ママタルト、初の「M-1」決勝進出 漫才の師匠・ウエストランド井口さんの教えが染み付いています

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ABCテレビ・テレビ朝日系で12月22日(日)に「M-1グランプリ2024」決勝が生放送される。そのファイナリスト9組のコメントをお笑いナタリーで掲載中。今回は初の決勝進出を果たしたママタルトの話を届ける。

ママタルト。左から、檜原、大鶴肥満

ママタルト。左から、檜原、大鶴肥満

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ファイナリストのコメントはいずれも12月5日の決勝進出発表から間もなく語られたもの。決勝には、エバースジョックロック真空ジェシカダイタクトム・ブラウンバッテリィズ、ママタルト、ヤーレンズ令和ロマンと、当日敗者復活を勝ち上がる1組の計10組が登場する。

ママタルト コメント

──「M-1グランプリ2024」決勝進出を決めた今の率直な気持ちをお聞かせ下さい。

檜原:(昨年、一昨年と)2回(準決勝で)落ちたんで、意外に落ち着いてるというか。3回も来させてもらえば、一度ぐらいは(決勝に)行かせてもらえるか、っていうか。意外に冷静な自分にびっくりしてます。

大鶴肥満:我々には、漫才の師・ウエストランド井口さんの「どこどこでウケたくらいで浮足立つな! 地に足つけろ!」という教えが染み付いていますので。

檜原:サスペンダーズが「キングオブコント」の準決勝に行って喜んでいたら、井口さんが「サスペンダーズがキングオブコントの準決勝に行ったくらいじゃ何も変わらないんだから優勝するまで浮かれるな!」と。決勝進出できてハッピーなんですけど、「決勝でスベったら終わりだからな!」という井口さんの声が聞こえてきます。

大鶴肥満:師の教えって、小さな師匠が耳の後ろから囁くイメージですけど、井口さんは原寸大で、僕らの背中に張り付いて大声でしゃべってるイメージです。

──「M-1」のキャッチコピーに「俺たちが一番おもしろい」とありますが、これまでの人生を振り返り「俺たち(もしくは俺)が一番おもしろい」と感じた瞬間はありましたか?

檜原:大学に入学して最初の中国語の授業で、中国人の先生が質問を5問出して、5人の生徒に1問ずつ割り振って、答えを黒板に書かせたんですね。たとえばそのときが1時20分だとしたら、先生が「うん、じゃあ、2時までに」って言い間違えたんです。40分もあったんで、「めっちゃくれるやん時間!」って言うたらほんとにドカーンとウケて。「全員知らん人でも言い方でウケるんや」って自信になったのは、記憶に残ってます。

大鶴肥満:大学4年生のとき、早稲田大学の学祭で、セクシー女優の上原亜衣さんのイベントがあると聞いたんですね。大好きすぎて、自分の学祭(明治大学)の持ち場を離れて、早稲田に行ったんですよ。「上原亜衣の講演会」みたいな感じだったので、僕は上原さんの発言を全部メモして。その後実演タイムみたいなのがあって、「上原さんと『キス我慢』をやりたい人~」と呼びかけがあったので、靴を脱いで机の上に立って「はい!」と立候補したら選ばれて。で、キス我慢をやらせてもらったんですよ。終わったあとに一言コメントを求められて、「天国はここにありましたね」って言ったらドガーン!とウケました。その後に、「これは授業ですからね。上原さんが言った好きなシチュエーションなど、問題を5問出します。全問正解者にはハイタッチの権利が与えられます」となって。僕は全部メモを取ってたから「行けます!」って言ったらめちゃめちゃウケて。ネットで「あの青いポロシャツのヤツ、明大生だ」って特定されたときに、「俺、一番おもしろいかも」と思いましたね。

──「一番おもしろく」なるために必要なものは何だと思いますか?

大鶴肥満:「持たざる者」という資質かもしれません。やはり、何も持たない者は、何をしゃべってもおもしろいです。ハングリーなので。それが、何かを持ち始めてしまうと、みんなそいつのことを嫌い始めるんです。おもしろくなればなるほど持てるようになり、嫌われていく。後輩で可愛がってるポテトカレッジっていうコンビのコモダドラゴンっていう子が33歳でロン毛で気持ち悪くて、糖尿病にもなって。で、火事で家が燃えたとき、本当におもしろかったんですけど、ちょっと結果出始めた瞬間に急につまんなくなったように感じちゃって。持たざる者の資質というのは本当におもしろいけど、難しすぎるなって。だから一瞬なのかもしれないですね。本当におもしろい人というのは。

檜原:(ライブ制作会社)スラッシュパイルの片山さんにもらった「鏡は先に笑わない」っていう言葉があって。人に笑ってもらいたかったら、まずは自分が先に笑顔にならないと、という考え方で。コンビでロケに行ったときにうまくいかなくて、片山さんに相談したときに言われた言葉です。人に接するときは自分から「僕ってこんな人なんですよ」と心を開いて、敷居を下げる。恥ずかしがらないこと、ですね。

──「ファイナリストの中で俺たちが一番○○だ!」……「○○」に入るのは?

大鶴肥満:「重すぎる」です。

檜原:僕も実はけっこうもっちりしていて。

大鶴肥満:2人合わせて275kgくらいあるんです。

──準決勝では肥満さんがステージを動き回りましたね。

大鶴肥満:動けちゃうからこそ、期待値が上がっちゃってて。たまにネタ中にヒワちゃん(檜原)から無理難題を言われます。「逆立ちできるか?」とか。さすがにそれは無理だよっていう。動きとしては準決勝ネタが限界です。

──ほかのファイナリストの中で意識しているコンビは? それはなぜ?

