「ダブルインパクト 漫才&コント二刀流No.1決定戦2025」(読売テレビ・日本テレビ系)で3位という結果を残した
セルライトスパはロングコートダディと同期の芸歴17年目。優勝したニッポンの社長、そして準優勝のロングコートダディとは「関西コント保安協会」というユニットライブを開催するなど、かねてより一緒にネタを磨いてきた。2組が「M-1グランプリ」や「キングオブコント」といった大きな賞レース決勝で活躍し、東京進出を果たす中、地道に大阪で活動。「ABCお笑いグランプリ」「ytv漫才新人賞 」「オールザッツ漫才」など関西ではその実力が知られるところだが、今回の「ダブルインパクト」が全国区の賞レースとしては初の決勝進出だった。
お笑いナタリーでは出番を終えた直後のセルライトスパを直撃。「ダブルインパクト」での手応えや仲間の優勝に対して思うことを聞いた。
うれしいけど悔しい
──決勝から一夜明けて、率直に今のご心境を。
大須賀:芸歴17年目ですけど、過去最大の反響です。しかもいい言葉がSNSでも見られて、今もう、売れた気分です(笑)。
肥後:めっちゃうれしいんですが、徐々に悔しさも出てはきています。やっぱり大阪にトロフィーを持って帰りたかったっていうのはあって。でも昨日が人生の中で一番、喜怒哀楽すべて出せたなと思っています。幸せでした。
大須賀:悔しいんですが、負けたのが仲のいい2組(ニッポンの社長とロングコートダディ)なので、うれしさもあるし複雑です。関西コント保安協会でワン・ツー・スリーでめちゃくちゃうれしかったですけど、ちょっとだけ僕らが「1」がよかったなと。
肥後:やっぱり「1」がいいよね。
大須賀:でもあの2組が強いのはわかっていたので。僕らだけ10点以上差がついていたし、もっと僅差だったらもっと悔しがれるんでしょうけど。完敗ですね。
肥後:ロングコートダディが一番悔しいでしょうね。2点差なので。あと、僕ら「関西コント保安協会」の前にななまがりさんと「大阪コント倶楽部」(ななまがり、セルライトスパ、カバと爆ノ介、アイロンヘッド、途中参加の男性ブランコと実施していたユニットライブ)もやらせてもらっていて。コントの師匠くらいに思っている先輩とも戦えてめっちゃうれしかったです。
大須賀:ななまがりさんは、自ら……(言葉を選びながら)自爆していったので。
肥後:やめなさいよ!(笑)
大須賀:なんでかわからないけどハマらなかったよね? 予選のななまがりさんはもう無双状態だったんですよ。ウケも最強で。やっぱりお笑いの賞レースって難しいんだなって思いましたね。
肥後:昨日以外は全部ウケてるところ見てますから。
大須賀:負け方的には一番面白かったですけどね(笑)。見習わなあかん、負けの美学も。
肥後:確かに。カッコよかったなあ。
居合わせたお客さんが餃子ごちそうしてくれた
──暫定1位席に座ったご感想は。
肥後:あそこに座れたっていうのはどうしても優勝がチラつきましたね。「もしかしたら優勝できるかもしれない」と思っていたら次で塗り替えられましたけど(笑)。でも一瞬でも座れて、座れないで終わるよりかはよかったです。
大須賀:そうですね。同じですねえ。でも正直、残りの2組見て、半分くらいは「まあ、まくられるやろ」と思ってました(笑)。
肥後:ロングコートダディの漫才中に、「うーん、これは……」となりましたね。
大須賀:敗者コメントに切り替えて。
肥後:途中で話してたもんね。「もし振られたらどうする?」って。その時点でもう負け。
大須賀:とりあえず好感度だけは上げようと(笑)。
──「お笑いって勝ち負けじゃないんで」という言葉、素敵でした。決勝が終わったあとは出場者たちと会話しましたか? 関西コント保安協会メンバーで打ち上げに行かれていたようですが。
大須賀:本番が終わった直後、ニッポンの社長とロングコートダディが「やったなあ!」って抱き合ってたんですけど、非常に混ざりたかったです(笑)。ちょっとも入れてくれないんだって思いました。
肥後:でも俺ら以上に、ケツが混ざりたかったと思う(笑)。ケツだけ1人入れてなかったんで。反省会の生配信が終わったあと、関西コント保安協会メンバーで飲みに行けたのはよかったですね。今までのこととかいろいろ話せて。
大須賀:頼んだ分より多い餃子が来てしまって、「誰頼んだの?」「なんやねん」みたいになったんですけど、あとで聞いたら近くにいた別のお客さんが僕らの席にってくれたみたいで。でも、それがわかるまでちゃんと揉めました。
肥後:ケツがオーダーしてくれてたんですけど、「ケツミスってるやん」「ちゃんとやってますよ!」ってけっこう揉めて。
大須賀:ケツが責められてました(笑)。
肥後:お客さんが「言わないでください」と粋なはからいをしてくれて、店員さんもそれを守ってくれただけなんですけど。そのお客さんが帰られたあとに店員さんからコソッと教えてもらって、解決しました。
──お客さんも大会の結果を知ってくれていたんですね。
肥後:そうなんですよ。だから(大会自体が)盛り上がったんじゃないでしょうかね。絶対続いてほしい大会です。
「ダブルインパクト」の戦い方は?
