お笑いナタリー PowerPush - バナナマン×東京03「handmade works live」

5人が語るユニットライブの舞台裏

今年2013年3月、バナナマンと東京03が新ユニット「handmade works」としてライブを開催した。東京のお笑いシーンを盛り上げてきた人気コント師2組による貴重なコラボレーションが観られるということもあり、チケットは即完売。ファンからの熱い要望に応え、このライブがいよいよ8月7日にDVDとして登場する。

東京・俳優座劇場にて行われた同ライブでは、バナナマンのコントとも、東京03のコントとも異なる、5人の個性が最大限に活かされたネタが目白押し。「プロジェクションマッピング」と呼ばれる映像技術を取り入れたオープニングから、ドラマチックな展開を見せる20分強の長尺コント、さらには体を張ったアグレッシブなネタまで、さまざまな笑いが凝縮されている。ライブの舞台裏を5人に聞いてみた。

取材・文 / 遠藤敏文 撮影 / 中川有紀子

誘っていただいてうれしかった(飯塚)

──今回のインタビューでは、ぜひお笑いナタリーにしか言わないようなことも盛り込んでもらえればと(笑)。

手前左から豊本明長、飯塚悟志、角田晃広、設楽統、日村勇紀

設楽 お笑いナタリーさんにしか言わないやつ、さっそく言いましょうか? なんと、角ちゃんが着てるTシャツはライブのTシャツなんですよ!

角田 みんな着てくるかなーと思ったんですけど、僕だけ(笑)。

──あははは(笑)。物販では、1人ひとりの顔がそれぞれプリントされたTシャツが話題になりましたね。無事に全員分売り切れましたか?

設楽 ここ(バナナマン)は売り切れで、結果こっち(東京03)もほぼ売り切れたんだよね?

飯塚 まあ……売り切れたというか……。

角田 回収というか(笑)。

飯塚悟志

飯塚 自分で買いました!(笑)

角田 けっこうな大金はたきましたね。

一同 あはははは!(笑)

設楽 毎回物販見に行って10枚買ってきたり。次に行ったらいきなり15枚とか買ってきて。

豊本 「こっそり買いに行こう」って(笑)。

設楽 どっさり買ってきたもんね。そのどっさりをミッドタウンに忘れてきたりして。

角田 あはははは(笑)。後日取りに行きました。

──今回のコラボはどういった経緯で始まったんでしょうか?

設楽 去年の暮れくらいですかね。「ゴッドタン」の収録後に俺がサトシ(飯塚)に、「なんかやる?」みたいな話をして。そこからです。

日村 年末か。早く決まったんだね。

設楽 バナナマンが20周年で春に何かやるかもしれないからって小屋だけは事前に押さえてたんですよ。当初は「全国ツアーみたいのやろうかなー」なんて言ってたんだけど、なかなかスケジュールが取れなくて。で、ほかの地域はもう行けないから、東京の小屋で何やろうかなって考えてたっていうのはあります。それで(東京)03も10周年っていうのがあったし、合同ライブみたいなのやりたいなって。

──声をかけられていかがでしたか?

飯塚 光栄でしたね、本当に。誘っていただいてうれしかったです。

稽古から笑っちゃうんですよ(角田)

──まずネタ作りはどのように?

設楽 「どんなのやろうか?」ってバーっと案を出し合って。「じゃあこれ書いて、こっちはこれ書くから」って分業みたいな感じにして、なんとなくある程度できてからみんなで集まるっていう作り方でした。でも、結局みんなで集まってからもずっと台本書いてたけどね。

──書きながら稽古していったと。

設楽 そうですね。稽古期間が2週間くらい?

