この「mosaique」は、結成4年目にして「キングオブコント2015」の準決勝進出を果たし注目を集めていた空気階段が満を持して開いた単独公演。会場はほぼ満席で、立ち見スペースは見学に訪れた多くの芸人で溢れかえっていた。
暗黒大陸じゃがたらの楽曲「タンゴ」が鳴り響く怪しげな雰囲気の中でスタートした1本目は、連続爆破事件の犯人による犯行声明がテレビから流れだすという内容のコント。大胆に映像を使った構成で早速拍手混じりの笑いを次々と誘う。
映画のワンシーンのようなオープニングVTRで会場をさらに盛り上げた2人は、料亭での商談中に起こった騒動を描く「接待」、水川演じる思春期の少年が秘める狂気をソーラン節とともに表現した「十七歳」を続けて披露。ネタの合間も、鈴木のお面をつけた黒子たちが小道具を運ぶ演出で観客を飽きさせない。黒子たちが鈴木の特大顔パネルをステージ上に運ぶ場面では特に大きな笑いが起こっていた。
爽やかなボクシングマンガの世界観と際どい下ネタを融合させた「世界タイトルマッチ」では男性客の笑い声が一際目立つ。ネタ後の転換中には激しい音楽とともに黒子の1人が突然プロ並のダンスを踊り始めた。
5本目は、テーマパークに迷い込んだソルジャーと迷子の少年が出会い、心を通わせていく「関健」。パレードの音を戦争の始まりと勘違いしたソルジャーが脅えながらも少年を守ろうとするドラマチックな展開で観客を引き込んでいく。続く「中華夫婦」は中華料理屋の夫婦がケンカと仲直りを繰り返すだけの物語性がほぼ排除されたコント。音楽と照明をフルに使って表現する奇想天外なネタを2人が阿吽の呼吸で繰り広げて客席を大いに盛り上げた。
ラストは流れ星と妖精を題材にしたファンタジックな「mosaique」。2人は今までのコントで張られていた伏線を次々と回収し、場内に感嘆混じりのどよめきを起こしていく。最後は感動的な展開を挟みつつ泥臭い大ボケを放ち、拍手に包まれる中ですべてのネタを終えた。改めてステージに現れた空気階段は、時間が押しているという理由で1分にも満たない挨拶を大急ぎで行う。初の単独ライブはコントに全力を注ぐ彼ららしさに満ちた公演となった。
関連記事
空気階段のほかの記事
リンク
- 空気階段 - 彩~irodori~出演者プロフィール
- 空気階段 鈴木もぐら (@suzuki_mogura) | Twitter
- 空気階段 水川かたまり (@kkkatmari) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
ぱなき(誉ロス) @masumipanaki
狂気と感動とファンタジーが交錯、空気階段の初単独ライブ「mosaique」 - お笑いナタリー https://t.co/yGtjYy9NBs
ライブレポートなのに読んだだけでワクワクが止まらない