5月12日(土)、13日(日)に、東京・新宿シアターモリエールにて
自虐漫才、ムチャぶり、ストレートなトークなど、ライブシーンでその力を爆発させているスパローズ。昨年2011年には「THE MANZAI 2011」ワイルドカード決定戦にも進出し、この勢いをチャンスに変えるべく、マネージャーをはじめ、彼らを応援する周囲の人たちの後押しもあり、いよいよ単独ライブに重い腰を上げた。
ライブを1カ月前に控えた彼らは「何をどうやったらいいのか、わかんない(笑)。僕ら基本ネタも前日以外作ったことないんで」(森田)、「ノートに単語が5個くらい書いてるだけ。それでなんとなく思い出したのを決まってないセリフでやるんです」(大和)と、「THE MANZAI」で涙を飲んだ芸人たちの前では言えないようなクズ発言。そのことに関して大和は「『THE MANZAI』終わった後に、磁石とかハマカーンとかあの優しい奴らが熱くなってみんな泣いて。その状況を僕は冷静に観察したんですよ。で、『あれ、俺頑張ってなかったな』って気づきました」と振り返った。さらに大和は「単独をやるってなってから気づいたんですけど、やるとなったら知り合いも来るし、やらなきゃいけない形ができて。クズにはやらなきゃいけないって追い込みって意味で単独って重要だったなと、今、気づきました。ほんとに。4日前くらいです」と、改めて単独ライブというものに感心。「まだ本気じゃないのに結構な人数に単独のことを言って、もうやらないといけない状況作って、初めて台本を1本書いたときの充実感。努力ってすげーなとマジで思いましたよ」と興奮し、森田からも「銃口を頭に向けられないとやる気が出ない(笑)」と言われた。
周囲の芸人たちから一目置かれている彼らだが、中でも博多華丸・大吉は、福岡吉本時代の先輩で旧知の仲。森田は「華丸さんにチラシ渡したんです。『もし時間があったら』って。そしたら、僕ら17年くらいの付き合いなんですけど、華丸さんが『俺がもっといいタイトルつけたのに。クズ&大クズ』って。さすが」と、感心した。すでに多くの芸人たちから観劇希望の声があがっているこのライブ。大和は「嬉しかったのは、ロッチが7、8年くらい話してないのに、『いつやるの? 見に行こうかな』って言ってたみたいで。あのネタの面白いロッチが!」と驚き、森田も「それを聞いた大和が『やばい、ロッチ観に来るならもっと頑張らないと!』って言い出した」と、大和の反応に驚いた様子だった。
これまで追い込まれても何もしない彼らだったが、今回はマネージャー、作家陣がしっかりサポート。ネタ合わせのための時間もスケジュールに組み込み、今後は新作コントのための演技指導なども行われるという。「みんなちゃんと話をまとめてくれるんですよね、ほんとにすごい。小学校のときに目標を立てようとか努力が重要とかあたりまえなことが相当遠回りしてわかった」と、この状況に感謝した大和。しかし「掃除とかさぼろうって思ってたけど、ちゃんとする気持ちよさってあるんですよね。それをまだ口で言うだけで行動には起こしてないですけど」と、クズを超えるにはまだ時間がかかりそうな発言をにおわせた。そんな“大クズ”大和が少しずつ変化している様子を隣で見ている“クズ”森田は、「ほんとにお客さんには人間が生まれ変わるところを見に来てほしい。ネタがどうこうとかじゃなくて」と真剣にコメント。しかし「芸人辞めてないんで、逃げはしないです。最悪ネタが1本もできなくても僕ら1時間半立っておけるんで」と、こちらもやや不安な発言を残した。
ライブは12日、13日にそれぞれ1回公演。13日の昼にはゲストを招いてのトークライブも行われる。まだまだ単独に向けてアイドリング中の彼らが1カ月後果たしてどう変化しているのか。1組の芸人の生き様をぜひ見届けよう。
スパローズインタビュー
大和:ナタリーさんがバカなんじゃないかと。
森田:そうですよね、2人で1回話し合いました。
大和:スパローズが芸能界にいる位置と取材回数が合ってません。
森田:ナタリーさんの取材に行く芸人が客の目線になってないんじゃないか。
大和:これで僕らが売れれば「さすがナタリーさん」ってなりますけど。
森田:いやいやタイトルが「クズ&クズ」ですからね。昨日久々にキャプテン渡辺に会って「スパさんやっぱりクズは無理ですよ」って言ってた(笑)。
――……どんなライブにしたいですか?
森田:お客さんはもちろんですけど、芸人が「面白かった」っていうものをやりたいです。僕らが感動したのはカンニング竹山さんの「放送禁止」なんですけど、「これはやられた!」と思ったんで、その感覚にさせられたら。
大和:竹山さんのライブのあと、あの酒を飲まないカラテカの矢部くんが、「スパさん飲みに行きましょうよ」って言いましたからね。一口飲んでやめてましたけど(笑)。
森田:それぞれの芸人たちが飲みに行って、俺らの単独について語ってくれたら一番気持ちいいですね。トークライブは僕らが知ってる芸人さんすべてにオファー出そうと思ってます。できるだけ大物を。
大和:ギャラ払わなくていいくらいの偉い人に声かけるつもりです。
森田:当日トークライブに流れ星が出た場合は、「あ、誰も呼べなかったんだな」って思ってください。
――単独ライブの作業は楽しいですか?
森田:僕はまだ「やばい、単独のネタ作んなきゃいけない」っていうのをカッコいいと思って言ってます(笑)。後輩に聞こえるくらいの声で言ってます。
大和:台本書き始めたときに一瞬楽しさ感じてますよ。
森田:悲しかったのが、お客さんに「新ネタあるんですか?」って聞かれたんですよ。スパローズならやりかねないと(笑)。
大和:それだけはないですが、これまでの活動がそう言わせたんだなと。
森田:ありネタを単独でやるのはくじらだけですから。
大和:もちろん新作です。ほぼコントになります。自虐の漫才を90分見せられたらみなさん泡吹くと思うんで。
――お笑いナタリーの読者にメッセージをお願いします。
森田:こうやって取り上げてもらったからには、やりたいと思いますんで、また1つ、大和の言うところの銃口を向けられたんで、期待に応えられるように。ライブはほんとに面白いとは思います。今までにない気分で帰れると思います。それが落ち込むのかどうかわかんないですけど(笑)、僕らがこういうの好きなんだなって見せられるライブにしたいと思ってますんで、ぜひ足を運んで下さい。
大和:読者じゃなくてナタリーさんにメッセージでいいですか? ナタリーさんのライブレポートって完璧なんですよ。ここまで長文で、何かの大会の決勝くらいのを僕らのライブで書いてくれるナタリーさん。ほかのライブレポートとかもすげーなと思って。競馬予想師の万券とる記者っているじゃないですか、穴狙いで。スパローズっていう万券に懸けてくれたから、的中させてナタリーさんがさすがだなって言われるように頑張ります。
森田:今んとこナタリーさん外してますけどね(笑)。
大和:でも言わせたいですね、「な!」って。「だけん言うたろうが!」って。
スパローズ初単独ライブ「クズ&クズ」
日時:2012年5月12日(土) 18:30開場 19:00開演
5月13日(日) 17:30開場 18:00開演
会場:東京・新宿シアターモリエール
料金:前売2000円 当日2500円
●トークライブ
2012年5月13日(日) 13:30開場 14:00開演
会場:東京・新宿シアターモリエール
料金:前売1500円 当日2000円
チケット:ローソンチケット Lコード31928
問い合わせ:浅井企画 03-3443-5980(平日10:00~17:00)
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