NOTTVで新たなお笑いライブ番組「東京よしもとグランドスラム」がスタート。このライブでは、東京・ルミネtheよしもとや「よしもとExP」で活躍する芸歴10年以上の実力者たちが、東京・ヨシモト∞ホールを舞台に実力重視のネタバトルを繰り広げる。

開催期間は6カ月。最終的に行われる決勝戦では彼らの中からトップの芸人が誕生する。MCを務めるのは、まさに芸歴10年を超えてからブレイクした次長課長。果たしてこの中で一番面白い芸人の称号を獲得し、次に飛躍するのは誰なのか。お笑いナタリーでは記念すべき第1回目のライブの模様をレポートするとともに、オフショット写真を掲載する。

文 / 粟村香織　写真 / 河村正和（フォトプロ）

絶品ネタが目白押し

トップバッターのプラスマイナスは東京に進出して約1年。今年2013年の「R-1ぐらんぷり」では岩橋がファイナリスト入りという快挙を遂げただけに注目が集まるところだ。2人は「健康に気を付けないと」と言いながら、大阪仕込みの本気のどつき漫才で、若い観客がビックリするほど叩き合い会場を沸かせた。アームストロングのコントでは、寿司屋のカウンターを舞台に、客・栗山と店主・安村が絶妙な表情と間合いで見せる攻防戦に観客も釘づけ。サカイストは、デンペーのオシャレすぎる上着に会場全体が注目するなか、兄弟という関係性を活かした巧みなネタでそのギャップを見せつけた。まさに芸歴10年を迎えたこりゃめでてーなは、その意気込みを見せようというやりとり。福岡吉本出身のキャッチ!!は、ことわざをテーマに福岡弁漫才を披露した。

ロシアンモンキーは漫才で、しつこく「話を聞いてほしい」と川口に迫る中須が「ええ儲け話がある」とニヤリ。アップダウンはアホな少年・阿部の言動とそれを見抜く警官・竹森のドタバタコントを披露し、観客も笑いが止まらない様子だった。グランジは「ZONE 『secret base ～君がくれたもの～』にぴったりなショートストーリー」。観客、スタッフをも巻き込んでの感動ストーリーに会場はドッと沸いた。LLRは「有名になりたい」という伊藤に福田が付き合うも、伊藤は福田のペースに巻き込まれっぱなし。カナリアは輪唱したいボンをよそに安達の淡々とした美声が会場中に響き渡った。

この日2組目の兄弟コンビ・若月は、弟・亮の無邪気さで漫才の概念を破壊。イシバシハザマのシャバダバ劇場は、まさかのシチュエーションの連続に。今年から改名したブロードキャスト!!は、吉村のテンションも絶好調。レイザーラモンはHGのギャグとRGの持ちネタを融合し神格化するという唯一無二の漫才にチャレンジした。緑の制服が気になる九州地区私立全寮制男子高校ズは、森と秋月が岩本に言いたいことを歌で表現。トリを飾ったのはとろサーモンで、「石焼き芋」でおなじみのフレーズでどんどん壊れていく久保田に観客も思わず笑っていた。

トークコーナーも大盛り上がり

ネタは3つのブロックに分かれて行われ、ネタ終わりにはそのブロックの芸人たちのトークコーナー「これテッパンですか」を実施。次長課長・河本仕切りのもと、くじ引きで選ばれた芸人が「テッパントーク」を披露し、そのトークが本当にテッパンかそうでないかを次長課長・井上が判定していった。

こりゃめでてーな・大江の昔ワルかった同級生“ヒデくん”が開いてくれた誕生日パーティでの出来事、アームストロング安村が昔おばあちゃんに反抗した際に言われた一言、カナリア安達がジュニアと人違いした失敗談など、井上の「テッパン」認定が多数続く中、サカイスト・デンペーはトークの最後にオチではなく「バーイ！」で逃げ切り、井上から「保留」に。カナリア・ボン溝黒は祖父の話を持ち出すも、過去の悩み相談のような内容に全員キョトン。さらには付き合いの長い井上から「トーク中の『あのね』の数だけウソ」と暴露され、「判定もなし、下がりなさい」と一喝されてしまった。

また、イシバシハザマ石橋のお酒が大好きな嫁の話はシンプルながら「素晴らしい！」と次長課長が絶賛。また、河本、井上の2人も楽しそうに後輩イジりにいそしみ、1ブロック目にタイムオーバーでトークできなかった芸人を全員並ばせて同時にトークするなど、腕のある芸人たちがさらに先輩からのムチャぶりに振り回される貴重な姿に観客たちも手を叩いて喜んでいた。