飯塚 そうですね。ギリギリまで「ウレロ」の舞台(「舞台・ウレロ☆未公開少女」)があったんで。

設楽 「よーい、どん」って、みんなで集まってやるぞってなったときには、すでに時間がなくなってたんですよ。1週間くらい前だもんね。

──それほど時間がない中で、あのプロジェクションマッピングのオープニングまで練習したんですね。音に合わせてタイミングよく白いパネルを動かすのは難しそうに見えました。

設楽 そうですね。

飯塚 あの動きの指示が来たのも本当直前だったんですよ。

豊本明長

設楽 2日前とか。まあ、あれに関しては、こっちから頼んでるんで、できあがってくるっていうのは前々からわかっていたんです。ただ、動きを合わせるっていうのはバタバタだったよね。

日村 「簡単ですよ」とかって言ってたんだけど、全然簡単じゃないんだよね。

豊本 そうなんですよね(笑)。

飯塚 僕、初日に間違えましたもん。(パネルを)上げてなきゃいけないところを下げちゃったんですよね。「あ!」っていう(笑)。

角田 僕もたしか2日目に間違えまして。けっこう練習でできてたんですよ。だから間違えないだろうなっていうつもりで、初日飯塚さんが間違えたときに「何やってんだよ(笑)」なんて言ってたんですけど。まさかでしたね。僕も下げちゃってライトが当たって「あ!」っていう状態でした。

──バナナマンと一緒に行った稽古はいかがでしたか?

飯塚 いやー、勉強になりました。本当に。

設楽 ははははは(笑)。

飯塚 やっぱねー、違います。ものが違いますねー。

角田晃広

角田 稽古から笑っちゃうんですよ。お2人の演技とかコント見て。でも、最初は「おもしれえな」って思って笑っちゃうんですけど、そこから「すげえな」ってなってきちゃって。ちょっと笑えなくなってくるというか。

飯塚 だんだんね。

──バナナマンから見て東京03の3人はどうでした?

設楽 稽古は楽しかったよね。人数も多いから負担も減りますし。

日村 そう、負担が減るんだよ。

設楽 でも、やっぱね、思ったのは「真面目だな」と。お笑いに対して。ちゃんとやるし、時間も守るし。角ちゃんとか本当真面目でね、酔っぱらいで歩くシーンがあるんですけど……。

角田 ふふっ(笑)。

設楽 酔っ払って千鳥足で歩いてくるところを、すごい自主練をしてて。夜中に稽古場を外から見てたら、ゾンビみたいなのが廊下を行ったり来たりしてるんですよ(笑)。誰もいないところで。

角田 ちょうどいい距離感の廊下だったんですよ。

設楽 それを見た瞬間に、「あ、このライブは成功する」って。

一同 あははははは!(笑)

角田 いやー、恥ずかしかったですね。誰にも見られてないだろうと思ってやってたんですけど。

DVD「バナナマン×東京03『handmade works live』」/ 2013年8月7日発売 / 発売:ホリプロ / 販売:ポニーキャニオン
[DVD] 3990円 / PCBE-54219
収録内容
  • 工房
  • 手紙
  • 何でショー
  • 日村養鶏場
  • 手作りアニメ 手作り野郎 handmade workers
  • タカちゃんとバンと3人
  • ストリート
  • 逃げ癖のある男
  • ゲーム
  • 工房
バナナマン、東京03
バナナマン(写真左から2人)

左 / 設楽統(したらおさむ)
1973年4月23日生まれ、埼玉県出身。

右 / 日村勇紀(ひむらゆうき)
1972年5月14日生まれ、神奈川県出身。

1993年にコンビ結成。現在、「笑っていいとも!」(フジテレビ系)、「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京系)、「バナナTV」(テレ朝動画)などにレギュラー出演中。東海テレビで放送中のバラエティ番組「バナナ塾」がDVD化され、8月30日に2巻同時発売される。ホリプロコム所属。

東京03(とうきょうぜろさん / 写真右から3人)

左/豊本明長(とよもとあきなが)
1975年6月6日生まれ、愛知県出身。

中央/飯塚悟志(いいづかさとし)
1973年5月27日生まれ、千葉県出身。

右/角田晃広(かくたあきひろ)
1973年12月13日生まれ、東京都出身。

2003年にトリオ結成。2009年に「キングオブコント2009」で優勝。プロダクション人力舎所属。