日本映画専門チャンネル「24時間バカリズム専門チャンネル」 PR

バカリズムの頭の中|映画「架空OL日記」2.28公開記念「24時間バカリズム専門チャンネル」

バカリズム原作・脚本・主演の映画「架空OL日記」が2月28日(金)に公開される。これを記念し、2月23日(日)から24日(月・振休)までバカリズムが日本映画専門チャンネルを1日ジャック! 自身が脚本を手がけたドラマや映画、「バカリズムライブ『ドラマチック』」に加え、これまでも数多くの仕事を共にしてきた住田崇のディレクションによる撮り下ろしのオリジナル番組を、「24時間バカリズム専門チャンネル」と題して24時間ぶっ通しでオンエアする。この日限り、ここでしか見られない特集放送だ。

お笑いナタリーはオリジナル番組「バカリズムのクリエイティブ脳に迫る質問」の収録現場に潜入。本稿では「架空OL日記」の監督を務めた住田も交え、さまざまな角度からバカリズムの頭の中を覗き見る。さらに、かねてより親交を持ち“升野軍団”のメンバーでもある小出祐介(Base Ball Bear)にバカリズムにまつわる寄稿を依頼した。これらの試みから、今改めてバカリズムという芸人の本質に迫ってみたい。

インタビュー・構成 / 狩野有理 取材・文 / 須永貴子(P1~2) 撮影 / 小林恵里

バカリズム

特別番組「バカリズムのクリエイティブ脳に迫る質問」収録レポート

多数のレギュラー番組を抱えながら、新ネタ作りを怠ることなく毎年単独ライブやその番外編としてアイデアを発表する「バカリズム案」、トークライブ「バカリズム談」といった自らの公演を打ち続けるバカリズム。近年はドラマ脚本を手がけることも多くなり、自宅とは別に作業場を構えて休む間もなくパソコンに向かう毎日を過ごす。そんなバカリズムが実際は何を考えて、どんなことに感情を動かされているのか紐解いてみよう、というのがこの番組。「架空OL日記」の住田崇監督がバカリズムを“解剖”すべく用意した質問とは?

スタジオには、ブルーのパネルで三面を囲んだ空間に一脚のオフィスチェアがポツンと置かれている。スタジオに入ってきたバカリズムが「お願いしまーす」とお辞儀をしながら椅子に座る。微笑みは絶やさないが、実は誰とも目を合わせていないように見えるのは気のせいだろうか。住田監督に「スピーカーを見る感じでいいですか?」と視線の位置を確認すると、すぐに本番がスタートした。

収録のスタイルは住田監督からマイクを通して投げかけられる短く簡潔な質問に、バカリズムがひたすら答えていくというもの。まずは、幼少期に関する質問が続く。「青春時代に愛読していた雑誌は?」という質問に対し、「青春時代」をどこに置くかで悩むところに定義や前提を大切にするバカリズムらしさが垣間見える。一方、「師匠」に関する真面目な回答を引き出したあと、「好きなアダルトの設定は?」と続けたところには、淡々とした構成の中にも緩急をつけようとしている住田監督の狙いが感じられた。バカリズムは自分の性癖にまつわる回答を堂々と言い切ったのと同時に「聞かれたから答えてるだけですからね!」と、言いたくて言っているわけではないという態度を表明する。

基本的に、どんな質問に対してもポンポンと答えていくバカリズムが、初めて腕を組んで上を見て、じっくりと考え込んだ質問が「好きな妖怪」。その回答と理由は、収録後のインタビューで語る「好きなお笑いは無意味なもの」に通じるものだった。また、「難しいなー」「えー!」と考え込むことが多かったのが、「好きなお菓子」や「好きな食べ物」といった食に関する質問だった。好きな食べ物に関しては、住田監督に聞かれてもいないのにとうとうと理由やこだわりを話し始める。

住田監督は、「架空OL日記」で同僚役を演じた女優たちや、バカリズムの身近なスタッフから寄せられた質問も投げていく。ここでも、坂井真紀からの「卵料理で何が一番好きですか?」という質問に、今日イチとも言えるほど悩みまくるバカリズム。なぜならそこには卵料理の定義が絡んでくるから。

用意された質問にすべて答えたバカリズムは、体を伸ばしてほぐしながら、「大丈夫ですか? もっとしゃべったほうがよかったですか?」と住田監督に声をかける。確かに、あまりにもテンポがよいものだから、収録予定時間の半分も使っていない。「全然答えられますね。なんでも答えられますよ。足りてるならいいですけど」と言うバカリズムに、住田監督が「もうちょっといきましょう」と返して第2ラウンドへ。

