ナタリー PowerPush - くりぃむナントカ
くりぃむしちゅー初冠番組がついにDVD化 伝説と化した“ユルグダ”収録の舞台裏を2人が語る
ほかの番組では見られない上田の表情
──「くりぃむナントカ」は、番組、または有田さんのユルグダ感が全開なのと同時に、上田さんのいろんな面も引き出した番組だと思うんです。たとえば「長渕剛ファン王」なら、初恋顔もそうですけど、長渕剛のそっくりさんを突然外国人と交代して上田さんのテンションを急激に下げさせるとか(笑)。仕掛人の有田さんから見て上田さんの新しい面を何割くらい引き出せたと思いますか? ほかの番組では見られない上田さんの表情もたくさん入ってると思うんですけど。
有田 うーん……。だから、そこらへんが上田も器用なんだと思うんですけども……。なんか上田っていっちょまえな顔でいっちょまえに司会とかしてるでしょ?
上田 ガッ!(笑)
有田 やれ「僕は常識人」だ、やれ「政治のことにも口出せる」とか……。
上田 いや、そこまでは俺、言ってないと思うんだけども……(笑)。
有田 前、竹中平蔵大臣と2人で番組やってたりしたでしょう? そういうのも「政治のこともかじってます」っていう表情でやってるんですよね。
──ええ。
上田 「ええ」じゃない!(笑)
有田 正直、僕からしたらそっちの顔のほうが嘘だろう! と思うんですよね。だってそうでしょ? 「お笑い芸人になりてえ」って言って、昔はとにかくケツ出したりとか、何かといやあパンツ脱いで。
上田 クアー(笑)。
有田 そんなヤツが! いっちょまえにね、モデルとか俳優さんつかまえて、もう俳優の先輩のようにエラソーにトークしてるっていう。
──(笑)。
有田 世の中のほうがどうかしてるんですよ! だから「くりぃむナントカ」で、変なカツラかぶらせてなんかやらせるとか、ビンタされるとかのほうがよっぽど普通の上田なんですよ! だから上田の表情を引き出すというより、本来の姿を取り戻すためにやってるみたいな。
「うんちく王」は全部嘘!?
──「くりぃむナントカ」では有田さんが仕切りやMC役で、上田さんはあまりやらなかったですよね。
上田 僕がMCしたのは、「ナンバー2選手権」がたぶん唯一かな? だいたいプレイヤー側でしたからね。ほとんどは参加者って意識でしたね。
有田 「N-1グランプリ」ですら、MC席にいても役割はほとんど参加者でしたからね(笑)。
上田 あれ、ネタフリの役だけだからな(笑)。
──割と意識して、あんまりしゃべらないように、とか?
上田 意識してってこともないんですけど、単純にね、その企画にどっぷり浸かってるんですよ。「ビンカン選手権」でも真剣に間違いを探してるし、頭でこういう展開を……とか、番組盛り上げるために、とかは考えてなくて。
有田 だからね、嘘なんですよ。「うんちく王」なんていうのは。
上田 (笑)。えー、ぜんぜん嘘じゃないですし、僕の本来の姿ですし。
有田 だから、全面的に気が利くじゃないけど、ツッコミの人間は全部にアンテナを張り巡らせてなきゃいけないでしょ? でも「ビンカン選手権」やって、上田は一生懸命探してるけど、ほとんど1ポイントの間違いしか当てられないんですよ(笑)。本当に洞察力ある人間だったら、1ポイントのところばっかり当てないですよ。だから、全部上田の嘘を暴いてるんですよ!
上田 いや、嘘じゃないんですよ?(笑)
有田 「オールナイトニッポン」※5 でもね、こんな好感度あるフリして、下ネタしゃべったりしてるじゃないですか。もう「オールナイト」なんて全編ウンコチンコ番組なんですから。それが本来の上田の姿なんです!
上田 違います違います。そんなことない。もう、「オールナイト」なんか苦痛でしょうがなかったです(笑)。
──(笑)。
有田 前も益若つばさを捕まえてね、(上田のモノマネで)「やっぱ自分がプロデュースした商品が売れるのはテンション上がるでしょお?」とか言うんですよ。ちょっと待てと。おまえ今まで何をプロデュースしてきたんだよ!? と。
上田 クァー! カー!(爆笑)
有田 本人が「私、実感ないんです~」とか言ってるのに「え~? そういうもんかねえ?」。
上田 カカカカカ!!(爆笑)
有田 「しゃべくり007」ならまだ僕が横にいるから「おまえ何か作ったのか、さも先駆者的に言ってるけど」って言えますけど、「おしゃれイズム」になったら垂れ流しですからね?
上田 垂れ流しっていうな!(笑) ……えー、(このインタビューの)原稿チェックは絶対しますので。
──(笑)。でも有田さんにしてもそうですし、そういう上田さんの、嘘じゃない本当の顔が見れる番組って、「くりぃむナントカ」と「オールナイト」だと思うんです。
上田 ん~……。ほかの番組が嘘だと言われてもぉ、困るんですけどもぉ……。必ず原稿はチェックしますから。絶っ対に!!
- ※5 くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン
2005年~2008年まで放送されていたラジオ番組。終了後の現在もファンの間では語り継がれるほどの人気を博す。フリートークやリスナーのハガキに下ネタが多いのも特徴だった。 « 本文に戻る
「くりぃむナントカ」は絶対復活させる
──(笑)。そのへんは、おふたりとしてはどうなんでしょう? どちらも終わってしまって……もちろん現在やっているレギュラー番組もすごく面白いんですけど、おふたりの中にはどこか使ってない筋肉がある、みたいな感じだったりもするんでしょうか?
