昨年、コンビ結成25周年を迎えたフットボールアワー。これまでも劇場出番に立ち続け、ネタ番組に向けて新ネタ作りを続けてきた。しかし「久々にフットの漫才を見た」という視聴者の声も耳に届き、後藤は「さみしくはある」と話す。今回のライブでは新ネタに加え、過去ネタを磨いて披露することも考え中だという。今、自分たちの昔のネタを見返しても「おもろいことやってんな」と感じるという岩尾は、「基本的に面白いと思うところ、芯の部分は変わってない」と述懐。後藤は「昔ほど『角度つけて笑わせまっせ』はないと思います(笑)。ええ意味でね」と話しつつ、「かといってチャレンジングにはしたい。それがどう転ぶかはわからないので、できるだけ多めに笑っていただきたい。こっちのテンション下がるので(笑)。乗せてください」と来場者に呼びかける。
フライヤーに映るのはそれぞれの愛犬だ。YouTubeチャンネル「ざっくりYouTube」の企画で小籔千豊が撮影したもので、思いのほか「漫才コンビの面構え」になったことで何かイベントをやるときはこの写真を使おうと話していたのだとか。今回の単独ライブのためにフット本人の写真も撮影したのだが、結局、その愛犬の写真が採用された。
チケットは2月8日(土)にFANYチケットにて先行販売開始。
フットボールアワー インタビュー
──15年ぶりに単独ライブを開催しようと思ったきっかけは?
後藤:20周年のときに「何かやるの?」と、どちらから言うわけでもなく月日は流れ、そして25周年もまた同じように月日が流れそうになっていたときに会社が「イベントやりませんか?」と言ってきたんです。それがなんか、タイミングがよかった。それはコンビの関係性しかり、アキナがツーマンのコントライブに呼んでくれたり、「漫才いっぱい作っとかな、ネタないなあ」ということがあったり。いろいろ重なって、そのタイミングでやろうとなった。
岩尾:僕から言い出すタイプではないので、「言うてきてくれたらやるのになあ」ってどこか思いながら過ごしてはいたんですけど、結局後藤からも言うてこない。去年が結成25周年だったんですが、このまま25周年も過ぎていくか、と思っていました。まあ、別に何周年記念とかをやるタイプじゃないからええか、と思っていんたんですが、マネージャーから「やりませんか」と言われて、こういうきっかけでもないとこのままやらないだろうなと思ったので、いいタイミングということで、やることにしました。
後藤:藤井(隆)さんの監修でカバーアルバムを出させてもらって、そのライブでお客さんを見たときに「来てくれんねや」と思い出したり。そんなのもきっかけになったのかもしれません。昔から見ている人がもう1回来てくれるっていうのはうれしかったですね。
──2人でやる漫才は、フットボールアワーにとってどんなものですか?
後藤:「2人で並んでるの久しぶりに見た」とかテレビ番組なんかでよく言われたりするんですけど、こちらからすると「え、そう?」みたいな感覚。大阪で番組をやっているし、劇場に関しても今までどれだけ忙しくても欠かしたことはないんです。だから我々としては(漫才を)続けているイメージで。
──フットボールアワーの軸と言えるもの?
後藤:そうかもしれませんね。コロナのときに「私は一体何屋さんなんだろう?」と思ったんですよ。テレビの収録がどんどん、簡単にポンとなくなっていったときに、「(自分は)漫才師か」というのはあって、劇場の出番を増やしてくれとお願いした覚えはあります。地に足つけて、じゃないですけど、そのときはそう思いましたね。
岩尾:2人だけしかいない(空間)だし、一番自由。その分言い訳もきかないから、しっかりしとかなあかんものでもある。でも一番楽しくやれるものでもある。漫才、コントこだわらずみたいな感じで(お笑いを)始めたけど、漫才が芯になっていましたね。
──コンビの関係性はこの15年でどう変化しましたか?
