「みんな輝いてるよ！」シソンヌじろうの初企画、話下手たちが心合わせてコント

昨日3月25日、シソンヌじろうの企画ライブ「今のお話、コントで見せてもらえる？」が東京・ルミネtheよしもとで初開催された。

舞台は社会不適合者のレッテルを貼られた人間たちが集まるとある施設。じろう扮する施設長の大河原は特殊な窓をガラガラガラと開け、この施設の支援者や見学者に挨拶する。入所しているのは「職場の休憩所でのやり取り」がうまくできない、人と話すのが得意ではない人間たちだが、“コント”（＝役割）を与えれば輝きを放つと説明。彼らの様子を覗き見し、魅力を感じればぜひ雇用してあげてほしいと話した。

登場したのはいかにもコミュニケーションが苦手そうな入所者たち。うるとらブギーズ、ネルソンズ和田まんじゅう、サンシャイン坂田、やさしいズ・タイ、蛙亭イワクラ、そいつどいつ市川刺身、吉住という面々だ。タイが市川に突っかかったり、それをかばう和田まんじゅうにも高圧的な態度を取ったりと摩擦が起きる中、じろうは「よし、今日はお話の時間にしようか」と穏やかに提案。うまく話せる自信のない彼らは尻込みしつつも、なんてことない日常のエピソードをどぎまぎしながら一生懸命に語る。

そして話を聞き終わったじろうが「今のお話、コントで見せてもらえる？」と言うのを合図にじろう含め全員でそのエピソードをコントにして演じる、というのがこのライブの筋書き。まずは店主が注文に驚く中華料理店の話を市川が披露すると、一同はババーっと舞台上に散り、周りを確認しながら自分の役割を見つけだす。打ち合わせもなく始まるコントに出演者も観客も最初は探り探りの様子だったが、奇跡的な展開や機転の効いた返しが会場に高揚感を充満させた。話したエピソードとは違った結末が訪れるのも即興ならではで、じろうは「みんな輝いてるよ！」と彼らをほめてやる。

取るに足らない話をコントで面白くしよう、という暗黙のルールだったが、じろうが自ら語ったアルバイトのエピソードはそれ自体が笑いを誘ってしまう。すると入所者たちから「先生は話が面白い！」「俺らと違うじゃん！」「普通に情景が見えた」「すごいワクワクした」と苦情が殺到。じろうは「先生お話でウケちゃった……！」とうっかり顔で詫び、「そんなつもりじゃなかった。先生もコントにしたかったよ」と残念がった。

和田まんじゅうの語ったヤンキー初日のエピソードは登場人物が複雑で、コントに入る前に「何人出てきた？」と情報を整理。心を合わせてコントを演じることで、入所者たちはコミュニケーション能力に向上の兆しが。主宰者であるじろうも率先してコントに色付けし、剣道経験者を演じたり、和田まんじゅう役で飛び跳ねたりと、新しい試みを楽しんでいた。この公演はオンラインで明日3月27日（日）19時半まで視聴可能。第2回以降にも期待できそうなイベントの初回を見逃さないように。

今のお話、コントで見せてもらえる？

見逃し配信：2022年4月1日（金）19:30まで
チケット販売：2022年4月1日（金）12:00まで
料金：1500円
＜出演者＞
シソンヌじろう / うるとらブギーズ / ネルソンズ和田まんじゅう / サンシャイン坂田 / やさしいズ・タイ / 蛙亭イワクラ / そいつどいつ市川刺身 / 吉住

※記事初出時より、配信期間が延長になりました。