バカリズムの仕事観や人生観があらわになる質問への回答はどれも興味深かった。特に「大切にしているネタは?」という質問に対しては、「大切にしているネタ……」と何度か繰り返してから「ない」と断言。その理由は、どんなネタも古くなるので、愛情を持ちすぎないようにしているというものだった。ネタに対するこのスタンスに関しては、インタビューでもさらに詳しくその理由を語ってくれた。「ずっと大切にしているものは?」という質問を投げて少し間が空いたあと、住田監督が「物体です」と付け加えると、バカリズムが「あ、物体?」と反応する。言葉や文字を材料にネタを作ることが多いバカリズムが、他者との会話においても言葉という記号をいかに大事にしているかが如実に表れた瞬間だった。

トータルで100以上の質問に、すさまじい記憶力と話術からなる明瞭なエピソードトークもふんだんに織り交ぜながら、テンポよく答えきったバカリズム。疲労を一切見せず、「大丈夫ですか? 結局、(答えているようで)全然答えてないですね」とスタッフを煙に巻くその脳力の片鱗が伝わる特別番組は必見と言えよう。

「バカリズムのクリエイティブ脳に迫る質問」は2月24日(月・振休)1:00~放送!

左から住田崇、バカリズム。

バカリズム&住田崇監督 インタビュー

自分のことをしゃべりたくてしょうがない

──収録お疲れさまでした。まず、日本映画専門チャンネルを1日ジャックすることに対してどう思いますか?

バカリズム どこかでこういうことができたらいいなとずっと思っていたんです。自分が脚本を書いた作品がたくさんないと成立しないことなので、「もうそんなに溜まったんだ」とうれしかったですね。今回のプログラムに入っていない作品もまだありますし。ドラマ、映画、自分のライブと、いろいろなジャンルで自分の作ったものを24時間放送してもらえる芸人なんてきっとそう多くはないと思うので、ありがたいですね。

──「架空OL日記」のドラマ版、映画版共に監督を務め、今回の特別番組の演出も担当された住田監督との関係性を改めて教えてください。

バカリズム テレビ東京で「バカリズムマン対怪人ボーズ」(2009年放送)っていう毎週5分の特撮モノをやっていたんです。そこから「番組バカリズム」「もう!バカリズムさんのH!」などいろんな番組を一緒にやってきました。今回の特集放送のラインナップに入っている「バカリズム THE MOVIE」も、実質的な監督は住田さんです。

左から住田崇、バカリズム。

──先ほど収録した特番は、バカリズムさんが青い空間に座らされ、ただただ質問に答えていくという異質なものでしたね。

バカリズム あれでいいのかなって思いながら質問に答えていました(笑)。

──企画内容は住田さんからの提案ですか?

住田崇 そうです。升野さん(=バカリズム)って、プライベートなことや脳みそがわかることをあまり語ってきていない気がしていて。そもそもトーク番組はあまり好きじゃないですよね?

バカリズム そんなことないですよ! トーク番組大好きです。自分のことをしゃべりたくてしょうがない。

住田 そうなんだ(笑)。この間、升野さんが1人でやられたトークライブがものすごく面白かったこともあって、升野さんの脳みそを知ってもらう番組にしたらいいんじゃないかと思って考えました。好きにやっていいって言われたので。

──自分の考えを明らかにするのに抵抗はないですか?

バカリズム いや、別に……。こういう機会もなかなかないし、わりと答えるのもしゃべるのも好きなので、全然苦じゃなかったです。

──もっと聞かれてもいいくらい?

バカリズム そうですね。「どこまで言っていいんだろう?」っていうのはありましたけど(笑)。何時に放送するのかというのは気にしながら。

──いい質問はありましたか?

バカリズム

バカリズム いい質問……。

住田 僕的には、脳みその話をしゃべらせたかった。

バカリズム MRIで撮ったら左脳がすごく大きかったっていうエピソードですね。

住田 左脳が右脳を侵食していた話が面白いと思って。

バカリズム お医者さんが画像を持って半笑いで出てきたんです。

住田 「宇宙人だ」って(笑)。

バカリズム 頭と体のバランスが宇宙人みたいだって言われました。

──これは「人と身体的に違う部分は?」という質問でしたね。

住田 そもそも質問は、言ってほしい回答から逆算して考えました。「この質問を投げたらあれが出るだろうな」と思ったらそのとおりに来た。

バカリズム 住田さんとは普段からしゃべっているから、「あの話をしてよ」という振りだなと思いました。だから、「あー、ここで脳みその話をしといたほうがいいんだろうな」ってなんとなくわかるんです。

住田 で、もうちょっと欲しいなっていうときは深堀りして、あとは編集でつまみます。

バカリズム 求められている回答を淡々と出していくっていう。