ツッコミがないのにオモロい

──いろいろな家族の形が描かれた映画でもあります。

秋山　これは、やっぱり「愛」ですね。山名くんがいつも口にしてるんですけど。「愛をテーマにネタを作る」という山名くんのモットーがあるので。

山名　コントは愛やと思っています。いいっすよね、（スコットと元妻が）別れてんのに仲いいとかね。

──全体を通してコメディの要素も満載なので、お笑い好きが観て楽しめそうなポイントを教えていただけますか？

秋山　ホンマに面白くて、試写会の会場で笑いが起きてたんですよ。こんなに笑いが起きるのも珍しい。

山名　スコットとジミー・ウーが話してたじゃないですか。あそこ、だいぶオモロいですよね。なかなか話が終わらなくて「まだ続くやん！」って。もうちょっと広げて4分くらいのネタにしたら「キングオブコント」出られると思います（笑）。

秋山　あそこはオモロかった。会話で笑わせるのは難しいので、お笑いセンスのしっかりある人が作ったなあ、って思います。自然な感じなのも、またいいです。

──スコットを演じたポール・ラッドはコメディ作品にも数多く出演していて、「アントマン＆ワスプ」では脚本にも携わっています。

秋山　ユーモアのある人なんやな。

山名　うまいジョークがさらっと流れてるところ、随所にあった気がしますわ。でも、それに対して誰もツッコまない。シーンとした空気にさしても、気にしてないですもんね。

秋山　日本のコメディは「ここは笑うところですよ」ってツッコミが丁寧な作品が多いんですよね。でも「アントマン＆ワスプ」は、ツッコミがないのに、なんとも言えんオモロさがある。お笑い好きにも観てほしい映画です。

この映画を一言で表すと

──この映画について、ペイトン・リード監督が「楽しくてサプライズに満ちたジェットコースタームービー」と称しています。大喜利的な質問になって恐縮ですが、もしアキナさんがキャッチフレーズをつけるとすれば、“何ムービー”になりますか？

秋山　こういうのは山名くんが得意やから。

山名　いや、そんなことない。秋山さんが意外とイケんの知ってんねん、マジで。

秋山　「ジェットコースタームービー」が、そもそもめっちゃいいですもんね。

山名　僕も観終わったあとにそれと同じことを思ったからな。

秋山　それはズルい（笑）。今これを聞く前に言うてたらまだ「おお！」ってなるけど。この映画は、「新幹線ムービー」かな？

──乗り物なのが若干似てますね。

山名　「ゴーカートムービー」っすかねえ？

秋山　どんどん薄くなってんねん（笑）。なんやろな。カッコいいし、オモロいし、愛あるし。

山名　完璧やなあ。それ全部詰まってますよ。

秋山　山名くんの中では一番好きな映画だと思うよ。だから……長州力さんちゃう？

山名　長州力さん？（笑） たしかに、カッコいいし、滑舌がオモロいし、愛もあるし。

秋山　後輩の面倒見もいいって聞きます。

山名　キャッチフレーズ決まりました。長州力さんみたいな映画、「長州力ムービー」です（笑）。