすごいですよ。

上杉　えっ？ そうですか？

マキタ　バラエティで絶対通用しますよ。大地くんをまぶしく思うかもしれないけど、見てる人は同じエネルギーを感じてると思う。劣るものがあるとかまったく気にすることはない。僕はバラエティタレントとしては上杉くんや大地くんに負けてると思いますよ。あなただったら簡単にとんねるずと絡めますよ。

上杉　非常にありがたいですけど……それはなぜですか？

マキタ　出たとこ勝負の人間力。それをそのままストレートに出力できる、ということだと思います。

──最後に、お2人が今後共演することはありそうですか？

マキタ　それはぜひやりたいね。テレビでもラジオでもなんでもいいけど、やはりライブですよ。上杉くんたちも僕もやってるものに近いものがあるから、面白い仕掛けができると思う。それぞれが何年か前に絡んだときより、もっといい仕事ができるレベルにある。出会えてないお客さんに出会いたいです。

上杉　僕は去年ようやくメジャーデビューして、マキタさんと対バンもできるでしょうし、番組でも僕らじゃないとできないことがあると思う。どこかで混じっていければな、と思います。