檜原:令和ロマンです。「研修テレビ」っていう番組を、ひつじねいり、春とヒコーキと4組で、1年間一緒にやってたんですけど、志半ばで打ち切りになっちゃって。

大鶴肥満:令和ロマンがチャンピオンになってもなお続けることができなかったということは、俺らの力不足かなと。あの番組をもう1回復活させたいなというのはありますね。

檜原:夢はワンツー(フィニッシュ)です。

大鶴肥満:ヤーレンズさんに対して、「我々も助太刀いたす」という気持ちもあります。「令和ロマンを倒しましょう」と。そのほうが大会が盛り上がると思うので。僕は真空ジェシカです。僕らが出始めの頃、2017年頃から一緒にライブで遊んだりしてて。

檜原:真空ジェシカと僕らのラジオがほぼ同時期に始まる、ってなって。真空が「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」ならこっちは母ちゃんでいいんじゃじないかってことで、「ママタルトのラジオ母ちゃん」になりました。そこからユニットライブなんかもやるようになって、僕らが普通に会ってる近しい人で、初めて決勝に行ったのが真空ジェシカだったんです。夢とやる気をもらいました。

大鶴肥満:うちらもあの門を叩けば開くんだっていう。

檜原:決勝進出者発表で、僕らが1組目で呼ばれて。そこからは「真空ジェシカ来い!」って思ってました。

──優勝賞金1000万円の使い道は?

大鶴肥満:野球が大好きなので、野球好きの芸人を集めて草野球をやってるんですよ。東京ドームを借りて、みんなで野球をやりたいです。

檜原:220万円くらい残っている奨学金を一撃で返済したいです。あとは、辞める手前くらいの借金のある芸人に、一口10万円で、無利子で貸したい。自分が消費者金融からお金を借りたときに、利子の返済だけで大変だったんです。払っても払っても全然減らない。そんなときに150万円を無利子で貸してくれる人がいて、消費者金融の借金を一旦ゼロにできたんです。同じように困っている芸人の助けになればいいなと思ってます。

──昨年と比べてコンビで進化していることは?

檜原:去年までは東京のライブハウスばかりに出てたんですけど、今年は地方に行かせてもらったり、老若男女の人にネタを見てもらうことが増えたんです。「あ、日本には僕が思っていたよりももっといっぱい人がいて、そういう人たちがテレビでM-1を見て、『おもしろっ』って思うようなことも、ネタの中に入れないといけないな」っていう無意識の意識が今年は増えました。「新宿のお笑いライブで爆笑でも、年のほとんどを海の上で過ごして年末だけ陸に帰ってきた漁師さんが、M-1でこれ笑うかな」と考えたり。っていうふうに、1億人いるなと思うようになりました。

大鶴肥満:たしかに、毎回M-1は、2回戦から密着のカメラが入ってるじゃないですか。毎回、カメラマンさんに「今年のM-1のテーマは老若男女です」って言ってたんですけど、大外しでした(笑)。それに近いのかもしれないですけど、今までずっと漫才コントをやってきてて。大鶴肥満がいろんなキャラクターになりきって、それに対して突っ込んでいたんですけど、一昨年くらいから、大鶴肥満と檜原のままでやることにしたんです。

檜原:この2人が、本人のままでやる漫才コント。せっかく大鶴肥満がいるのに、大鶴肥満が何かキャラクターを演じるというのは、せっかくの見た目を捨てていることになるので。

大鶴肥満:お笑いを見慣れていない人は、大鶴肥満を見てまず「デカ!」と思うのに、大鶴肥満が太っていないキャラクターを演じると入りづらいよねと。女性役を演じても、どんな女性なのかイメージしづらいですし。

檜原:ネタを見慣れている人はすぐに入れるんですけど。シンプルにしたことで、ネタの内容が伝わりやすくなったのかもしれないですね。

──「M-1グランプリ」決勝へ向けた意気込みを一言で!

大鶴:まーちゃんごめんね。

檜原:マヌカハニーパワー!

──相方へも一言お願いします。

大鶴:これからもよろしくね。

檜原:もちろん、僕こそよろしくね。

昨年までの審査員など、これまでの「M-1」全データはこちらから。

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「M-1グランプリ2024」敗者復活戦

ABCテレビ・テレビ朝日系 2024年12月22日(日)15:00~18:30
<出演者>
Aブロック:カベポスター / 十九人 / 金魚番長 / ドンデコルテ / フースーヤ / 今夜も星が綺麗 / ダンビラムーチョ
Bブロック:マユリカ / 家族チャーハン / ナイチンゲールダンス / カラタチ / 男性ブランコ / 滝音 / 豪快キャプテン
Cブロック:シシガシラ / ひつじねいり / 例えば炎 / オズワルド / インディアンス / 豆鉄砲 / スタミナパン
審査員:ウエストランド井口 / とろサーモン久保田 / トレンディエンジェル斎藤 / マヂカルラブリー・野田クリスタル / 錦鯉・渡辺
司会:陣内智則 / 齋藤飛鳥

「M-1グランプリ2024」決勝戦

ABCテレビ・テレビ朝日系 2024年12月22日(日)18:30~22:10
<出演者>
決勝進出者:ママタルト / 令和ロマン / ジョックロック / 真空ジェシカ / エバース / トム・ブラウン / ダイタク / ヤーレンズ / バッテリィズ
審査員:NON STYLE石田 / 海原ともこ / アンタッチャブル柴田 / 笑い飯・哲夫 / 博多大吉 / ナイツ塙 / かまいたち山内 / 中川家・礼二 / オードリー若林
司会:今田耕司 / 上戸彩

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(c) M-1グランプリ事務局

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舟橋政宏 @bashi_funa

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