本作で岩井は、“日常”を題材に初めてのエッセイ執筆に挑戦。「芸能人はあたかも楽しい毎日を送っているように映っているかもしれないけど、それは悪い言い方をすれば誇張している、嘘ついる部分もあって。テレビ番組とかは、そのよく見せている部分だけをかいつまんでいるから“味濃い”なと。芸能人も地味な部分がいっぱいあるし、自分って平凡だなと思っている人も他人と比べないで自分的に楽しかった、辛かったでいいんじゃないかと思ってもらえれば」と作品の内容について語り、それは意図したわけではなく、「ラジオでも毎週エピソードを出さなきゃいけないんですけど、1週間で出来事とかないんですよ(笑)。スーパーに行ったとか、ダンボールを切り刻んだとか、そういうことだったら事欠かないし、それを面白く書くほうが芸人の力量を試される」とネタに困らないようあえて日常にフォーカスしたことで自然とそうなったのだと明かした。
今回の経験で文章を書くことに楽しさを見出したという岩井。「メディアでしゃべってることってチャンネルを変えちゃったらスパーンって切れるから、話の途中で笑いを入れなきゃいけない。でも文章はそれをしなくてもオチまで読んでもらえるっていうのが、自分の中では新しい、お笑いやってきた中であんまりなかったことだなと思いました」と発見の内容を説明し、「漫才だったらお客さんの反応を見てちょっと変えようっていうことがありますけど、自分の思ったように書いて出せる、自分の思うように動かせるっていうのが楽しい」と語る。
「もし本作にもう1話加えるとすれば?」という質問が飛ぶと、「腰痛防止のマットレスを敷いているんですが、それがクタクタになっていたんです。今日家に来た母親の車にぎゅうぎゅうに押し込んで実家がある埼玉に搬送しました。それを書きます(笑)」と最新エピソードを紹介。「僕は30歳になってから1人暮らしを始めたんですが、都内で粗大ゴミが出たら処理の仕方がわからない。だから一生自分で持ってなきゃいけないことになる」と頭を抱えてみせた。
相方の澤部には「読んでほしくもないし、読まれたくないわけでもない。どっちでもいい」とコメント。「読んで感想をもらっても(澤部は)創作をしない人間なので、そういう人に評価をもらったところで。この本に関して澤部に期待することはないです」とハッキリ述べて報道陣の笑いを誘う。また本日のイベントに迎えるサンシャイン池崎について、同じ猫好きとして「猫好き芸人の市場を独占しようとしている」と敵対心をのぞかせるひと幕も。「猫かわいいよって僕が勧めたような気がしますし、池崎が猫を抱えている代表的なあの写真は僕が撮った。無断で使ってるんです。訴えようと思ってます(笑)」と発言して笑わせた。
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