系列超えて、読売テレビPと北海道テレビDがテレ玉で新番組

本日3月22日、「ガリゲル」演出の読売テレビ西田二郎プロデューサーと「水曜どうでしょう」の北海道テレビ藤村忠寿ディレクターによる番組制作会見が都内で行われた。

2人は今年2013年1月、テレビ埼玉にてトークショーを開催。このトークショーでは「『水曜どうでしょう』と『ガリゲル』が何らかの握手している感じのものを1個、お渡しできたら」と、西田が藤村に芸人を紹介するためにセッティングした飲み会の映像をプレゼントする流れに。西田が「たまたま」撮った映像ということで番組名も「たまたま」に決定。テレビ埼玉の松本編成局長からもその場でOKが出てしまった。

それから約2カ月、藤村が“たまたま”東京に来ている本日を狙って会見を決行。会議室の一室には、2人が連載している「関西ウォーカー」のスタッフ、西田がTwitterで呼びかけた番組ファンらが集まった。藤村は「俺ひとっつも聞いてないからね。いいのかなほんとに。うちテレビ朝日系列だからね（笑）」と言うと、「でもテレ玉の編成局長さんが『いいよね！』って」（西田）、「そんな感じじゃないよ！ ゴリ押ししてたよ！」（藤村）と、早くも夫婦漫才の勢い。しかし真面目に「テレビ自体が面白くないって言われてるから、系列とか言ってる場合じゃない」「作り手の中に絶対面白い奴いる」「それがつながっていけば自信がつくし、面白いこと始めるなってなる」と番組にかける思いを2人で語った。

そして西田は、手書きのフリップで「大いなるパイロット版 日本のテレビの未来のために」「実質0円スタート」「何にもないから何でもできる」「みんなでつくるバラエティ」などのコンセプトを説明。とりあえずは何も決まっていないということだが、話しながらも「それ番組にできる」「それやろう」とどんどん話が進む場面も。「テレビ始まって以来のことですからね。我々もある程度会社から『何やるんだ』と、うしろめたい視線も受けて」と言いつつ藤村は、「まずはじっくりテレビの話がしたい」「テレビのこれからのために、テレビ自体が盛り上がればいい」と語った。

その西田は「編集は俺の方が上手いって思ってる若い人にもどんどん参加してもらいたい」と、どんなことも受けて立つ覚悟。そんな西田に藤村は「二郎ちゃんは口がうまいから。でも俺はあんたに騙されてもいいと思う」と笑いながら、「『水曜どうでしょう』もそう。いい騙し方すれば『気持ちいい』って言ってもらえる」と西田の姿勢に太鼓判を押した。

また、西田は最近グッと来た番組として、JALの機内で流れた沖縄紹介の映像をピックアップ。コンセプトが途中でずれてしまったというその番組に対して、「番組の趣旨から大きく外れたけど、曖昧さがいい。なるべくそういう感覚を失いたくない。整合性のなさというのは、人間に備えられている愛すべき部分だと思う。人間のせこさ最高。隠すのは良くない」と絶賛。藤村も「矛盾はあっていいと思う。あと気分は大事。右に行くか左に行くかリスクで決めるものだけど、右に行きたい気分で、右に穴があったらしょうがない」と賛同し、「こういうふうに気になったテレビを批評するのいいね」と、また1つアイデアが生まれていた。

約1時間、テレビへの熱い思いをマシンガントークで吐き出した2人。「テレビは面白い」「テレビを盛り上げたい」という気持ちだけで実現したこの枠で、2人はどのように遊んでくれるのか。放送は不定期で、初回は4月2日（火）25時から30分。2回目は4月7日（日）深夜25時30分から。情報はFacebookやLINEなどで随時配信される。検索は「たまたま」で。この会見の模様も放送される可能性があるので、ぜひチェックしてみよう。