有田 うーん……。まあ、その~、しょうがないっていう部分もありますからね。このご時世に……時代のせいにするのもアレですけど、お笑い芸人だから、お笑いらしくバカなことだけやってればメシ食えるっていう時代でもないんですよね。今は「全員集合」や「ひょうきん族」みたいな番組は難しいですし、もし、くりぃむしちゅーでなんか番組を始めましょう、ってなったとき、じゃあ最初にコントやって、次になんかくだらないことやって、とか、そういうバラエティがすぐにできるかというと、なかなか簡単にはできない状況ではあるんですよね。
──はい。
有田 だから上田も裏では「お仕事だ」と言ってますけど「おしゃれイズム」で……。
上田 ガハッ!(笑) 言ってません! 「お仕事だ」とは一言も! 言ってません!
有田 興味のない俳優と、興味のないモデルと一緒に……。
上田 言ってねえだろ!
有田 興味のないゲストとトークして……。
上田 おい! 興味あるよ!! もう絶対原稿チェックするからな!(笑)
──(笑)。
有田 まあ、番組名はね、言えませんけども……。
上田 おまえさっき言ったじゃねえか!
有田 それやってお金をたくさんもらえるっていうことでね。
上田 そんなにもらってねえよ!(笑)
有田 まあ……そういう時代になっちゃったんですよねえー(ため息)。
上田 なんで俺だけ魂売ったみたいな感じに持っていくんだ!(笑) ホントに興味ありますから!
──(笑)。今、不況でテレビ局はお金がないとか、深夜のバラエティは全部やめてしまう、みたいな話も聞こえてきますけど、やはり現場にいるおふたりもそういう難しさ、厳しさを感じていますか?
上田 でもねえ、こないだスタッフとも話したんですけど、そういうことはね、現場の人間にとってはいくら考えたところで健全な環境にはならないんでね。僕らはもう、番組を最大限楽しく良い方向に持っていきたいっていうことでやるしかないんですよね。お金のこととか局のことは、僕らが関知するべき話ではないと思うんですよ。
──ファンとしてはまた、「くりぃむナントカ」みたいな番組もやってほしいところなんですが……。
有田 ……でもね、「『くりぃむナントカ』が終わった」っていう気持ちは、僕も上田もないんです。スタッフも含めて。全員、終わったとは思ってない。
──おお。というと?
有田 時間帯変えて、またチャンスを見計らってね。どこかで絶対復活させようっていうのは、普通にみんなの前提になってますから。こうやってDVDを発売したり、今度特番もやったりするのはそういう気持ちでやってるんですよね。僕らなりスタッフなりが息切れしない限りはずーっと、永遠に続けていく番組だって思ってるんです。ゴールデンタイムに行ったときは玉砕しちゃいましたけど、そもそも視聴率とか、「お年寄りから子供まで楽しめる番組を作りたい」って発想じゃなかったですからね。単純に楽屋でゲラゲラ笑ったりとか、楽しそうだなっていうのをドンドン企画にしていったので、そういうところにまた戻ってバカバカしいことを堂々とテレビに乗せていくっていう形で、いつか再開しようと思ってますよ。ええ。
収録内容
- 第5回芸能界ビンカン選手権
- 第1回長渕剛ファン王決定戦
- 日本一早い! 流行語大賞2009
おまけ
- 記念すべき番組1回目のオープニングトーク&各コーナーの間に名物「3分足りません!!」を収録
- 「 第5回芸能界ビンカン選手権」には土田晃之、おぎやはぎ矢作兼によるオーディオコメンタリー
特典映像
- 大木アナ番組降板ドッキリ
収録内容
- 第1回N-1グランプリ
- ナントカ好感度クイズ! LOVE5
- 大木vs前田アシスタント決定戦パート1&パート2
おまけ
- 各コーナーの間に名物「3分足りません!!」を収録
- 「大木vs前田アシスタント決定戦パート1&パート2」には大木アナ、前田アナによるオーディオコメンタリー
特典映像
- ノリノリ堀越傑作選
- 大木vs前田のタマゴかけご飯対決
収録内容
- 芸能界ビンカン選手権 in 京都
- 第2回芸能界ナンバー2選手権
- 大木vs前田アシスタント決定戦パート3&ファイナル
おまけ
- 各コーナーの間に名物「3分足りません!!」を収録
- 「芸能界ビンカン選手権 in 京都」にはおぎやはぎ・矢作兼、次長課長・河本準一によるオーディオコメンタリー
- 「大木vs前田アシスタント決定戦パート3&ファイナル」には大木アナ、前田アナによるオーディオコメンタリー
特典映像
- 堀越vs小阪
- ナントカ変換 in 京都
- ますだおかだ・岡田 伝説の前説
くりぃむしちゅー
左/上田晋也(うえだしんや)1970年 5月7日、熊本県生まれ。
右/有田哲平(ありたてっぺい)1971年2月3日 、熊本県生まれ。
1991年にコンビ「海砂利水魚」を結成。2000年にコンビ名を「くりぃむしちゅー」に改名。現在、『シルシルミシル』(テレビ朝日・ABC系)『しゃべくり007』(日本テレビ・読売テレビ系)などにレギュラー出演中。ナチュラルエイト所属。
© 2009 テレビ朝日