開演のブザーが鳴り、幕が上がるとまずは金井の1人芝居が展開される。机にかじりついているのは小説の執筆に行き詰まる男だ。衣替えしようと男がタンスの中から冬服を取り出すと、服が縮んだのか身体が昔より大人になったからなのか、異様にサイズが小さい。その子供サイズの服をなんとか着てみようと奮闘するさまが会場の笑いを誘う。
続いては阿諏訪が登場。家に帰ってきた子供が、母親にジャスコに誘われるも断ってマンガを読んだり、次のコードもわからずにギターを弾くシーンを演じた。視力の悪いその子供はメガネを学校に置いてきてしまい、マンガもギターも、手元のものが何もかも見えずイライラ。双眼鏡や鏡、さらにガムテープや拾ったパンツを駆使して作った、いびつな“簡易メガネ”を着用したあられもない姿に客席からは笑い声がこぼれた。
那須は会社をクビになり、妻も子供も、ペットの猫も失う、悲しいサラリーマン役。妻や子供の名前を呼びながら家中を探していると、ケータイやスーツの上着など身につけていたものもどんどんなくしていく。不意に窓を開け、汚れない瞳で星を眺めたところで那須のパートは終了。そして第4幕では3人が集結し、離れ離れになった家族だったのではないか、と検証を重ねる。それぞれの言動で家族の再会に確信を持った3人だったが、いざ名前を呼んでみるとまったくの他人だったことが判明し、苦笑いしながら散り散りに去っていった。
エンディングでは、この舞台が徳永英明の「壊れかけのレディオ」の歌詞に沿って進行されていたことがタネ明かしされ、「鳥肌立ったでしょ? 要するに、天才なんです!」とこの仕掛けに胸を張る那須。次回公演への手応えを感じたようで、演じてほしい曲のリクエストも募った。劇団化も目指しているという「芝居う!」の今後の活動にぜひ注目を。
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