この単独ライブでは名古屋、大阪、そして東京を巡り、ぼんちおさむは「寒い中でもお客さんがあったかい。漫才をちゃんと見てくれる優しさが僕たちにも伝わった。温かい声援がたくさんあって、僕たちに力を与えてくれた」と来場者に感謝。「落ち着いてやりたかったけれど、興奮してテンションが上がりすぎて、何しゃべってるかわからなかった(笑)。それくらいうれしかった。笑ってほしいという気持ちが先走ってしまった」と振り返り、「1回1回の舞台を大切にしたい。お客さんは、今日嫌なことあったかもわからん、あったからここに来たかもわからん。でもザ・ぼんちの漫才を見てわっはっはっは!言うて忘れてもうて、『今日、嫌なこともあったけど楽しかった』と思ってくれることが僕たちの幸せ」と語った。
芸歴55周年を迎えたことについては、「まず73歳まで漫才している自分を若いときには想像もできなかった」と里見まさと。1980年代前半の“漫才ブーム”を回想し、「フジテレビさんの『THE MANZAI』の1回目、8分の漫才で全国に出していただいて、それから本当に忙しく働かせていただきました。そうなりたくてがんばってきて、うれしい時間だったんですが、あの3年間はむちゃくちゃしんどかった。ただしんどいなんて言葉には出されへん。寝る時間もなく、本当にしんどかったです」と当時の心境を明かす。
そして再注目を集めるきっかけとなった「THE SECOND」に対して、「今年は1月からいい緊張の中でファイナルまできて、金属(バット)さんに負けはしましたけど、あの6分間の漫才から繋がって、来年の春くらいまでいい仕事をちょうだいしています。いい気持ちで仕事ができる。頭を何回下げても足りないくらい、感謝してます」と思いを吐露。「前は8分の漫才で全国へ出していただいた。今回は、変な話『ザ・ぼんちってまだやってたん?』『死んだんちゃうの?』と言われていたコンビが、『THE SECOND』の6分の漫才でまた全国に出ていかせていただき、普段の出番でのお客さんの迎え方も今までとは変わりました。お客さんの層も若い方が増えていて、我々もびっくりしています」と出場後の変化を実感している。
後輩芸人たちとの戦いについては「若い人と一緒に戦うことはええこと。若返ります。やっぱりチャレンジせんと、ボケる(笑)。負けたとしてもチャレンジしたことによって自分は成長していると思います」とおさむ。「来年はまず、滑舌をよくします(笑)」と冗談を交えつつ、2026年大会への出場は「まだ何も考えていない」という。「戦いたくはないですよ」というまさとは、「沼津、大宮、幕張、福岡の劇場など、若手の方が出るところへ行って『こんなところはウケる、ウケない』というのを肌で感じる。若い芸人と一緒に学園祭などに出ても気後れすることなく普通に漫才を一緒にやれているのは、普段からそういうところへ出入りさせていただいているからかなと思う」と影響を受けていると話した。
来年の目標を聞かれると、まさとは「上方漫才大賞をいただきたい。ただそれが最終目標ではなくて、大阪やったら大阪城ホール、こっちやったらもういっぺん武道館でザ・ぼんちのイベントができるよう、それくらいの気持ちで目標を持ってやろうと思っています」と力強く述べる。おさむは「いつまでも元気でおりたいです。おさむちゃんでーす! 声が枯れても『おさむちゃんです』だけは言えるように」と答え、まさとも「いいと思います(笑)」と頷いた。
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