お笑いナタリー PowerPush - バナナマン
最新単独ライブ「Love is Gold」徹底解剖
the Supernatural
疲れ切ったサラリーマン(設楽)がベンチで休憩していると、どこからともなく妖怪のヒムドン(日村)が姿を現し、一緒に遊ぼうとけしかける。サラリーマンは、もう昔のようには遊べないと断ろうとするが……。
──コントの中に泣ける部分が入っているっていうのは以前にもありましたけど、今回もやっぱり入っていて……。
設楽 これはお客さん、けっこう泣いてたよね。
日村 うん、今回は泣いた人多いんじゃないですか。最初に台本を読んだときに、これ絶対泣いちゃうんじゃねえかなって。俺らも読みながら「やべー、ちょっとこれいい話すぎんじゃん」って思ってましたもん。俺、若手の子と1回本読みしたんです。若手は本当にうっすら泣きましたから(笑)。
設楽 嘘(笑)。
日村 いい話すぎて。
──あはははは(笑)。
日村 そいつも昔から手伝ってるスタッフだから、ヒムドンを知ってるんですよ。余計愛着もあるんでしょうけど。
──ヒムドンは、5年以上前ですもんね。それを知らなくてももちろん面白いんですけど、過去に見ていた人は、さらにグッとくるという。
設楽 そうですね。今はDVDで観られるので、あらためて両方観てみるっていう楽しみ方はあるかもしれない。
──ホロリとくる要素は意識的に入れたりするものですか?
設楽 いや、そんなことはないです。お笑いライブなので、面白いっていうのが大前提なんですけど、そこまで絶対笑わせようっていうことに昔からあんまこだわりがなくて。やっぱりお話が面白いっていうのが一番だと思うんで。今回はたまたまいい話になっちゃった、ってことでしょうね。
日村 そうだね。
設楽 別に泣かそうと思って作ってるわけではなく、これはこういう話っていう。
日村 賞レースとかね、4分って決められてるってなると、そりゃもちろん笑いの量が多いほうがいいのかもしんないけど、そうじゃないし。しかもコントですからね。
設楽 何やってもいいんですもん。
日村 何やったっていいからね。
設楽 これは、この歳になったからこそできるようになったコントですね。この間(ま)とこの感じ出すのは、ちょっと若いときじゃ無理だった。
日村 そうね。やっぱ体ができてきてるよね、本当に。
設楽 昔からこういうネタをやってはいるんですけど、重みとか厚みとかは自分たちで思うと今のほうがいいんじゃないかって。面白いかはどうかは別として。
日村 そう、別。
設楽 このネタに関しては面白いと思ったからやったんですけど、単純に風俗嬢の悲哀みたいなのを出したかったっていう。要はプレイ外のトークの面白さですよね。風俗嬢が言ってることをかなり調べたんですけど、調べてみるといっぱいあるんですよ。このネタは風俗嬢の人に感想聞きたいです。
日村 俺も本当にそうなんだよね! これ風俗嬢に見てもらいたい。そういう人が一瞬見せる、ちょっと揺らいじゃう感じね。
設楽 あと、このネタだけ音楽がずっと流れてるんです。最初、雰囲気やイメージを伝えるために稽古場でEGO-WRAPPIN'の「色彩のブルース」を聴かせるっていうところから始めて(笑)。風俗嬢が妖艶な感じで踊りながら何か言うっていうイメージですね。
日村 コント中に曲がずっとかかってるのってあんまりやったことなかった。
設楽 そう。でもそういうのがやりたいなってのもあったし。やっぱ雰囲気は……。
日村 音があると入るよね。
設楽 赤えんぴつは、やらないときもあるんですけど、結構な比率でやってますね。他のネタは、かなりきっちり決まってるんですけど、唯一遊べるというか。めちゃくちゃやってもいいネタなんで、やってると気持ちいい。よく観に来てくれてる人はわりと知ってるし、初めて観た人にとっては異様なネタという(笑)。
──歌を作るのはネタ作りとはまた違いますよね。
設楽 そうなんです。歌はちゃんと作らないとボケが成立しないので。前振りがめちゃくちゃで、歌がある程度うまかったり、いい歌だったりするっていうのが1個のボケ。そういうイメージで作ってるネタですね。赤えんぴつは、やってて面白いし、音楽ネタだからずっとやれてるのかもしれない。
日村 絶対そうだよね。
設楽 普通のネタだったら、こんなずっと長くやってたら、なんで毎回それやってんだよってなっちゃうから。
日村 そうそうそうそう。
──赤えんぴつの曲はどちらが作曲されているんですか?
設楽 基本、俺が作ってます。俺、楽器とかできないんで、フンフンフンフン~って作って日村さんにコード拾ってもらって。だからメロディとかむちゃくちゃだよね。
日村 (森山)直太朗くんか誰かだっけな。「プロからするとあり得ないコード進行だ」って言われたけど、でもしょうがないよね。
設楽 もうぐちょぐちょだから。
日村 「こうきたらこうくるだろう」が違うから、赤えんぴつの曲は面白いらしいですよ。赤えんぴつが来ると、「ようやくライブが終わるな」って思うね。
設楽 そう。
日村 単独ではいつもこのくらいの位置でやってるから。
設楽 ラスネタ前ぐらいだもんね。
──赤えんぴつがない年は、その役割はどういうふうに?
日村 どうしてるんだろう? 確かに。
設楽 けっこうな比率でやってるもんね。毎回、赤えんぴつやるかやらないか保留にしていて、やるってなったら曲をライブのタイトルに合わせて考えるっていうやり方なんですよ。動きもゲネプロでこうしようか、みたいになったり、本番の日に変えたり。急に「タンクトップを破こう」とか思いついたりして。
日村 うんうん。
設楽 ラストの日とかは、DVDには入ってないんですけど、日村さん、ビリビリに(笑)。
日村 ビリッビリになったりするのが面白いんだよね。
設楽 それでそのあと普通に歌を歌うから、超面白くて、笑いそうになるんですけど。
日村 あれはもう、しょうがない(笑)。毎回破きに行くと面白くないんだけど。
設楽 そうだねえ。
日村 「破れちゃった」が面白いんだもんね。
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- DVD「bananaman live Love is Gold」2015年1月14日発売 / 4104円 / ホリプロ / HPCG-0011 / Amazon.co.jp
- DVD「bananaman live Love is Gold」
収録内容
本編:CRAZY for YOU / wish / the Supernatural / AKEMI / 赤えんぴつ / LOVED ONE
映像特典:50音ゲーム / ノーリアクション日村 / 日村勇紀の「ネクタイ芯抜き講座」/ アダ名
DVD発売記念イベントも!
日時:2015年1月17日(土)13:00~
会場:東京・タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
参加方法:タワーレコード渋谷店および新宿店にてDVD「bananaman live Love is Gold」を予約または購入すると、先着で整理番号付イベント参加券が配布される。
バナナマン
左 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
生年月日:1972年5月14日
出身地:神奈川県
所属:ホリプロコム
右 / 設楽統(シタラオサム)
生年月日:1973年4月23日
出身地:埼玉県
所属:ホリプロコム