──漫才とコントの2本を披露する新しい大会。戦い方は掴めましたか?
大須賀:出番順よりも、漫才とコントどっちを先にやるかはだいぶ難しい話でしたね。
肥後:予選でもコントからやらせてもらっていたんですけど、どっちを先にやるかの回答期限ギリギリまで悩んでました。1組だけ1本目に漫才をやっていたスタミナパンには本当に感謝してます。これが全組コントやったらどうなってたんやろうなあ。大会として助かりました。
大須賀:「みんなコントかい」ってなる可能性もありましたからね。
──得意なほうを先に持ってくる、みたいな作戦なんでしょうか?
大須賀:だいたいみなさんそうなんじゃないですかね。やっぱり1本目の点数が低い順から2本目が始まるので、できるだけ1本目で上位に行きたいっていう。でもほんまはまったく同じレベルの漫才とコントを用意できたらいいんですけど。もし次出られたら、同じレベルのネタを作って、漫才からでもありやなって今回見て思いましたね。でもそしたらみんなまた同じ考えで1本目に漫才するか……(笑)。ムズ!
肥後:ほかの決勝メンバーにも(どちらを先にやるか)聞いたらダメなんですよ。ほんまに本番までわからなくて。
審査員から最高の褒め言葉
──審査員の言葉で印象に残っているのは?
肥後:漫才で、けっこうみなさんが「このネタについてお酒飲みながら一晩語り明かしたい」と言ってくださったのがめっちゃうれしかったですね。最高の褒め言葉じゃないですか?
──ネタに夢中になって考えてしまっているということですもんね。
大須賀:僕は、コント終わりにジュニアさんが「大須賀はパッと見ただけで変な奴っていうのがわかる」みたいなことをおっしゃっていたと思うんですけど、「え、そうなの?」って思いました。それがちょっとだけ引っかかって。言い返しそうになった。「どういう意味ですか?」って。
肥後:ダメよ、生放送で審査員さんにそんなこと言ったら(笑)。最高の褒め言葉やから。
いい流れで「キングオブコント」へ
──改めて、決勝の出来栄えは。
大須賀:僕は負けたとしても記憶に残りたいと思っていたので、上出来だったと思ってます。
肥後:確かXで「ダブルインパクト」の優勝予想で、僕ら知名度ないのでダントツ最下位だったらしいんですよ。それを思えば爪痕を残せたのかなと。僕も上出来だったと思います。そのままの流れで今年の「キングオブコント」決勝に行けたら最高です。
──ファイナリスト発表会見のときに「大阪の漫才劇場に恩返ししたい」とおっしゃっていました。明日は大阪の出番がさっそくありますし、盛り上がりそうですね。
大須賀:満席になると思ます!
肥後:そうなってるといいですけど(笑)。
大須賀:今いいフリができてますねえ。「おかえり」みたいな横断幕とかも……。
肥後:あるか! ビスケットブラザーズを見たか!? 優勝した次の日お客さん17人! あんなことある?
大須賀:がんばります!
セルライトスパ ライブ情報
「大阪ウェルダン!~極17年目以上全員ライブ~」
日時:2025年7月23日(水)18:25開場 18:40開演
会場:大阪・森ノ宮よしもと漫才劇場
そのほかはFANYチケットにて「セルライトスパ」で検索を。
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セルライトスパ「ダブルインパクト」は人生で一番喜怒哀楽が出た、仲間の優勝にうれしさと悔しさ - お笑いナタリー https://t.co/GMoj3K4ctW