岩尾:思い返せば、今と比べたら仲悪かったんやろうなと思います。だからといって何かが改善されたという感覚はないんです。ただ、周りからは「昔に比べたらいい感じになってるよね」と言われることもあります。ネタ作りをしていても、前はお互い作家さんを介してしかしゃべらなかったけど、今はこう(後藤と直接)しゃべれるようになった、くらいの変化ですね。ちょっと変わったんだと思います。
後藤:僕らだけじゃなくて、やっぱりコンビって特殊。(昔は)なんかムカついてましたよ、とにかく。それはがんばらないといけなかったから。若いときは相方をあてにしてたり、(相方の)せいにしたりしていたけど、各々仕事するようになって、ええ意味であてにせえへんようになった。でももちろんコンビなので、あてのし合いもあって。
──昔はムカついていたところも今は許せる?
後藤:おもろがれることが変わってきたと思うんですよね。昔はムカついてたところ、例えば水の飲み方。下唇で迎えにいきすぎや、とか。でも、今見るとわろてまうんですよ。「なんでそんな飲み方すんの?」みたいな。たぶん、目につくところは変わってない。その受け取り方が変わっているんだと思います。昔からよく言われるんですよ。「こいつの飯の食い方から新幹線の乗り方、歩き方、全部腹立つ」とか言うと、「よう見てんなあ。嫌やったら、見いひんで」と。だから、ずっと変わらず気にはなってるんでしょうね。その面白がり方が変わってきたんだと思います。
岩尾:直接言ってくるわけじゃなく、無言のうちにギスギスした空気が流れているような時期はありました。それが(後藤が)結婚し、子供ができて親になり、そういう幸せを掴んだから全体的に優しくなった。だから絶対離婚とかしてないでほしいです(笑)。プレイベートの充実とか、成功を収めたことでこっちへの優しさが生まれたと思うから、引き続き奥さんにはがんばってほしいなと思います。
──15年ぶりの単独ライブで何を得られたらいいと思いますか?
後藤:面白いものを見せたいのはもちろん、僕の感覚としてはこの単独ライブは“チューニングを合わせる”という意味もあると思っています。僕と岩尾さんのチューニング、お客さんとのチューニングを合わせて、「さあ、次からどうしよう!」というのを確かめる感じ。今回の結果で次がどうなるかが変わってくると思う。練習のつもりは毛頭ないんですが、「お客さんはそんな感じね! 我々はこうなんですよ。あ、この返りはいいと思いますよ」っていうのを改めて確認させていただきたい。
──チューニングがバチッと合えば、もしかしたら来年、再来年と続いていくかもしれない?
後藤:そうですね。というか、こういうライブって何年ぶりにやって、わっと来てもらってっていう話自体が「調子に乗るな!」という感じだと思うんです。蓄積やと思うんでね。いろいろな仕事を30年がんばってきましたけど、「ああ、(単独ライブを)やっといたらよかったな」と思いますもん。「あの人たち羨ましいな」と思うのはそこ(毎年単独ライブをやっていること)なんですよね。(自分たちは)やってこなかったから。だから、そういうのに繋がればいいなと思っています。
──岩尾さんはいかがでしょう。今回の単独ライブに期待することは。
岩尾:ルミネもNGKも毎月出させてもらっていて、舞台に立つことが楽しいということは常に感じているんです。日々の出番で楽しくやれているし、面白いことはやっているので、それを観に来てもらえたら単独にこだわらなくてもええやんっていう考えもどこかにあったんですが、今回やって「やっぱ自分らだけでやるライブは楽しいな、ずっとやりたいな」と思えたらいいなと思います。
フットボールアワー単独ライブ「フットボールアワー 25」
料金:前売5500円 当日6000円
チケット:FANYチケットにて2月8日(土)11:00~2月10日(月)11:00に先行販売、2月11日(火)18:00に当落結果発表。2月12日(水)10:00に一般発売。
大阪公演
日時:2025年4月13日(日)19:00開場 19:30開演
会場:なんばグランド花月
東京公演
日時:2025年4月19日(土)19:00開場 19:30開演
会場:ルミネtheよしもと
ヘンミモリ @henmimori
フライヤーデザイン担当いたしました。
15年ぶりの単独とのことでとても感慨深いです。よろしくお願いいたします。 https://t.co/QSNaGw13fN